# 愛に乱暴
2013.12.02 Monday
愛に乱暴 / 吉田修一
評価 ☆☆☆☆
夫の不実を疑い、姑の視線に耐えられなくなった時、
桃子は誰にも言えぬ激しい衝動に身を委ねるのだが……。
夫婦とは何か、愛人とは何か、〈家〉とは何か、妻が欲した言葉とは何か。
狂乱の純愛。本当に騙したのは、どちらなのだろう?
うー、久々に気持ちのいいくらいミスリードしちゃったw
うっそでしょ!!やられたーー(>_<)
これに気づいたらもうとまりませんでした。
男性作家が書いたものとは思えないほど女性の心理描写がうまい。
夫の不倫が発覚し、義父の介護問題も重なり、
どんどん狂気に落ちて行く桃子の姿が切ない。
はじめはどうして「穴」なんだろう、これって必要?と思ったけど、
穴の存在で薄気味悪さは格段にアップしてますね・・・。
ラストで桃子のこれからにも光が見えたのが救い。
「ありがとう。・・・・ありがとうって言ってくれて、本当にありがとう」
人って、短くても優しい言葉を1つかけられただけで救われることがあるのです。
それにしてもこの夫はサイテーだ。ここまでひどいオトコは久しぶりに見た。