# ニキの屈辱
2013.02.25 Monday
JUGEMテーマ:小説全般
ニキの屈辱 / 山崎ナオコーラ(河出書房新社)
評価 ☆☆☆
ああ、そうか。屈辱ってそういうことなのか。
女だからってなめられたくない、性別にこだわらず仕事で評価されたい・・・。
そうした思いを強い抱いて写真家としての道を生きる“ニキ”が恋をし、
プライベートでは恋する乙女になっていく。
そのツンデレぶりがかわいい、そして危うさがたまらない。
2人の仲は態度や体ではなく、きちんと言葉にした時にだけ進む。
でも、やはり2人は写真家。
最後には言葉以上に写真で気持ちをわかりあってしまった。
最後の最後に「ちゃんと好かれていたんだ。私、人間だったんだ」って涙するニキが切ない。
ここにきて、やっと2人は同じ位置に立ったのに・・・。
恋って一人じゃできないもんね。残酷だなぁ。
でも、写真で終止符を打った加賀美君も師匠であるニキに対して、
最高の別れ方をしてあげたんだと思う。
いい男になったんだね。
私、河出書房新社の本とは相性が悪いイメージだったんだけど、
今回は楽しめました。