# ワクチンX
2016.01.29 Friday
JUGEMテーマ:小説全般
ワクチンX / 桂望実(実業之日本社)
評価 ☆☆☆
仕事の成功、円満な家庭―ただ、幸せになりたいだけだった。
加藤翔子は、20年前にワクチン製造会社を起こし、会社は大きな成長を遂げた。
ブリッジが製造する“ワクチン”は
「人生を変えたい」と願う人間にとって必需品だったが、
ある日突然、原材料が死に始める。原因は不明。
ワクチンの効果は20年で切れるため、
このままだと接種者がパニックに陥る可能性がある。
だれよりもそれを恐れたのは、ワクチン接種第一号である翔子だった…。
成功とは何か、幸福とは何か価値観をゆさぶる感動作。
(感想)
ワクチンをめぐるサイエンスミステリーかと思いきや、
作品のテーマは思わぬ方向へ・・・。
「幸福とは何か」「これからの人生をどう生きたいか」を考えさせられる展開に、
スリリングなものを求めていた人は肩透かしを喰らうかもしれません。
後半の数十ページは私自身の人生まで考えさせられ、
特に記者会見の日の登場人物それぞれの言葉には胸が熱くなるような思いでした。
でも、エピローグはきれいにまとめすぎかな?
エピローグはなくてもよかったかもしれません。
「発想力」「工夫力」「配慮力」「強調力」「落ち着き」「活力」
「朝鮮力」「機動力」「応用力」「粘り強さ」「柔軟性」「責任感」
「感受性」「優しさ」「瞬発力」「心の強さ」「自己肯定力」
「鈍感力」「冷静力」「決断力」・・・・
この20種類のワクチンの中から自分ならどれを入れよう?
読者なら誰しもが考えることでしょうw
うーん、私は「柔軟性」「心の強さ」「自己肯定力」かなぁ。