隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# オー!ファーザー
評価:
伊坂 幸太郎
新潮社
¥ 1,680
(2010-03)

JUGEMテーマ:小説全般
 ● オー! ファーザー / 伊坂幸太郎  
 ● 新潮社 
 ● 1680円 
 ● 評価 ☆☆☆☆
実は俺、母一人、子一人なのはいいとして、父親が四人もいるんだよ。
俺は普通の高校生なのに、なぜか四人の父親は全員どこか変わっていて、
俺はいつも父親たちに振り回されっぱなし
ただ静かにあたりまえにごく普通に生活していたいだけなのに、
今回、変な事件に巻き込まれてしまって―。


(感想)

父親が4人。つまり1人の女に夫が4人。
もう、このシチュエーションだけで十分、面白くなるのは想像できる。
私にはこれだけで「やったー」って感じでした。
父親4人のキャラクターがそれぞれ豊かで、
もし実写化したら、どの父親をどの俳優から演じてほしいかを考えるのが楽しかった
これ、ミステリーじゃなく、
何気ない日々の出来事を切り取ったようなお話にしても面白かったと思う。
こんなにたくさんの男と結婚しちゃったお母さんはさぞ魅力的な女性なんだろうと思うけど、
お母さんはほとんどお話のなかに登場しないというのもすごいよね

ごちゃごちゃしていた伏線が最後はきれいに一本にまとまる様が気持ちいい。
もっともっと見守り続けたい、すてきな家族の物語でした。
| comments(0) | trackbacks(0) | 14:24 | category:    伊坂幸太郎 |
# マリアビートル
評価:
伊坂 幸太郎
角川書店(角川グループパブリッシング)
¥ 1,680
(2010-09-23)
コメント:伊坂幸太郎、やっぱり面白い!

JUGEMテーマ:小説全般
 ● マリアビートル / 伊坂幸太郎
 ● 角川書店
 ● 1680円
 ● 評価 ☆☆☆☆☆
元殺し屋の「木村」は、幼い息子に重傷を負わせた相手に復讐するため、
東京発盛岡行きの東北新幹線“はやて”に乗り込む。
狡猾な中学生「王子」。腕利きの二人組「蜜柑」&「檸檬」。ツキのない殺し屋「七尾」。
彼らもそれぞれの思惑のもとに同じ新幹線に乗り込み―物騒な奴らが再びやって来た。
『グラスホッパー』に続く、殺し屋たちの狂想曲。
 

(感想)

伊坂幸太郎ってスタイリッシュで、いつしか読んでて気恥ずかしく思えるようになってきた。
けど、これは久々に夢中になって読みました。最近のヒットです。
私の好きな伊坂幸太郎が戻って来たってかんじ?

最初から最後まで、東京から盛岡までの新幹線の中での出来事だけで構成されています。
なんとこの新幹線、物騒な“殺し屋”たちが何人も乗っていて、
それぞれの思惑のもとに任務を遂行しようとしている、と・・・。
いたるところに伏線が張られまくりで、気を抜いて読むなんてとてもできない!
1つ1つを過度に疑いながら読んでいかないとね
小生意気なクソガキ・王子の自身が揺らいでいくあたりは読んでてスカッと気持ち良かったー。
木村のお父さん・お母さんがかっこいい。

七尾の運のなさがツボでした。この人好きだなぁ
いつかまた別の作品でお会いしたい・・・ 

物騒な話ではあるけど、面白かったなー。
こんなめちゃくちゃなヤツラをきれいにまとめられるのはやっぱり伊坂幸太郎の技量。
絶妙でした
| comments(2) | trackbacks(0) | 15:23 | category:    伊坂幸太郎 |
# あるキング
評価:
伊坂 幸太郎
徳間書店
¥ 1,260
(2009-08-26)
コメント:これが伊坂幸太郎??

JUGEMテーマ:小説全般 
 ● あるキング / 伊坂幸太郎
 ● 徳間書店
 ● 1260円
 ● 評価 ☆☆
弱小地方球団・仙醍キングスの熱烈なファンである両親のもとに生まれた山田王求。
王求は仙醍キングスに入団してチームを優勝に導く運命を背負い、野球選手になるべく育てられる。しかし王求めるの才能は両親の期待以上に飛び抜けていると知った両親は、
さらに狂気ともいえる情熱を彼にそそぐ。
すべては「王」になるために・・・・。
 

(感想)

いつものスタイリッシュで爽快な伊坂ワールドではない。
最近、ちょっと伊坂作品に飽きてきていたのだけど、これはヤバイくらいつまらなかった。

両親の仙醍キングスへの愛は執着でしかなく、
王求の野球への思いも孤独を伴い、純粋な情熱とは思えない。
3人の女は不気味だし、なにやら常に気味の悪い空気が立ち込めているようで
読んでいて息が詰まるような作品でした。

才能のある人の孤独・王の孤独・・・。
凡人になれない苦しみってあるのだろうなぁ。
その苦しさを描きたかったんだろうけど、あまりに王求が完璧すぎて、
人間味もなくてなんだか感情移入できなかった。
残念。
| comments(2) | trackbacks(0) | 16:15 | category:    伊坂幸太郎 |
# モダンタイムス
評価:
伊坂 幸太郎
講談社
¥ 1,785
(2008-10-15)
コメント:近未来という設定が生きてないような・・・

JUGEMテーマ:小説全般
● モダンタイムス / 伊坂幸太郎
● 講談社
● 1785円
● 評価 ☆☆☆
「勇気はあるか?」 29歳のシステムエンジニアである私の前で、見知らぬ男がそう言ってきた。
どうやら彼は私の妻からの依頼で、拷問しようとしているらしい。
私は「勇気は実家に」と言いかけたが、言葉を止めた・・・・。
ネット検索からはじまる監視の恐怖を描く近未来サスペンス。
『モーニング』連載の長編小説を書籍化。 


(感想)

私はそれほどつながりがあるとは思えないけど、一応「魔王」の続編といわれる作品です。
現在から50年ほど未来の話で、
ネットの技術は進歩しているものの庶民の生活自体に今とそれほど大きな変化はナシ。
近未来小説としては味気ない。
謎を解くカギがジョン・レノンの曲や「クロウ」だとか「駅馬車」という映画にあるのは伊坂さんらしいけど、
こんな今見ても古い映画を使うなら、あえてこんな近未来の設定にする必要はあったのか疑問。
近未来を描いておいてこれは卑怯でしょう
正直、最後まで夢中になる要素はなかった。
これ以前に伊坂さんの本を読んで事のある人はガッカリするんじゃないかなぁ。
テーマ自体は面白そうなのに、伊坂幸太郎が書いたのに、なんでこんなに面白くないんだろう。
これもある意味、すごいと思う。

けど、仕事が細分化され、
人が物事の一部分を担うにすぎない状況がこんなに怖いとは考えたことなかった。
自分が知っているのはたった一部分にすぎず、
全体を見渡してみると実はとんでもないことに加担してた・・・なんてこと実際にもありそう

タダモノじゃない奥さんや浮気相手の正体は最後までわからず、
著者本人を思わせる人物が出てくるなんてのも阿部和重さんとかがやってるし、新鮮味がない。
いろんな点で残念な点が残る。

でも、「勇気があるか?」って問いかけ・・・ドキッとしますね。
はっきり「イエス」と答えられる人はそういないんじゃないかな。
| comments(2) | trackbacks(2) | 12:21 | category:    伊坂幸太郎 |
# ゴールデンスランバー
ゴールデンスランバー
ゴールデンスランバー
伊坂 幸太郎
JUGEMテーマ:小説全般

ゴールデンスランバー/伊坂幸太郎
新潮社
1680円
評価 ☆☆☆☆
数年前、アイドル宅家に入った泥棒を捕まえ、
顔がイケメンだったこともあり、
一躍時の人となった宅配ドライバー・青柳雅春。
そんな青柳が再び世間から注目されることに・・・。
しかし、彼はかつてのようにヒーローではなく、
首相暗殺の容疑者として国民の前に現れたのだった。
絡み合う伏線、忘れ難い会話。
伊坂幸太郎のセンスを濃密にちりばめた書き下ろし長編。



(感想)
物語のごく最初にわかることなので書いてしまいます。
青柳雅春は犯人ではありません。
国家権力と思われる巨大な陰謀により、
まったく身に覚えのない首相暗殺というとんでもない罪を着せられ
仙台の街を逃げて逃げて逃げまくるお話です。

ありえない展開なんだけど、
「逃げろー逃げろー」と手に汗握って読みましたおはな
500ページもあるなんて思えないくらい一気読みラッキー
青柳が絶対にやってないって読者は知ってるから
ただひとつ「彼が逃げのびること」だけを祈って読むことができる。

ひとつひとつのカットが映像カチンコを見ているかのように
鮮やかに浮かぶ。
きっと映像化されるだろうなぁニコニコ

んー、でも傑作ではない汗
ウィットに富んだ会話や物語の随所にちりばめられた伏線は
伊坂幸太郎そのもので、やっぱりセンスのいい作家なのは間違いない。
今回のこの作品はあまりにも都合がよすぎて、荒い。
警察に何度の手から逃れることができたり、
おかしいなって思うことが多数(笑)
もともとの知り合いならまだしも
普通、テレビテレビで大事件の容疑者として報道されてる男を
助けようとする人がこんなにいるのかって疑問[:ふぅ〜ん:]
でも、このことが情報に惑わされずに、
大事なことや真実を自分で見極める眼を持つことの重要さを
教えてくれるんだよね。
自分の含め、みんな情報を鵜呑みにしすぎなのかもね。

管理社会の恐ろしさ。
でも、もしかしたらここまで管理されてもおかしくはない
時代になるのかもしれない。
むしろ、ここまでしないと不安で町も歩けないような
世の中になってしまいそうで怖いですひやひや
| comments(0) | trackbacks(1) | 10:48 | category:    伊坂幸太郎 |
# フィッシュストーリー
フィッシュストーリー
フィッシュストーリー
伊坂 幸太郎
フィッシュストーリー/伊坂幸太郎
新潮社
1470円
評価 ☆☆☆
あの作品に登場した魅力的な脇役達の日常は!?
人気の高い「あの人」が、今度は主役にぴかぴか
小気味よい会話と伏線の妙が冴える伊坂ワールドの饗宴。



(感想)
伊坂さんの作品にはキラリと光る個性を持った脇役が多い。
その中でも人気の高い「あの人」たちを主役にした短編集です。

・・・とはいっても私の場合、
だいぶ前に読んだ本のキャラクタ−ははっきり言って忘れてましたたらーっ汗
でもそんな薄情な私でも、むしろ伊坂作品をはじめて読む人でも楽しめるので
安心してくだされ猫2

「そう来るかっ!?」とニヤリとしちゃうような結末があるのがこの人の作品の魅力だけど、
今回は特に「ポテチ」のあたたかい結末が良かったー。
泥棒の話が家族の物語になってくるとは・・・どんっ
この本ではこれが一番好きだなー。

山奥の村に残る、生贄の儀式の真実を描いた「サクリファイス」の不気味さもいい。

あやしげな要素が時間壁掛時計すらも越えて、
パズルのように重なり合っていく気持ちのよさ・・・。
これが伊坂作品のかっこいいところですおはな
でもこれって、もしかしたら長編であればあるほど活きるものであり、
読後の爽快感も増すのかもしれない。
今回の短編を読んで、そんなことにもはじめて気づいたのでありました。

でも・・こういう番外編的なものもいいけど、
できれば長編で読みたい作家ですね・・・。



●この本が好きな人におすすめなのは・・・
伊坂幸太郎全作品!
(とにかく「フィッシュストーリー」には過去の伊坂作品に登場した人物が
 いろんな作品から出ています。過去作読んで探してみてください猫2
| comments(0) | trackbacks(0) | 11:41 | category:    伊坂幸太郎 |
# 死神の精度
死神の精度
死神の精度
伊坂 幸太郎
死神の精度/伊坂幸太郎
文藝春秋
1500円
評価 ☆☆☆☆
「俺が仕事をするといつも降るんだ」
クールでちょっとズレてる彼はなんと死神びっくり
ミュージックを愛する死神が見た6つの人間模様。



(感想)
“死”は定めであり、誰も身にも起こることである。
何も特別なことではない。

主人公である死神が人間の死を淡々と決定していく様は、
そんな当たり前の事実を思い出させてくれた。

きっと今日から私は“死”を恐怖とは思わないだろう。

死神は自分の担当する人間を7日間観察し、
その人間の死を“可”か“見送り”かの判断を下す。
恋愛や旅、やくざ絡みの抗争までありシチュエーションはさまざま。
読者を飽きさせないバラエティの豊かさがありますウィンク

死神のキャラクターにコミカルな味付けをしている点もうまいぴかぴか

さらにどの章もわずかに“寸止め”で完結している。
あの締めくくり方は気持ち悪くもあるけど、
評価すべき絶妙さでした。


●この本を好きな人におすすめなのは・・・
窓際の死神(アンクー)/柴田よしき
| comments(0) | trackbacks(1) | 00:38 | category:    伊坂幸太郎 |
# 魔王
魔王
魔王
伊坂 幸太郎
魔王/伊坂幸太郎
講談社
1300円
評価 ☆☆☆☆
人々の心をわし掴みにする若き政治家が日本に選択を迫る時、
長い考察の果てに、兄は答えを導き出し、弟の直観と呼応する・・・。
未来にあるのは青空なのか、荒野なのか。
世の中の流れに立ち向かおうとした、兄弟の物語。


(感想)
作品中に憲法やファシズムなどが出てきていますが、
これらが作品のテーマではないと著者は明言しています。

群集心理の恐ろしさを描いているとでもいうのでしょうか?
これまでのクールな伊坂作品のイメージとは違い、
現代日本に渇を入れるような社会小説でした。

情報化社会といわれる今、
自分(私だけでなく大衆全体が)どれほど情報に流されているかということを痛感します。
この作品の中で大衆の心をわし掴みにする若き政治家・犬養。
彼のように人の心をつかむのがうまく、吸引力のある人の思想が、
いつしか自分の意思として塗り替えられていないですか?

こういってしまうと大げさかもしれませんが、
一時の小泉フィーバーやライブドアの事件前の勢いなんかも
こういった群集心理の上で盛り上げられたものにすぎないのかもしれない。

これは伊坂幸太郎から私たちへのメッセージなのかもしれません。
ここままでいいのか?考えろ、考えろ・・・と。

最後に・・・この本は装丁も素晴らしいですぴかぴか
表紙はタイトルとは似つかわしくない白とブルーの爽やかなイメージ。
しかし1ページ開くと・・・真っ黒びっくり!!
これは日本の未来にあるのは青空か、荒廃かということを
表現してるのでしょうか!?
| comments(2) | trackbacks(2) | 12:18 | category:    伊坂幸太郎 |
# ラッシュライフ
ラッシュライフ
ラッシュライフ
伊坂 幸太郎
ラッシュライフ/伊坂幸太郎
新潮社
1785円
評価 ☆☆☆☆
歩き出したバラバラ死体、解体された神様、鉢合わせの泥棒・・・。
無関係に思えた五つの物語が、
次第に交錯していく本格派ミステリー!


(感想)
個々のお話が少しずつリンクし、
まるでパズルのようにつなぎあわされていく複雑さは伊坂幸太郎の得意技。
この構成のうまさには相変わらず脱帽させられます拍手

細かい伏線も読み逃したくなかったら、
最初っから丁寧にメモ鉛筆2を取りながら読むべしですウィンク
でないと、時間的壁掛時計なズレに疑問を持って
読み返すことになるかもしれません・・・(苦笑)

作品中で展開する5つのお話だけでなく、
他の伊坂作品ともうまくリンクさせてあります
(これも伊坂さんの得意な手ですね)

よって、伊坂さんの作品を読んでいれば読んでいる人ほど
楽しめる仕掛けがいっぱい隠されています。

こういう手って、一時期はやった映画的ですよね。
伊坂さんは映画好きで、
映画から多くの影響を受けているらしいのでそれにはとても納得できます。

ま、いつまでも同じ手を使い続けられたら
いつかは読者も飽きるかもしれないのでほどほどに・・・猫2
| comments(0) | trackbacks(1) | 11:35 | category:    伊坂幸太郎 |
# アヒルと鴨のコインロッカー
アヒルと鴨のコインロッカー
アヒルと鴨のコインロッカー
伊坂 幸太郎
アヒルと鴨のコインロッカー/伊坂幸太郎
東京創元社
1575円
評価 ☆☆☆☆☆
引っ越してきたアパートで出会った長身の美青年は、
初対面だというのに「一緒に本屋読書を襲わないか」と持ち掛けてきた。
彼の標的は・・・たった一冊の広辞苑。
そんな誘いにフツーはのらない。
しかし決行の夜、あろうことか僕はモデルガン銃を持って、
書店の裏口に立っていた!!


(感想)
物語は現在と2年前の出来事が交互に描かれています。
この構成がうまいグッド
「何か悲しいことが起きるに違いない」という悪い予感を抱きつつ、
現在と過去が一体どこで繋がるのかわくわくしながら読みすすめます。
それが繋がったときに、
軽く読み流してしまった何気ないセリフや描写が
実は大きな意味を持っていたことに気づく!!
その瞬間に登場人物たちの痛みや思いが体中に押し寄せてきました!!

悲しい物語になってしまいそうなこの題材に、
たくさんの動物犬猫豚を登場させたこと。
これは効果的でしたチョキ
動物たちのおかげで作品に優しさと丸みが出たと思いますラッキー

大好きな本です。
| comments(7) | trackbacks(0) | 12:08 | category:    伊坂幸太郎 |
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