隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
<< March 2012 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
# 地下の鳩
評価:
西 加奈子
文藝春秋
¥ 1,260
(2011-12)
コメント:暗くて入り込みにくい作品でした。

JUGEMテーマ:小説全般
 ● 地下の鳩 / 西加奈子
 ● 文藝春秋
 ● 1260円  
 ● 評価 ☆☆
大阪、ミナミの夜。
キャバレーの呼込み男、素人チーママ、イロモノのオカマ。
行き場のない思いを抱えて懸命に生きる人々を描いた力作。


(感想)

うーん
暗くて、入り込みにくい話でした。
これが西加奈子さんの作品だっていうのも意外!

2編の中編からなる本なんだけど、連作になっています。
どちらも舞台は大阪の夜の街で、
1作目はキャバレーの呼び込みの男と素人チーママの話し。
2作目は1作目にもちらっと登場するオカマの話し。

1作目の方は男側の気持ちも女側の気持ちもまったく理解できなかったけど、
2作目の方は感じるものがあったなぁ。
ミミィさんが抱えてる心の闇は切なく深く、
怒りが爆発した時の激しさには圧倒されます。
自分らしく生きるために多くの物を犠牲にした人の強さと激しさを見せつけられました。
| comments(0) | trackbacks(1) | 17:20 | category:    西加奈子 |
# 我が家の問題
評価:
奥田 英朗
集英社
¥ 1,470
(2011-07-05)
コメント:あるある!と共感せずにはいられない、我が家の些細な問題

JUGEMテーマ:小説全般
 ● 我が家の問題 / 奥田英朗
 ● 集英社
 ● 1470円
 ● 評価 ☆☆☆☆☆
平成の家族小説シリーズ第2弾!
完璧すぎる妻のおかげで帰宅拒否症になった夫。
両親が離婚するらしいと気づいてしまった娘。
里帰りのしきたりに戸惑う新婚夫婦。
誰の家にもきっとある、ささやかだけれど悩ましい6つのドラマ。


(感想)

「家日和」に続く第2弾のようです。
だから「家日和」」が大好きな私には読む前から面白いことがわかっていました
ごく普通の一般家庭にあるささいな問題を面白おかしくつづっているので、
“あるある〜!”“うわ〜・・・気の毒(-_-;)”なんて思いながらクスクス笑いながら
あっというまに読み終えてしまいました。

なかでも「夫とUFO」と「ハズバンド」の奥さんはサイコー!
頭ごなしに批判したり、怒ったりせず、影で問題と向き合いながらも夫と支える妻の姿に
私ももし夫に何かあった時はこんな風にありたいな〜、と感じました。
やはり支えてくれるのは家族なんですよね。

後味がすっきりしないお話もあったけど、
この家族の生活はこれからも続いていく・・・と思えば納得出来そうな気がします。
| comments(0) | trackbacks(0) | 12:30 | category:    奥田英朗 |
# 麒麟の翼
評価:
東野 圭吾
講談社
¥ 1,680
(2011-03-03)
コメント:安心して読める東野圭吾の安定感

JUGEMテーマ:小説全般
 ● 麒麟の翼 / 東野圭吾
 ● 講談社
 ● 1680円
寒い夜、日本橋の欄干にもたれかかる男に声をかけた巡査が見たのは、胸に刺さったナイフだった。
大都会の真ん中で発生した事件の真相に、加賀恭一郎が挑む。



(感想)

うん、やっぱり東野圭吾は安心して読めますね。

家族や恋人への愛が悲しい事件につながり、
捜査上は問題にはならない心の部分まで解き明かす
加賀のあたたかみのある捜査に心打たれます。
たんにミステリー色が強いものよりは、
このくらい人間味あふれるミステリーの方が私は好きです。

偶然が重なりすぎるところに都合の良さを感じたけど、
面白かったから許しましょう。
| comments(0) | trackbacks(0) | 11:56 | category:    東野圭吾 |
# かわいそうだね?
評価:
綿矢 りさ
文藝春秋
¥ 1,365
(2011-10-28)
コメント:2人の主人公の気持ち、同じ女ならきっとわかるはず

JUGEMテーマ:小説全般
 ● かわいそうだね? / 綿矢りさ
 ● 文藝春秋
 ● 1365円
 ● 評価 ☆☆☆☆
私の彼は元彼女と同棲中……。
元彼女の仕事と住まいが見つかるまでというけれど、そんなのアリ??
表題作の「かわいそうだね?」のほか、
女子同士の複雑な友情を描く「亜美ちゃんは美人」の2篇収録。



(感想)

「かわいそうだね?」と「亜美ちゃんは美人」の2編を収録。
同じ女なら絶対わかるでしょ“同性への嫉妬の気持ち”。
2編とも生々しく共感できましたわ。
女の子のこういう関係ってありますよね〜。
綿矢りさのかわいらしいルックスからこういうのが出てくるっていうのが
またたまらないんだわ

「かわいそうだね?」ははじめはあまりに女子的な内容にちょっと引きつつ、
アキヨの存在にもイライラ。
けど、樹理恵のラストのキレぶりが爽快で一気に好きになった!

どちらかというと「亜美ちゃんは美人」の方が好き。
亜美ちゃんが人生ではじめて本気で好きになった男がどうしてあの人なのか、
さかきちゃんがそれに気づいたときはハッとした。
亜美ちゃんは決して天然バカなんかじゃなかったのねぇ。
この作品のタイトルは「亜美ちゃんは美人」なんだけど、
こっちの方が「かわいそうだね?」でいいんじゃない?と思ったくらい。
自分自身が満たされていれば満たされてる同性への嫉妬もうまれない・・・
これも満たされていないと気づかないものなんだよね〜。
ラストの開き直りが大好きです。

綿矢りさが作家として伸び悩んでる気がしてたけど、今回一皮むけたかんじ
もうちょっと見守ってあげたい気がします
| comments(0) | trackbacks(1) | 15:41 | category:    綿矢りさ |
# 母のはなし
評価:
群 ようこ
集英社
¥ 1,365
(2011-06-24)
コメント:実話・・・なのかな??

JUGEMテーマ:小説全般
 ● 母のはなし / 群ようこ
 ● 集英社
 ● 1365円
 ● 評価 ☆☆☆
すべての母と娘に贈る物語
昭和5年、子煩悩な父と大らかな母の4番目の子として生まれたハルエ。
父の急逝で生活は一変するも健やかに成長し、やがて見合い結婚。
だが浪費家の夫に悩まされ・・・。
少女がおばあさんになるまでの物語。


(感想)

たぶん実話なのかな??
主人公のハルエは群さんのお母さんで、その娘のアカネが群さんっぽい。
そう考えるとこの母親にどうしようもなく憤りを感じる。
幼いころから何事にも控えめで、耐えて生きてきた女性ではあるんだけど、
娘が成功してからのたかりっぷりが尋常じゃない!
実話なのかって思えば思うほどムカムカしてきて、
前半で感じていた主人公への同情の気持ちは最後にはまったく残っていませんでした。
母のこんな実態を本に書いちゃう群さんはあっぱれですが(笑)、
いったいどこまでが本当のことなんでしょう・・・
弟も情けないし、父親なんか結局はどうなっちゃったんだろ??

このお話、とことん暗く悲惨な切り口で書こうと思えば
十分そっち系統の作品にできると思うんだけど、
そうじゃなくあくまであっけらかんと書いている所が群さんらしいですね

 
| comments(0) | trackbacks(0) | 14:56 | category:    群ようこ |
Selected Entry
Categories
Archives
Profile
Comments
Trackback
Mobile
qrcode
にほんブログ村
にほんブログ村 本ブログへ にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
Search this site
Sponsored Links