JUGEMテーマ:小説全般
ヴァラエティ / 奥田英朗
個人的評価 ☆☆☆★★
「奥田英朗はぜんぶ読んでる」という人にも、
じつはまだ読んでいない作品があるかも。
単行本初収録の短篇をはじめ、現在入手困難となっているアンソロジーの短篇、
唯一のショートショート、数少ない貴重な対談などを収録。
コアなファンからちょっと気になった人まで、
レアな奥田英朗を楽しめるスペシャル作品集!!
(感想)
著者本人が「あとがき」という名の「いいわけ」で書いているのですが、
今作はこれまで本としてまとまらず、
お蔵入りになりかけていた作品をまとめて出版したものです。
短編・ショートショート、はたまた対談まで盛り込んであり、まるでごった煮状態!
まぁ、これで奥田英朗初読みという人はいないでしょう。
コアなファンのため、そして著者本人のために出版された本ではなのでしょうか。
と、そういう経緯で出版された本なので安い紙を使ってるし、スピンもありませんw
なかでも一番印象に残ったのは「セブンティーン」という短編。
この親子(母と娘)のそれぞれのオンナゴコロ・・・わかるな〜。
ここに父親が介入するのは気持ち悪くて絶対にナシ!!
でも、これを高校生の娘がいてもおかしくない世代の男性である
奥田さんが書いてるというのが笑えますww
山田太一さんとの対談では、
「よく生きる人は、真実に深入りしない」という言葉が印象的でした。
諦めることは一種の美学・・・。
これに似たことが以前よしもとばななさんの小説にも書かれてて
強く心に残ったのを覚えています。
自分には無理っぽいことにがむしゃらにチャレンジするより、
実現可能な世界で自分を磨いていく・・・・
うん、そっちの方が現実的で素敵な生き方かもしれないなぁ。