隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# デンジャラス
評価:
桐野 夏生
中央公論新社
¥ 1,728
(2017-06-07)

JUGEMテーマ:小説全般

 

 デンジャラス / 桐野夏生(中央公論新社)

 

 個人的な評価 ☆☆☆☆

 

君臨する男。
寵愛される女たち。
文豪が築き上げた理想の〈家族帝国〉と、そこで繰り広げられる妖しい四角関係――
日本文学史上もっとも貪欲で危険な文豪・谷崎潤一郎。
人間の深淵を見つめ続ける桐野夏生が、

燃えさかる作家の「業」に焦点をあて、新たな小説へと昇華させる。

 

 

 

(感想)

 

今作は「細雪」のモデルになっている姉妹のうちの2人が登場し、

その妹の方が語り手となっています。

私が読んだ谷崎潤一郎作品は「痴人の愛」のみで「細雪」は読んでませんが、

それで特に不自由することもなく楽しめました。

 

家族の中に体の関係じゃない「男女」の絡みがいくつもあって、

日々駆け引きをしながらも家族として暮らしている・・・

なんてスリリングなシチュエーション!!

どこまでが真実なんだろう・・・考えるだけでゾクゾクしますね。

語り手を別の人にして、違う視点から書いても面白かったはず。

もし千萬子の視点で描いたりした、だいぶ違ってたんだろうな。

 

結局、勝者は誰?

そして、この危うい家族の軸となり、静かにコントロールしてきたのは誰?

すべては最後のホテルでの二人の会話で見せた重子の押しの強さと、

女の業が物語っている気がします。

 

それにしても、巻末の主要参考文献の一覧を見ると、

潤一郎と千萬子の往復書簡は本になってるんですね。

すげーww 読んでみようかなぁw

| comments(0) | trackbacks(0) | 13:10 | category:    桐野夏生 |
# 夏の入り口、模様の出口

JUGEMテーマ:エッセイ

 

 夏の入り口、模様の出口 / 川上未映子(新潮社)

 

 個人的な評価 ☆☆☆☆

 

恋人の浮気を直感ピッコン+泣き落としで突き止めた話、

乗ったタクシーが事故を起こし血まみれになった運転手が必死に書いて渡してくれた物とは?

襟足から下の方まで「毛」に対するこだわりなどなど、

人気作家の摩訶不思議な頭の中と、

世界の摩訶不思議な人間たちの姿が垣間見られる???エッセイ集。

 

 

 

(感想)

 

なぜか“あれ?これどっかで読んだことある”、

“このエピソード知ってる!”という既視感がハンパなく、

恐怖すら感じたけどそれには理由がありました。

私はこれを単行本で読んだんだけど、

この作品、文庫化されるときは「オモロマンティツク・ボム!」というタイトルに改題されていて、

私はそっちの文庫版の方をすでに読んでいたのでありましたw

読書記録ノートによると2012年の8月に読んでいるんだけど、

この近辺数カ月の私は本は読んではいたけれど、

どうやらこのブログを書く気力を失っていたらしく、

この時期に読んだ本の感想がブログからごそっと抜け落ちてるんですね・・・。

(たまにそういう時期があるんです。そういう時は無理せず、書かないことにしています)

・・・と、まぁ文庫版の感想も書いてなかったことだし、

いい機会なので、改めて今回読んでの感想を書きます。

 

川上さんの着眼点や感性が好きです。

表現力や独特の言い回しにもセンスあり、言語感覚の軽さにも親しみを覚えます。

こういう短い文章が並んだエッセイ集が私は苦手なのですが、これは例外!

私、このくらいの軽さの本が無性に読みたくなる時があるんですよねー。

個人的には川上さんは小説よりもエッセイの方が面白い作家だと思います。

 

神経症の隣人の話は声を出して笑いました。

私も似たようなこと、してるかもしれないww

| comments(0) | trackbacks(0) | 12:23 | category:    川上未映子 |
# リバース
評価:
湊 かなえ
講談社
¥ 1,512
(2015-05-20)

JUGEMテーマ:小説全般

 

 リバース / 湊かなえ(講談社)

 

 個人的な評価 ☆☆☆

 

深瀬和久は平凡を絵に描いたようなサラリーマンで、

趣味らしいことといえばコーヒーを飲むことだった。

その縁で、越智美穂子という彼女もできてようやく自分の人生にも彩りが添えられる。

と思った矢先、謎の告発文が彼女に送りつけられた。

そこにはたった一行、『深瀬和久は人殺しだ』と書かれていた。

深瀬を問い詰める美穂子。深瀬は懊悩する。

ついに“あのこと”を話す時がきてしまったのか、と。

 

 

 

(感想)

 

半年くらい前にやってたドラマ版の方を見てました。

ドラマ見てから原作読むって流れは私にしては珍しいパターンだけど、

これはどうしても原作も読んでみたくなったんですよね。

 

ドラマ版の方が登場人物も多く、人物描写や心の葛藤の描き方が丁寧なので、

小説版はドラマに比べるとさっぱりしすぎてるかな〜という印象。

ですが、やっぱり小説版は「これぞ湊かなえ!」という感じ。

ラストの“救われない感”、“後味の悪さ”・・・

未来に明るい日差しが指したドラマ版とは違う、湊さんらしい結末で、

いい意味ですごーーーくイヤな気分になりました。(←褒め言葉ですよ)

| comments(0) | trackbacks(0) | 15:46 | category:    湊かなえ |
# 産まないことは「逃げ」ですか?

JUGEMテーマ:エッセイ

 

 産まないことは「逃げ」ですか? / 吉田潮(KKベストセラーズ)

 

 個人的な評価 ☆☆☆

 

産む人生か、産まない人生か。
アラサー&アラフォーの女性にとって誰もがぶつかる「妊娠・出産」の問題。
また「子供が欲しい」と思って「妊活」しても、
簡単には「できない」という問題とも向き合うこともあります。
こうした女性のナイーブな問題を「ひとりで悩む」苦しさに対して、ではどうすればいいのか?
TV批評で人気のコラムニストの吉田潮が、
自らの体験を通じて得た「気づき」を本書で書き下ろしました。

 

 

 

(感想)

 

妊娠・出産に関することは究極のプライベートだと思っています。

たとえ親しい間柄でも、

産んでない人に対してはこれに関してどこまで踏み込んでいいのかわかんない。

私も産んでない側の人間なので、

そんなデリケートな部分を何も隠すことなく、

馬鹿正直に大っぴらに書いてくれた著者にはまず感謝したいです。

産まない(産めない)理由が著者とは違っていたとしても、

産んでない女性にとっては何らかの励ましになる本だと思います。

 

特に、「産まない」ことが逃げというわけではなく、

「産む」ことで逃げた人もいるんじゃね?的な

まったく逆の考え方もあるってことには胸がスーッとしました。

なるほど、たしかにそうだよな。

仕事がうまくいかないから結婚・出産に逃げる人もいるし、

自分自身になんの取り柄もないから、

夫や子供というステータスで自分を飾ろうとする人もいる。

産まないよりは産んだ方が真っ当な人生を生きていて、

産んでない人が肩身の狭い思いをしてるような感じが現代の世の中でもまだあるのは事実。

でも、自分の人生の主語はあくまでも「自分」。

大事なのは「自分個人」として、

自分の人生に責任と覚悟を持っていけるかどうかってことじゃないかな。

 

でもやはり産まない側から見ても子育てはすごいことだと思う。

お金も時間も愛情も忍耐もいーっぱい注いで一人の人間の成長と向き合う。

それはかけがえのない経験であるだろうことは認めます。

でも、それを自分が経験したいかとなるとハナシは別。

もしかしたら私も子供がいないことで将来的に何か困ったことが起きるかもしれないし、

もう絶対に出産なんて無理な年齢になってから、

産まなかったことを猛烈に後悔するかもしれない。

世間と自分を比べたり、周囲の声に影響を受けて揺らいだりへこんだりすることもあるけど、

この本を読んでいろんな人生や考え方に触れた今でも、

私は間違いなくはっきり「子供なんていらねーや」ってやっぱり思ってる。

この本を読むことで自分の考えをちゃんと再認識する機会を与えられたような気がします。

とてもいい機会になりました。

| comments(0) | trackbacks(0) | 14:18 | category: 作家名 や行 |
# R帝国
評価:
中村 文則
中央公論新社
¥ 1,728
(2017-08-18)

JUGEMテーマ:小説全般

 

 R帝国 / 中村文則(中央公論新社)

 

 個人的な評価 ☆☆☆

 

舞台は近未来の島国・R帝国。

ある日、矢崎はR帝国が隣国と戦争を始めたことを知る。
だが、何かがおかしい。
国家を支配する絶対的な存在″党″と、謎の組織「L」。
やがて世界は、思わぬ方向へと暴走していく――。
世界の真実を炙り出す驚愕の物語。

 

 

 

(感想)

 

移民問題・人種差別・戦争の危機・ネットへの依存・・・

今の時代が抱えている問題が、

さらに深刻化してしまった未来の最悪ケースを見せられているかのような作品でした。

決して大げさな作り話とは言えないのが怖いです。

ただ、人物描写が粗く、

栗原と矢崎、どっちがどっちかわからなくなるのには困りました。

メッセージ性は強いけど、小説を味わうという意味でなら深みはありません。

SFは苦手なのでかなり苦戦はしたけど、

著者が未来に対して感じてる危機感?・・・そのメッセージは受け取れた気がします。

| comments(0) | trackbacks(0) | 09:16 | category:    中村文則 |
# 女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと

JUGEMテーマ:エッセイ

 

 女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと / 西原理恵子(角川書店)

 

 個人的な評価 ☆☆☆☆

 

七転び八転びしながら仕事に全力投球し子どもを必死に育てあげたサイバラかあさんが、

今だからこそ言っておきたい、厳しくもハートフルな人生指南。
「王子様を待たないで。お寿司も指輪も自分で買おう」――
目下子育てに奮闘しているママにも、反抗期まっさかりの子どもにも、

大きくなった元・女の子の娘さんにも、胸にすとんと落ちるメッセージは、
血の通った経験則にもとづく幸せの極意。
これからの時代を自立的に生きるための気づきが満載。

女性のための新バイブル。

 

 

 

(感想)

 

私、実は西原理恵子さんのエッセイどころか漫画も読んだことなくて、

今作がはじめての西原理恵子体験でした。

もちろんお父様のことや離婚した旦那さんのことも何も知らず、

こんなに男に振り回されて波乱万丈生きてこられた人なのか〜と、まず驚き。

なのに!西原さん、こんなに男でしくじってきたのに、

それでも「もう誰のことも好きになれないと思ったことは一度もなかった」と言えるんだから強いなー。

男性に依存せず、自分の力でたくましく生きている人だからこそこんな風に思えるのかもしれません。

“女の一途は幸せの邪魔”・・・うーん、たしかにその通り!

 

自分で這い上がった人の言葉だからこそ説得力がありました。

自分の力で夢をつかんで、その世界で稼いで食べるお寿司と、

若さや容姿に惹かれて寄ってくる男に奢ってもらって食べる寿司、

同じ寿司でもどっちが美味しいか・・・それは言わずもがなですよね?

貧困や学がないことによって、

自分で選択する自由すらも得られない生き方は、だめ。

西原さんの言うように「自由は有料」なのです。そして「責任も有料」。

まずは自分の人生を自分で選びとれるための努力をし、

自分で人生に責任を持つ権利も勝ち取ろう。

そのために努力した経験自体が大きな力になるだろうし、

そこで培った根性は万が一転んでしまったときに、

へこまずにしっかり立ち上がれる力にもなるはずです。

そして、そんな頑張ったあなたなら、

西原さんが高須先生と出会えたように、

きっと素敵な王子様に見つけてもらえるはず・・・そう信じたい!!

 

この本、タイトルを見ると、

これから巣立っていく未成年の子のための本と思われそうだけど、

それよりは人生の方向性に迷っている20~30代のお姉さん方や、

まさに女の子の子育て真っ最中の若いママさん達にも十分響くと思います。

もちろんこの西原さん流の幸せの勝ち取り方は、

女性にしか当てはまらないというわけではありません。

男性にも読んでほしいです。

| comments(0) | trackbacks(0) | 15:16 | category: 作家名 さ行 |
# 成功者K
評価:
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河出書房新社
---
(2017-03-24)

JUGEMテーマ:小説全般

 

 成功者K / 羽田圭介(河出書房新社)

 

 個人的な評価 ☆☆☆

 

芥川賞を受賞したKはいきなりTVに出まくり、

寄ってくるファンや友人女性と次々性交する。
突如人生が変わってしまったKの運命は?

 

 

 

(感想)

 

芥川賞受賞以降、たしかに羽田圭介をテレビで見る機会は多くなりましたね。

表紙も著者本人の顔写真を使っているし、

事実と創作の入り混じっている小説なのでしょう。

どこが真実でどこが作り話なのかを想像しながら読むのが

この作品の楽しみ方なんだろうな。

 

とにかく最初っから最後まで「金」「名声」「女」だけです。

つーか、ここまでだと「成功」っていうより「性交」だろww

読んだからといってどーってことない作品。

芥川賞受賞で突如有名人になったことに対する皮肉のようにも思えるし、

自分のそのおかしげな状況をネタにしたかっただけかも。

好き嫌いははっきり分かれると思います。

けど、読書体験があまりなくて、

受賞後のテレビ出演等ではじめて羽田さんを知ったような読者さんたちは

軽く楽しめるのはないでしょうか。

 

受賞特需はいつまでも続きません。

現に、私がこれを書いてる時点で、

もう羽田さんをテレビで見る機会はほとんどないですしw

この先、メディアからも街の人からも声がかからなくなってからのことを書いた

続編を出してくれたらサイコーだな。

| comments(0) | trackbacks(0) | 15:18 | category:    羽田圭介 |
# 試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。

JUGEMテーマ:小説全般

 

 試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。 / 尾形真理子(幻冬舎文庫)

 

 個人的な評価 ☆☆☆

 

かわいい服を買ったとき、一番に見せたい人は誰ですか----。
所帯じみた彼と停滞ぎみなネイリスト、長い不倫に悩む美容マニア、

年下男子に恋する文系女子、披露宴スピーチを頼まれた元カノ、

オンリーワンに憧れる平凡なモテ系女、

そして、彼女らに寄り添うひとりの女性店員。

ある春の日、路地裏の小さなセレクトショップに足を運んだ女性たちが、

運命の一着と出会い勇気をもらう。
ファッションビル「ルミネ」のポスターから生まれた、

今の自分が好きになる5つの物語。

 

 

 

(感想)

 

タイトルに惹かれて衝動買い。

店頭でタイトル見た瞬間、女心がビクンッと揺さぶられましたw 

これ、すごいタイトルだと思います。秀逸です。

知らない作家さんだったので著者プロフィールを見てみると、

著者なんとコピーライター!

なるほど〜、だからこんなにセンスがあるのか〜。納得しました。

 

あるセレクトショップを訪れたお客さん達の恋愛模様を描く短編集です。

正直、物語自体はこれといったインパクトはなく、

すぐに内容を忘れてしまいそうな軽い恋愛モノでした。

けどやはりコピーライターとしての力量のすごさは感じます。

各章のラストがそれぞれ素敵な一文で締めくくられているのが印象的!

結末が明確に描かれていなくて、余韻を残すようなラストもよかったなぁ。

 

たしかに自分のきれいなかわいい姿をいちばん見てほしいのは、好きな人。
新しい服を買って、自分を磨く努力をして・・・。

女が自分の外見のためにする気使いや努力はすべて好きな人のため。

そんな恋してるときのウキウキした感情は女性ならみんな共感できると思います。

まさに女のための本という感じで、

男性が読んでも面白い本ではないのかもしれません。

 

「感情は年を取らないのかもしれない。対処の仕方が大人になっていくだけで。」

これは年下の同僚を好きになってしまった35歳の主人公の言葉。

「感情は年を取らない」・・・ほーんとそうだと思います。

てか、ときめきを感じられなくなって、

自分を磨く努力ができなくなったら女としてと女の部分が終わってしまう気がする。

要は気持ちに大人としての対処ができるかどうか。自分を保てるかどうか。

いつまでも若い感覚・感情できらきらと潤っていたいものですw

| comments(0) | trackbacks(0) | 13:33 | category: 作家名 あ行 |
# ときどき旅に出るカフェ

JUGEMテーマ:小説全般

 

 ときどき旅に出るカフェ / 近藤史恵(双葉社)

 

 評価 ☆☆☆☆

 

瑛子が近所で見つけたのは、カフェ・ルーズという小さな喫茶店。

そこを一人で切り盛りしているのは、かつての同僚・葛井円だった。

ここでは海外の珍しいメニューを提供しており、

旅を感じられる素敵な空間をすっかり気に入った瑛子は足しげく通うようになる。

会社で起こる小さな事件、日々の生活の中でもやもやすること、

そして店主の円の秘密――。

不思議なことに世界の食べ物たちが解決のカギとなっていく。

読めば心も満たされる“おいしい"連作短編集。

 

 

 

(感想)

 

店主が毎月日本国内や世界中を旅して、

その旅で見つけた珍しいメニューを提供する。

そんな素敵なカフェを舞台に繰り広げられる謎解き連作短編集です。

美味しそうなカフェメニューもたくさん出てくるし、

この雰囲気を嫌いな女性はいないはず!

気軽に読める軽さなので、あっという間に読み終えてしまいました。

 

カフェというと女性らしいほわわ〜んとしたイメージがあるけど、

それよりも店主の芯の強さと行動力に惹かれます。

きちんとしたビジョンを持って、揺らぐことなく生きられるのは素敵。

この店(この人)は変わらない・流されないという安心感があるから、

お客さんも人もついてくる。うーん、理想だなぁ。

 

よい雰囲気でサクサク読めるのですが、ラスト近くはなにやら不穏な空気・・・。

せっかくいい心地よい雰囲気だったのにそれをあえて壊すということは、

続編があるとしか考えられません。

まだ素敵な店長の元で、美味しいものを食べて、

いい旅をさせてもらえることを期待しています。

 

| comments(0) | trackbacks(0) | 09:26 | category:    近藤史恵 |
# ガーデン
評価:
価格: ¥ 1,512
ショップ: 楽天ブックス

JUGEMテーマ:小説全般

 

 ガーデン / 千早茜(文藝春秋)

 

 評価 ☆☆☆

 

花と緑を偏愛し、生身の女性と深い関係を築けない、帰国子女の編集者。
異端者は幸せになれるのか。幸せにできるのか。
著者会心の感動作。

 

 

 

(感想)

 

静かな空気感を持つ作品。

けど、燃えるよう荒々しい人物の登場により、その世界観は壊されます。

その瞬間の“何かが動き出す予感”にはゾクゾクしました。

 

植物を偏愛する帰国子女の主人公は、

人との距離の取り方が苦手で、近づけば近づくほど孤独を感じてしまう。

なーんか生命のエネルギーをまったく感じない人です。

そのせいかこんなにも植物がたくさんでてくる作品なのに、

彼の部屋の植物からにも生き生きとした生命力は感じない。

まるですべてが造花みたいに無機質に思えてきちゃってw

けど逆に女性たちはギラギラしています。

どの人もがんばって、悩んで、自分なりに道を切り開こうとしている。

そん対照的な描かれ方が女性として小気味よかったです。

 

“男は必ず間違える”・・・ある登場人物(もちろん女性)のこの言葉にドキン!

激しく共感いたしました。

彼らは間違えたことをいえばめんどくさいことになることを最初からわかってる。

だからそれを回避するために“本音”ではなく“正解”を言おうとする。

でも女にはそんなのバレバレで結局、余計にめんどうなことになる。

ねぇ、どうして彼らはそこまでの計算ができないんでしょうね?

| comments(0) | trackbacks(0) | 10:37 | category:    千早茜 |
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