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JUGEMテーマ:エッセイ
猫にかまけて / 町田康(講談社文庫)
個人的な評価 ☆☆☆☆☆
気位が高く威厳に満ちたココア、
犬の血が混じっているのではないかと思うほど人懐っこいゲンゾー、
遊び好きで無邪気なヘッケ、
並外れて気の強い奈奈・・・・縁あって共に暮らした、ちょっと面白い奴ら。
手を焼かされ、言い負かされ、それでもいつも一緒にいた。
写真と文章で綴った、猫たちとのいとおしい日々。
(感想)
2007年に読んだことのある本を再読。
その頃は完全なる「イヌ派」だった私が2020年の今は猫を飼っていて、
今やすっかりネコ派になっていますw
ですから、本の中に散りばめられている「ネコあるある」のエピソードの数々が骨身にしみてわかる!
そして私の猫レベルが増してる分、本に対する理解度も増した気がする!
2007年に読んだ時とは違う意味で、より深く、面白かったです。
来るもの(来る猫)を拒まず、さすが作家先生な観察眼。
猫たちの考えていること(考えていそうなこと)がユーモラスに描かれ、
あまりのおかしさに何度吹き出したことでしょう。
面白い場面からも、涙なしでは読めないような場面からも、
町田さんの猫たちに対する深い深い愛情を感じました。
いつもながらの独特の町田節でありながらも、
シリアスな場面では文章のアクの強さがほんの少し抑えています。
そんな文章の使い分けにも配慮が感じられました。
猫の沼にハマったら逃れられない・・・わかる、わかるな〜。
私も町田さんもすっかりハマってる、やられてる。
猫は人生に素晴らしい喜びを与えてくれるけど、楽しいだけじゃない。
すべてを受け入れて共に生きる「覚悟」。
それを感じさせてくれた一冊でもあります。