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砂上 / 桜木紫乃(角川書店)
個人的な評価 ☆☆☆☆
冬の北海道・江別。
柊令央は、ビストロ勤務で得る数万円の月収と、元夫から振り込まれる慰謝料で細々と暮らしていた。
いつか作家になりたい。
そう思ってきたものの、夢に近づく日はこないまま、気づけば四十代に突入していた。
ある日、令央の前に一人の編集者が現れる。
「あなた今後、なにがしたいんですか」。
責めるように問う小川乙三との出会いを機に、令央は母が墓場へと持っていったある秘密を書く決心をする・・・。
(感想)
どんよりと乾いた空気の漂う作品でした。
「つまらない」「読んででつらい」などあまりいい評価は聞こえてこないけど私は嫌いじゃない。
嫌いじゃない、というか、私も主人公と一緒で就職氷河期を経験し、
きちんとした就職ができなかったクチなので、
40代で身に染みる「人生の厳しさ」がグサリと刺さって共感できたんですよね。
"ゆらゆらと生きてきたつけが回ってきた"って表現はまさにその通り。
決して目をそらすことのできない現実を突きつけられたような感じ。
編集者が主人公に「主体性がない」と指摘される場面も、読んでてキツかったし(;´・ω・)
珠子さん、めっちゃ怖かった〜。