隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# 満月ケチャップライス
JUGEMテーマ:小説全般
 
 満月ケチャップライス / 朱川湊人(講談社)

 評価 ☆☆☆




男版・メリー・ポピンズみたいなハートウォーミングな話だな〜と思いきや、
後半はどえらい展開になっていき、意外性のあるお話しでした。

心に傷をかかえた兄妹の前にあらわれた赤いモヒカンの青年・チキさん。
彼の存在が家庭をほんわかと温かくして、
この幸せが長く続けばいいのに・・・と思わずにはいられませんでした。
満月ケチャップライスはその幸せの象徴のようなものかな?

しっかし・・・、こんなにほのぼのとしているのに、どうしてあんなに暗い影を落とすのか。
ある程度の年齢の人なら“あの宗教団体のことだ!”ってはっきりわかるような宗教団体が絡んできたり、
その他ほんわかムードとは程遠いディープな出来事が次々と・・・。
なんだか重すぎてちょっと引いてしまった。
ちょっとやりすぎなんじゃない?という気がしてなりません。
幼い子供たちの心は大人によって振り回されっぱなしで、つらかったなぁ。

なんだかちぐはぐですっきりしない作品でした。
朱川さん、どうしたの??

| comments(0) | trackbacks(1) | 16:11 | category:    朱川湊人 |
# かみにえともじ
評価:
本谷 有希子
講談社
¥ 1,470
(2012-08-10)

JUGEMテーマ:エッセイ
 
 かみにえともじ / 本谷有希子

 評価 ☆☆☆


存在は知ってたけど、はじめて読んだわ。
けっこうかわいい顔してて、飾らなくて、才能もある・・・・
ぐぬぬ・・・最強だな。
なのに〜!!いい具合で性格にかわいくないところがある。こういう人好きだわ。
ほどよい毒にもシンパシー感じてしまう。

なーんも残らないけど、時にクスクス笑いながら読みました。
漫画家・榎本俊二さんによる挿絵もサイコー。
エッセイ読んでから挿絵見て、思わず吹き出してしまったこともしばしば。

今度、この人の小説も読んでみよう。

| comments(0) | trackbacks(0) | 13:36 | category: 作家名 ま行 |
# 七緒のために
評価:
島本 理生
講談社
¥ 1,365
(2012-10-31)

JUGEMテーマ:小説全般

 七緒のために / 島本理生(講談社)

 評価 ☆☆☆


表題作の「七緒のために」のほか、「水の花火」と計2本を収録。
「水の花火」はなんと約10年前、
島本さんが高校生で作家デビューしたことにかかれたものです。

「七緒のために」狂気と孤独をはらんだ作品。
始終、落ち着かない不安定な空気が流れている。
島本理生ってどうしてこういう痛々しいものばかり書く作家になってしまったんだろ。
うーん、繊細とは違うんだよね。危うさ。
本当に仲が良いわけじゃいけど一緒にいる2人。
共通点は孤独。
でも、お互いの傷には触れないように不安定なバランスを保ちながら友人関係を続け、
一歩踏みこもうとすると崩壊する関係。
女の子同士、ましてや中学生のこの年代って本当に難しいね。

島本さんの文章は好き。
冒頭のほんの1,2ページを読んだだけで、
“ああ、やっぱりこの人の文章って好き”って思った。
瑞々しさ、透明感?この人にしか描けない独特の雰囲気があると思う。 
| comments(0) | trackbacks(0) | 13:11 | category:    島本理生 |
# 今日のごちそう
評価:
橋本 紡
講談社
¥ 1,470
(2012-03-16)

JUGEMテーマ:小説全般

 今日のごちそう/橋本紡(講談社)
  
 評価 ☆☆☆
 

伊達巻・豆・アンコウ鍋・花見弁当・トマト味の煮込み・漬け物・ポトフ・・・・
食べ物のタイトルが付いた10ページくらいのお話しが20個ちょっと。
美味しい匂いに包まれて、ほっこり幸せにな気分になれる作品集でした。
大きな出来事はないけど、日常の幸せやかけがえなさを描いていて、共感も多いです。

でも、唯一残念なのは長く印象に残るお話はなかったこと。
明日には忘れてしまいそう・・・。
でもそんなふうに重くなく、さらっとしてるところもこの作品の魅力なのかな。どうかな〜。

「ごまかしのカルボナーラ」とか「伊達巻」とか
できればちゃんとしたレシピを載せてほしいのもあった。
巻末にレシピ集がついてればなぁ〜。
| comments(0) | trackbacks(1) | 11:51 | category:    橋本紡 |
# 傷痕
評価:
桜庭 一樹
講談社
¥ 1,680
(2012-01-12)

JUGEMテーマ:小説全般

 傷痕 / 桜庭一樹(講談社)

 評価 ☆☆

 

この国が20世紀に産み落とした偉大なるポップスターがとつぜん死んだ。
彼は51歳で、娘らしき、11歳の子どもが一人残された。
しかし彼女がどうやって、誰から生を受けたのかは誰も知らず、
多くの人が彼について語り、その真相に迫ろうとする。
偉大すぎるスターの真の姿とは?そして彼が世界に遺したものとは?―。

いやー、コレ、どうしたってマイケル・ジャクソンをイメージせずにいられないでしょ?
参考文献でもマイケル関係の本、読み漁っているみたいだし、
彼の死があったからこその作品ということで間違いはないと思う。

でも、日本にこれほどのポップスターが出てくるとは到底思えず、
始終、違和感を感じずにはいられませんでした。
スターゆえの孤独は感じられたけど、
舞台が日本ではどうもしっくりいきません(>_<)
どうせなら語り手を章ごとに変えず、傷痕を主人公にして彼女の視点で描いてほしかった。

マイケルのファンはこれをどう読むのだろう・・・。
| comments(0) | trackbacks(0) | 14:42 | category:    桜庭一樹 |
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