隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# AX アックス
評価:
伊坂 幸太郎
KADOKAWA
¥ 1,620
(2017-07-28)

JUGEMテーマ:小説全般

 

 AX アックス / 伊坂幸太郎(角川書店)

 

 個人的な評価 ☆☆☆☆☆

 

最強の殺し屋は―恐妻家。

「兜」は超一流の殺し屋だが、家では妻に頭が上がらず、一人息子の克巳もあきれるほどだ。

兜がこの仕事を辞めたい、と考えはじめたのは、克巳が生まれた頃だった。

引退に必要な金を稼ぐため、仕方なく仕事を続けていたある日、

爆弾職人を軽々と始末した兜は、意外な人物から襲撃を受ける。

こんな物騒な仕事をしていることは、家族はもちろん、知らない。

『グラスホッパー』『マリアビートル』に連なる殺し屋シリーズ最新作。

 

 

 

(感想)

 

伊坂幸太郎さんの作品はいつも間違いなく面白いんだけど、

そのスタイリッシュなかっこよさが田舎者の私には気恥ずかしく感じられることがあるのも否めません。

しかし今作はスタイリッシュなかっこよさはないww 

殺し屋だって、家庭に戻ればフツーのお父さん。

しかも奥さんにまーったく頭があがらない恐妻家ときたもんだっ!

殺し屋というハードボイルドな世界とユーモラスでのんびり〜とした家庭での風景のギャップが楽しくて、

いつもとはちょっと違った伊坂ワールドを楽しめました。

世のお父さんたちは相当共感できるはずです!!

| comments(0) | trackbacks(0) | 11:18 | category:    伊坂幸太郎 |
# 盤上の向日葵
評価:
柚月 裕子
中央公論新社
¥ 1,944
(2017-08-18)

JUGEMテーマ:小説全般

 

 盤上の向日葵 / 柚木裕子(中央公論新社)

 

 個人的な評価 ☆☆☆☆☆

 

さいたま市天木山山中で発見された白骨死体。

唯一残された手がかりは初代菊水月作の名駒のみ。

それから4ヶ月、叩き上げ刑事・石破と、かつて将棋を志した若手刑事・佐野は真冬の天童市に降り立つ。

向かう先は、世紀の一戦が行われようとしている竜昇戦会場。

果たしてその先で二人が目撃したものとは! ?

 

 

 

(感想)

 

将棋のルールはまったくわからないので、

対局の場面は完全に無視して読みましたが、まったく問題なく読めた気がします。

560ページがあっという間でした。

特に新鮮味はないのだけど、登場人物のキャラが立ち、展開もスムーズ。

これなら将棋を知らない人も読書慣れしてない人も比較的サクサク読めるのではないでしょうか。

こんなに重厚感があるのに、ページをめくる指が軽いなんてすごい。

読ませる力がある作品ならではです。

特に少年時代の桂介と唐沢夫妻のふれあいには胸が熱くなります。

 

結局、父親からは逃れることができなかった。

東明のことも無視することができなかった。

そこを切り捨てられないところが上条桂介の生い立ちからくる運命というか呪いのようなもの?なんだろうなぁ。

こんなに多くの登場人物がいるのに、誰一人幸福ではなく、救われないのが切なかったです。

| comments(0) | trackbacks(0) | 10:49 | category:    柚月裕子 |
# マスカレード・ナイト

JUGEMテーマ:小説全般

 

 マスカレード・ナイト / 東野圭吾(集英社)

 

 個人的な評価 ☆☆☆☆

 

若い女性が殺害された不可解な事件。

警視庁に届いた一通の密告状。
犯人は、コルテシア東京のカウントダウンパーティに姿を現す!?

あのホテルウーマンと刑事のコンビ、再び――。

 

 

 

 

(感想)

 

「マスカレード・ホテル」「マスカレード・イブ」に続くマスカレードシリーズ第3弾。

私、「ホテル」は以前読んでるんですけど、「イブ」はまだ。

実は「ホテル」がそれほど面白かった印象がなく、

読んだ時期がたまたま忙しかった時期だったこともあって感想も書かなかったんだけど、

それでも「ナイト」は十分に楽しめました。

これきっかけに「イブ」を読んで、「ホテル」も再読してみようかなっ。

 

東野さんの作品だからもちろんサスペンスです。

けど、コンシェルジュの山岸さんが宿泊者たちの持ち込む難題を

見事に解決していく様を楽しむだけでも読みごたえアリ。

こっちメインの連作短編集にして、

本筋の殺人事件をなくしちゃっても作品として十分に成立しそうですw

 

まったくバラバラだったはずの宿泊客たちの伏線が

最後にきれいにまとまったのはさすがだけど、

登場人物の心は読者が強く共感できるほど丁寧には描かれてないように感じました。

特におばさん二人がお互いに抱いている意識のズレね・・・。

そういうのって女性特有のねちっこいもののはずなのに、

描き方としてあまりにあっさりしてるような気がします。

これが女性作家ならこうはいかないでしょ・・・。

 

今作に限らず最近の東野さんの作品って、

ほんとに心が揺さぶられるほどの感動は味わえなくなってきました。

昔はこうじゃなかったんだけどなぁ・・・。

| comments(0) | trackbacks(0) | 10:25 | category:    東野圭吾 |
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