隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# 曽根崎心中
評価:
角田 光代,近松 門左衛門
リトル・モア
¥ 1,470
(2011-12-22)
コメント:角田光代さんにしては珍しい時代モノ。それにしても表紙も裏表紙もこわーい。

JUGEMテーマ:小説全般
 
 評価 ☆☆☆


人形浄瑠璃の古典演目『曾根崎心中』の小説化に、角田さんが挑みました。
うわー、またまた角田さんらしくないジャンルですね!
表紙、こわっ!!
古典ということで、どっかで聞いたことのあるようなストーリー。
私は時代モノが苦手だけど、わりとすんなり読めたのは角田さんらしい書き方だったからかな?

閉じられた世界で生き、人生を諦めてしまっている女が激しい恋に狂ったら・・・
燃えるような女の業の深さに浸れます。
苦しければ苦しいほどに美しい。
そんな風に思える恋物語でした。

あーあ、こういう女に愛される男って、どうしてダメ男ばかりなんだろう・・・・・(苦笑)
| comments(0) | trackbacks(0) | 09:38 | category:    角田光代 |
# ヒア・カムズ・ザ・サン
評価:
有川 浩
新潮社
¥ 1,365
(2011-11)
コメント:パラレルワールド化した2つの物語

JUGEMテーマ:小説全般 
 ● ヒア・カムズ・ザ・サン / 有川浩
 ● 新潮社
 ● 1365円
 ● 評価 ☆☆☆
真也は30歳。出版社で編集の仕事をしている。
彼は幼いころから、品物や場所に残された、人間の記憶が見えた。
強い記憶は鮮やかに。何年経っても、鮮やかに。
ある日、真也は会社の同僚のカオルとともに成田空港へ行く。
カオルの父が、アメリカから20年ぶりに帰国したのだ。
父は、ハリウッドで映画の仕事していると言う。
しかし、真也の目には、全く違う景色が見えた・・・・・・。



(感想)

面白い試みの本でした。
2編のお話を収録していて、
2つとも↑に書いた7行のあらすじからはじまる物語なんですけど、
この7行から先はまったく違うお話が展開されていくんです。
まるでパラレルワールドみたいな作品

どちらかというと前半のお話の方が好き。
愛情に包まれたあたたかい真相が明らかになった時、胸がいっぱいになっちゃって。
けど後半の方はお父さんがダメすぎて、イライラしてなんか引いてしまった。

今回は私が有川さんの作品に無意識にもいつも期待しちゃっている
“キュンキュンしたい!”っていう感じがこの作品ではあまり感じられなく、
「有川らしさ」が薄いように思いました。
| comments(0) | trackbacks(1) | 09:23 | category:    有川浩 |
# 決起! コロヨシ!!2
評価:
三崎 亜記
角川書店(角川グループパブリッシング)
¥ 1,785
(2012-01-31)
コメント:やっぱり出ました!「コロヨシ!」の続編

JUGEMテーマ:小説全般
 ● 決起! コロヨシ!!2 / 三崎亜記
 ● 角川書店
 ● 1785円
 ● 評価 ☆☆☆
藤代樹はスポーツ「掃除」の全国大会で第三位の成績を収め、
高校三年生で掃除部の主将となった。
マイナー競技であった「掃除」への注目度が上がり、入部希望者も殺到。
順風満帆な一年が始まるかと思われたのだが・・・・。
前代未聞の奇想青春小説、第二弾。



(感想)

あれで終わりじゃ納得いかないと思っていた「コロヨシ!」の続編。
だよね〜、あるよね、ちゃんと続きが
前作は現実にはない奇想天外なスポーツの世界を描いていたとはいえ、
基本は王道学園モノの雰囲気があったけど、今作はスケールが一気に大きくなってる
もう部活どころの話じゃなく、大人のさまざまな陰謀や掃除の古い歴史まで絡んできます。
三崎さん、話し広げすぎです。あなたの想像力にはついていけません・・・。
掃除というスポーツ自体も、もうちょっとやそっとの想像力じゃイメージできない。
もはや実写化してもらわないと常人には理解不能です。
申し訳ないけど、イメージできないところは流し読みしてしまいました。ごめんなさい。
そんなこともあり、私は1作目の方が自分の中で消化できる分、好きでした。

それに・・・この表紙はいかがなものか。
この2人、誰だよ

これ、まだ続きがあるんですよね?
続編が出るまでにどんな奇想天外なお話にもついていけるように
想像力磨いておきます

| comments(0) | trackbacks(0) | 14:00 | category:    三崎亜記 |
# ピンクとグレー
評価:
加藤 シゲアキ
角川書店(角川グループパブリッシング)
¥ 1,300
(2012-01-28)
コメント:現役アイドルってことを抜きにしても、新人にしてはよく書けている。

JUGEMテーマ:小説全般
 ● ピンクとグレー / 加藤シゲアキ
 ● 角川書店
 ● 1300円
 ● 評価 ☆☆☆
NEWS・加藤シゲアキが衝撃の作家デビュー! 
芸能界を舞台に"成功と挫折"それぞれの道を歩む、親友同士の儚く切ない人生を描いた青春小説。


(感想)

図書館で運良く返却されたばかりの本のコーナーにありました。
ちょっと興味があったから借りちゃった
でも、NEWSの加藤くんってどんな人だっけ?ごめんなさい顔が出てこない
テゴマスの2人はわかるけど・・・あとの人たちが・・・。
ちなみにあと何人いるのかしら?(あ、山Pと錦戸君が抜けたことくらいは知ってるよ)

いや、でも現役のアイドルが書いたということを抜きにしても
新人のわりによく書けていると思います。
文体が古臭いのがやけに気になるし、エンジンがかかるまで時間がかかるけど、
描写は丁寧だし後半にいくにつれてどんどんよくなります。
芸能界で明暗をわけることになってしまった親友同士の話なんだけど、
芸能界に身を置いている彼が書いているからこそリアリティを感じる。
加藤という人が芸能人としてどのくらい人気があるのか知らないけど、
彼は一体、りばちゃんとごっち、どちらの気持ちでこの作品を書いたのだろう。

ここまで書けるのなら次にも期待しちゃいます。
もう少し評判になればいいのに惜しいですね。
次回作もきっと読みますよ。
| comments(0) | trackbacks(0) | 16:03 | category:    加藤シゲアキ |
# 放蕩記
評価:
村山 由佳
集英社
¥ 1,680
(2011-11-25)
コメント:作家として書かずにいられなかったのかもしれないけど・・・

JUGEMテーマ:小説全般
 ● 放蕩記 / 村山由佳
 ● 集英社
 ● 1680円
 ● 評価 ☆☆☆
38歳で離婚歴のある女流作家・夏帆。
自由奔放に暮らす一方で、実は長年抱えこんできた秘密があって・・・。
今だから見えてきた、母娘の愛憎と家族の歴史。
母を持つすべての大人たちへ・・・共感と感動をよぶ、衝撃の自伝的長編小説。


(感想)

家庭内での長女という立場、
女として子供を持ちたいと思ったことがあるのかどうか・・・
主人公の立場や考え方は私に共通するものが多々ありました。
私には弟がいたけれど、
母と自分との関係、そして母と弟の関係は決して平等ではなく、
私も私と弟の扱いが違うことに幼いころから諦めを感じていたから・・・。
私の母はここまで強烈な人物ではないけれど、
多かれ少なかれこういう問題はどこの家庭にもきっとあるのだろう。
それに子供が気づかないか、気にしないか、傷つくかで大きく違ってくるだけで。

229ページ・・・
女として、子を産んだことのない人生を、つまらないとか哀しいとか、
思ったことはない。
子を持たなければ味わえない種類の幸福もあれば、
子がないからこそ味わえる幸福もある。
何をもって生きることの醍醐味と考えるかは人それぞれのはずだ。


これはおそらく夏帆だけでなく、村山さん自身の考えであると信じたい。
子を産んだことのある人には絶対に理解のできないことかもしれないけど、
強がりでも負け惜しみでもなんでもなく、私自身もこう考えながら生きてきた。
これに関してここまで自分と似た考えをもった人にはじめて出会ったから、
なんだかとても救われた気がしました。

さて、“半自伝的小説”というけれど、はたしてどこまでが真実なのか。
もし母親がアルツハイマーになり、
長編小説など読めないようになってしまったというのが事実なら
この状況で家族の物語を作品化するのはいささか卑怯に思えます。
こんなにも家族の内部のことを世間にさらされたのに、
母親は反論も弁解もできない状態なのだから・・・。
学生時代の女の子たちとの出来事に関しても何もそこまで・・・と思う。
でもしかし、ここまでさらけ出すことこそが作家の性なのでしょうね。 
| comments(0) | trackbacks(0) | 15:00 | category:    村山由佳 |
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