隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# 惑いの森 ~50ストーリーズ~
評価:
中村文則
イースト・プレス
¥ 1,575
(2012-09-21)

JUGEMテーマ:小説全般
 

 惑いの森 ~50ストーリーズ~ / 中村文則(イースト・プレス)

 評価 ☆☆☆



ピースの又吉さんが大好きな作家で、
のめり込んだ本だって聞いたので読んでみました。
夜中に街頭に本を照らしながら歩いて読んだって言ってて、
なるほどそんなシチュエーションで読むにはピッタリの本ですね(笑)

暗いし、ベールに包まれたようなあやしさも感じる。
世界観に溶け込むのが困難だったけど、
4,5ページ程度の短いお話しばかりなので、
“もう1つ読もう” “あと1つ読んだら寝よう”とついつい何編も読んじゃって、
意外に早く読み終えました。

50のお話の中で特に印象深かったのは「32 祈り」で、
これは他の作品よりなぜか強いメッセージ性のある作品だと感じたんですね。
そして、これがいちばん好きだとも思った。
その後、最後にあとがきを読んで、
これと「33 鐘」は東日本大震災の時に書いたものだと知り、
他とはテイストがまったく違っていたのにも納得しました。

「Nの〜」シリーズは作者本人を描いたものらしい。
これはこれで馬鹿馬鹿しくて好き。

それにしてもさ、
この短編嫌いな私がショートストーリー集に手を出すなんて相当の快挙でしょ!?
| comments(0) | trackbacks(0) | 11:05 | category:    中村文則 |
# 仙台ぐらし
評価:
伊坂 幸太郎
荒蝦夷
---
(2012-02)

JUGEMテーマ:エッセイ

 仙台暮らし / 伊坂幸太郎(荒蝦夷)

 
評価 ☆☆☆☆


仙台に住む作家・伊坂幸太郎さんが「仙台学」に連載したエッセイを中心にまとめたもの。
震災後に書き下ろした短編も収録してあります。

震災の前に書かれたものもあれば、震災を受けて書かれたものもあり・・・。
震災に関するものをのぞいては、特に仙台色が強いというわけではなく、
何気ない日々の出来事や思いをつづった作品と言えます。

普段は見られない伊坂さん自身の姿を知ることができて新鮮。
こんなに自信過剰で心配性だったんですね(笑)
仙台の東口のビルにある、もしかしたら私も行ったことがあるかもしれない
ごく普通の喫茶店であのスタイリッシュでテンポのいい作品たちが生まれてるかと思うと
不思議な気がしました。

地方在住の作家が地元の出版社から本を出すっていいですね〜。
それが震災の被害にあった土地だけになおさら強くそう感じました。
震災エッセイの中で伊坂さんは“僕は楽しい話を書きたい”と書いていた。
そうなんだよねー、それが作家にできる精一杯で唯一のこと。
楽しい話を発表すればするほどみんなの力になる。
それぞれができることをする・・・・それが復興の力になると信じています。 
| comments(0) | trackbacks(0) | 16:16 | category:    伊坂幸太郎 |
# あと少し、もう少し
評価:
瀬尾 まいこ
新潮社
¥ 1,575
(2012-10-22)

JUGEMテーマ:小説全般
  
 あと少し、もう少し / 瀬尾まいこ(新潮社)

 
評価 ☆☆☆


生徒数の少ないこの中学校では、陸上部だけでは駅伝チームを組むことができない。
部の外からもメンバーを集い、即席のチームで挑んでいるが、
なんとか毎年県大会出場の切符をもぎ取っている。
果たして今年はどうなるか・・・。
寄せ集めのメンバーと頼りない顧問の中学生活最後の夏の物語。

駅伝を通して少年たちが成長していく姿を描いていくというストーリーの流れは
容易に想像できてしまう。
けど、それぞれの生徒の中学生ならではの感情の変化や
ぼーっとしてて役に立たないように見える顧問の先生のナイスなアシストは
なつかしさとみずみずしさを感じさせてたまらない。
ありきたりだけど、やっぱりこういう作品のまぶしさってって永遠に愛されるよね〜。

瀬尾まいこさんは以前は中学校の教師をしていた方なので、
なんだか顧問の先生と瀬尾さんが重なって思えるのは私だけ??(笑)




| comments(0) | trackbacks(0) | 11:32 | category:    瀬尾まいこ |
# サファイア
評価:
湊 かなえ
角川春樹事務所
¥ 1,575
(2012-04-15)

JUGEMテーマ:小説全般
 
 サファイア/湊かなえ(角川春樹事務所)
 
 評価 ☆☆☆☆


唯一、「サファイア」と「ガーネット」という作品だけが連作であるだけで今回は短編集なんですね。
湊さんらしいあっと驚くような仕掛けはあるものの、
1つ1つが短いせいかいつもの湊作品よりは軽く読めました。毒も軽め(笑)

湊さんは毒がウリ(笑)なのかもしれないけど、
今回は毒が効きつつもほっこりできるものもあり、「ルビー」というお話がいちばん好きでした。
おいちゃん・・・ ( ノω-、)

「猫目石」だけがどうも納得いかなかった。
もうちょっと詳しく書いてくれないと・・・たぶん私、オチを読み間違えてるかもしれない。

「ガーネット」で主人公のマミ(作家)宛てに寄せられる読者からの評価は
おそらく「告白」でデビューした頃の湊さんに対する読者の言葉や体験がもとになってるんだと思う。

タイトルにすべて宝石の名前がついてるけど、
宝石にこれっぽっちも興味のない私は「なんでこのタイトルなの?関係ないじゃん」って
ほぼすべての作品で思ってしまった。
他の方のレビュー読んでみると「ああ、そうか・・・」と納得できたけど興味がないって怖いね(笑)
自分の女子力の低さにも驚愕!





 
| comments(0) | trackbacks(0) | 12:01 | category:    湊かなえ |
# 週末は家族
評価:
桂 望実
朝日新聞出版
¥ 1,680
(2012-01-04)

JUGEMテーマ:小説全般

 週末は家族/桂望実(朝日新聞出版)

 評価 ☆☆☆☆
 

テンポがよく、数時間で読み終えてしまいました。

児童養護施設の演劇を見て、天才的な演技力をもつ子供を見つけた劇団主宰者が
週末だけの里親制度を利用してその少女を支援をすることになるのだが、
週末のたびに彼が少女にさせるのは特殊な人材派遣の仕事・・・。
そんな経験の中から生まれる少女と夫婦のきずなを描きます。

世間一般の“当たり前”からは少し外れている3人が
次第にチームになっていく姿がよかったです。
思ったことはきちんと口に出すことにしたひなたちゃんのしっかりした考え方が好き。
そうだよね、血がつながっている家族だから一緒にいて幸せとは限らない。
そんな思い込みから窮屈に生きている人ってきっとたくさんいるんだろうな。
瑞穂が無性愛者である設定に関しては本当に必要だったのかナゾだったけど、
大輔と瑞穂が本当に強く子供を求めている夫婦だったとしたらこの話しは成立しないよね。
「いい家族を作る」ことより「いいチームを作ること」の方がずっと意味がある!
そう気づかせてくれた作品です。

読了し、改めて表紙を見るとジーンとくるわぁ。
| comments(0) | trackbacks(0) | 14:24 | category:    桂望実 |
# あつあつを召し上がれ
JUGEMテーマ:小説全般

 評価 ☆☆☆


食べ物にまつわるお話を集めた短編集。
あっという間に読めてしまいます。

可もなく不可もなく、さらっとしすぎて記憶には残らなそう。
でも1つ1つの物語は忘れてしまっても、「かき氷が出てくるお話しがあったなぁ・・・」とか、
印象に残った食べ物のことは覚えていそうな気がします(笑)
小川糸さんの小説ではよく「食べる = 生きる」ということがテーマになるけど、
食べ物を美味しくさえ食べられれば、他のことがうまくいってなかったとしても
それだけで十分幸せなんじゃないかなと思える。

好きなのは「親父のぶたばら飯」。
このお店にはぜひ行ってみたい!!
| comments(0) | trackbacks(0) | 16:22 | category:    小川糸 |
# RDG6 レッドデータガール 星降る夜に願うこと
JUGEMテーマ:小説全般

 評価 ☆☆☆☆☆


大好きなシリーズがついに完結・・・。
とうとう終わっちゃったよーーー。

完結編としてはさらっとしていたけど、
でも結局はそれぞれの成長物語だったんだな〜と納得。
これでようやく泉水子はスタートラインにたったわけで、
いい意味で読者の想像にゆだねられるような形で終わっちゃいました。
この先、彼らに訪れる未来・・・。
まだまだ知りたかったけど、「チーム姫神」なんて言葉が出てくるだけで、
ここまで読み続けてよかったと思いました。


 
| comments(0) | trackbacks(1) | 15:55 | category:    荻原規子 |
# LOVE&SYSTEMS
評価:
中島 たい子
幻冬舎
¥ 1,470
(2012-08-24)

JUGEMテーマ:小説全般
 
 評価 ☆☆☆


ついに現代の女性が興味を持っていることにスポットを当て、
流行をよくつかんでるな〜と思っていた中島たい子さんですが、今回は新境地!
お得意の恋愛や家結婚をテーマにはしているものの、今作は近未来的!!

結婚や子育てに対して、各国でその制度が大きく違う近未来。
少子化が問題となっていたJ国では、政府が結婚のパートナーを決めるようになり、
結婚率、出産率がともにアップ。
反対にF国では結婚制度の存在せず、
子供は国が定めた施設で集団生活を送って育てられている。
そんなJ国の女性とF国の男性が恋に落ちたら・・・。

管理されるのが当たり前の世の中になれば誰も疑問も持たず、楽に生きられる。
しかし、そこで邪魔するのはやはり「人間らしい感情」。
恋する気持ち、親としての子への愛情・・・。
どんな時代・世の中になろうとも、それはやっぱり揺るがないモノ。

ロウドとアマナが恋に落ち、離れ離れになり、また再会するのは
唐突過ぎて無理やり感があったけど、
今回は中島さんにとってはかなりのチャレンジだっただろうなぁ。
まさかこういうのを出してくるとは・・・次回作も楽しみです。

| comments(0) | trackbacks(0) | 08:31 | category:    中島たい子 |
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