隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# クロス・ファイヤー
評価:
柴田よしき
徳間書店
¥ 1,680
(2012-02-17)

JUGEMテーマ:小説全般
 
 評価 ☆☆☆☆


現在よりもう少し未来、日本のプロ野球チームに女子選手が入団。
どのチームにも2,3人は女子選手がいるが、まだまだ客寄せパンダ状態。
恋に野球に奮闘する若い女の子を描いた作品です。
設定は斬新だけど、読んでみるといたって普通の青春小説です。

女の子でもプロ野球選手になれるほどに女性が進化したなら、
そんな女性のそばで栄養管理したり励ますことが真剣にできる男が現れることも進化。
男が出来ることが女にできるなら、男だって女のすることができるようになる・・・。
これってすごい進歩的な考え方だわ。
こんな考え方ができる男性がいることがあたりまえの時代がくればいいなぁ。

たしか柴田よしきさんは野球ファンだったはず。
前にも「輝跡」という作品で女性目線のプロ野球小説を書いていました。




| comments(0) | trackbacks(0) | 10:52 | category:    柴田よしき |
# 雪と珊瑚と
評価:
梨木 香歩
角川書店(角川グループパブリッシング)
¥ 1,575
(2012-04-28)

JUGEMテーマ:小説全般
 
 評価 ☆☆☆☆

最近、若い女の子を主人公にしたこういう小説、多いよね?
よしもとばななさんに然り、小川糸さんに然り。
ちょっと非現実的かなと思いつつも、物語の中に流れる空気は好きなので
すっかりこの世界に引き込まれてしまいました。
まぁ、あくまで「おとぎ話」ってことでww
自分がこんな風に生きたいな、と思えるそんな理想にあふれた世界観。

くららさんの言葉、貴行さんのビジネスの考え方、そして美知恵さんの率直な思い・・・
どれもストレートに響いてくる。
それらがすべて詰った、ぼんやりとした幸福を表すかのようなラストが素敵でした。

たま〜にちょっと路地を入ったところに、
古いけど手入れの行き届いたいい感じの民家を見つけることがあるでしょう?
ああいう家ってくららさんが住んでいそう!!
そんな想像をしながら知らない町を歩いてみたくなりました。
| comments(0) | trackbacks(0) | 16:16 | category:    梨木香歩 |
# 誰かが足りない
評価:
宮下 奈都
双葉社
¥ 1,260
(2011-10-19)

JUGEMテーマ:小説全般

 評価 ☆☆

自分にとって大切な人を失い、喪失感を抱えている人達を描く短編集。
誰かが足りないと思うことは、その人のかけがえのなさを知ってるからですよね。
待つことは孤独や悲しみじゃなく、喜び・・・そう思えることは幸せ。

あらすじを読んで、「かたつむり食堂」みたいな話なのかなと思って興味をもったんだけど、
なんだか肩すかしをくらったような感じです。
物語のラストの方で主人公達はなんとなく生きる力を取り戻しはじめて、
レストラン「ハライ」に予約を入れる・・・っていう話しなんだけど、
最終的に「ハライ」に行きつくあたりに違和感を感じます。
それならそれでもっと「ハライ」をしっかり描いてほしいんだけど、
それがないので、読者は置いて行かれた気がするんですよねぇ。
彼らが「ハライ」で幸せな時間を過ごしたことは間違いないんだけど、
私も「ハライ」のこと、もっと知りたいよー。

「誰かが足りない」じゃなく「ハライが足りない」と言わざるを得なくない??

 
| comments(2) | trackbacks(1) | 11:17 | category:    宮下奈都 |
# 幻影の星
評価:
白石 一文
文藝春秋
¥ 1,418
(2012-01)

JUGEMテーマ:小説全般
 
 評価 ☆☆


白石一文さんはずっと1つのテーマだけを書き続けている気がしてるなか、
徐々にスピリチュアル的な要素が強くなっているように思う。
レインコートと携帯電話の件がどうしても納得いかない。
パラレルワールドの存在を示唆してるんだろうけど、必要でしたか??
ついでに前半の性描写もいらないでしょう。

終わりが突然すぎて、何も見えないままモヤモヤだけが残る。
白石さん、どんどん私の理解を超える次元へ突入していってるようです・・・。


| comments(0) | trackbacks(0) | 14:17 | category:    白石一文 |
# 漁港の肉子ちゃん
評価:
西 加奈子
幻冬舎
¥ 1,470
(2011-09)

JUGEMテーマ:小説全般

 評価 ☆☆☆☆


「肉子ちゃん」って・・・。
そういえば弟の友達ですごく太った子がいて、あだ名が「肉」だったなぁ・・とか
そんなしょうもないことを思いだしてしまいました。

ただただ肉子ちゃんの前向きで明るい生命力みなぎる姿に圧倒されっぱなしでした。
後半で意外な事実が待っていて、単純に笑える小説だけでは済まなかった。
笑って泣ける気持ちのいい小説。
| comments(0) | trackbacks(0) | 14:03 | category:    西加奈子 |
# 境遇
評価:
湊 かなえ
双葉社
¥ 1,470
(2011-10-05)

JUGEMテーマ:小説全般
 
 評価 ☆☆☆


ドラマのために書き下ろした作品だそうです(ちなみは私はそのドラマは見てない)。

うーーん、途中で犯人がたやすくわかってしまう。
「たぶんこうなんだろうな・・・」という展開にちゃんと進んじゃうからつまんない。
秘書とか旦那さんの親友あたりをもっと丁寧に描いていれば騙されたかもしれないのに〜。
もう少しひねってほしかった!!

湊さん、新しい作品出せば出すほど毒がなくなってるな。
あっという間に読んじゃいました。

あ、でも本についてるスピンの色が青で、しかも2本ついてる演出はいいかも。
| comments(0) | trackbacks(0) | 13:35 | category:    湊かなえ |
# 僕らのご飯は明日で待ってる
評価:
瀬尾 まいこ
幻冬舎
¥ 1,365
(2012-04-25)
コメント:僕らのご飯は明日で待ってる

JUGEMテーマ:小説全般
   
 評価 ☆☆

ええーー!?
これが瀬尾まいこさんの作品なのかぁ(-_-)
なんだかライトノベルかってほどに軽かった。
自分の人が病気になることや、生死ってこんなもんじゃない。
ほっこり系の小説なんだろうけど、
この題材でほっこりなかんじに持って行こうとすることに強烈な違和感を覚えました。

食べ物とはまったく関係のない話なのに、このタイトルなのも意味不明。
| comments(0) | trackbacks(1) | 10:44 | category:    瀬尾まいこ |
# 紙の月
評価:
角田 光代
角川春樹事務所
¥ 1,575
(2012-03-15)

JUGEMテーマ:小説全般
  
 評価 ☆☆☆

銀行の契約社員である41歳の女性が1億円を横領し、海外へ逃亡する。
彼女は、果たして逃げ切れるのか?

彼女が横領に至るまでと、何度も横領を繰り返し罪を重ねる様子が丁寧に描かれています。
最初はちょっとした出来事だった。
感覚がちょっとずつズレていっているのに、
それに気づかず「でも、私は大丈夫」と思っているその感覚がやばい。
彼女は狂うおしいほどに何かを強く渇望していて罪に至ったのではなく、
ただちょっとしたことから、あっという間に堕ちていってしまったのだ。
そこが「誰にでも起こりそうなこと」なリアリティを感じて怖い。

一見、内容とは何の関係のないように思えるタイトルも実は秀逸。
「紙の月」というペラペラ感がなんとも・・・。

読み進める手がとまらないほど夢中になったのは確かだけど、
主人公が罪を重ねているその時点で彼女のそばにいた人たちの心の描写がまったくなく、
一方的なだけなのに不満が残ります。
このテーマならやっぱり桐野夏生さんにギラギラと生々しく書いてもらう方が私好みかも。
| comments(0) | trackbacks(0) | 10:27 | category:    角田光代 |
# 屋上ミサイル 謎のメッセージ
JUGEMテーマ:小説全般
 
 評価 ☆☆

このミス受賞作の「屋上ミサイル」の続編。
前作も伊坂の二番煎じっぽくてあまり好きではなかったけど、今作は前作より劣る。
長い、長すぎる。
正直、短編で十分な内容。
無理やりに長編にしているような間延びしてる印象で、中盤は読むのがかなりつらかった。

今回は国重の登場場面が少なく、沢木と平原が動くんだけどやはりこの2人じゃ弱い。
行動せず・語らない国重じゃやっぱダメだ〜〜。盛り上がらない〜〜。

続編なのに恋愛面での進展もないし、第3弾が出ても読まないだろうな。
| comments(0) | trackbacks(0) | 10:17 | category:    山下貴光 |
# まひるの散歩
評価:
角田光代
オレンジページ
¥ 1,300
(2012-05-25)

JUGEMテーマ:エッセイ
 
評価 ☆☆☆☆☆

「よなかの散歩」に続くエッセイシリーズの第2弾。
「オレンジページ」に連載しているエッセイをまとめたもので、
日々の暮らしの様子がかいまみえる、ありのままの角田さん綴られてます。

私と角田さんは子供のいない主婦という共通点があるせいか、読んでいて心地よい。
感覚が大人になりきれてないかんじも似てるのかなぁ。
人が“つまんない”“どうでもいい”と思うようなことに目が行く傾向にあるようだけど、
そういうものこそが世界を作ってるのであり、
それらの重要さ・愛おしさに気づいている上で書いてるところもまた好き。

共感し、ニヤニヤ笑いながら読んでいてハタと気づく。
そういえばこの人・・・・直木賞をとっている「大先生」なんだよね??
そうは思えないギャップが魅力。


| comments(0) | trackbacks(1) | 09:56 | category:    角田光代 |
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