隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# 東京・地震・たんぽぽ
評価:
豊島 ミホ
集英社
¥ 500
(2010-08-20)
コメント:震災前に書かれたものですが、震災後の今だからこそ考えさせられるものとリアリティがあります。

JUGEMテーマ:小説全般
 ● 東京・地震・たんぽぽ / 豊島ミホ
 ● 集英社文庫
 ● 500円
 ● 評価 ☆☆☆
うららかな5月の光景が一変した―東京で震度6強の大地震が発生。
家は崩れ、あちこちから火の手があがり、多くの命が失われた。
子どもと公園で遊んでいて生き埋めになった主婦。免震マンションに篭城するアイドル。
いじめの「復讐」を果たすため、被災地に乗り込む中学生…。
極限状態で直面する本当の気持ちとは?身体に心に痛手を負った14人の、
悲しみと明日への希望を描く小説集。



(感想)

東京で震度6の大地震が発生・・・悲しみ・そして明日への希望を描いた
14のショートストーリーです。

震災のずっと前に書かれたものなんですが、
あの体験があったからこそリアルに感じられることがたくさんありました。
震災前に読んでいたとしたら、たいぶ印象が違っていただろうなぁ。

「復習の時間」がいちばん好き。
なんだかんだあっても、やっぱり人間って助け合うものなんだなって。

震災があったからこそ必要性がわかるのは「パーティしようぜ」。
生きるためには物資だけじゃなく、弱った心をケアすることがいかに大切かって
この震災を経験して改めて感じたから・・・。
明日への希望・・・これが復興への大きなカギですね。
| comments(0) | trackbacks(0) | 11:30 | category:    豊島ミホ |
# ベッドの下のNADA
評価:
井上 荒野
文藝春秋
¥ 1,650
(2010-12)
コメント:冷めきった空気・・・。私に理解できない夫婦感。

JUGEMテーマ:小説全般
 ● ベッドの下のNADA / 井上荒野
 ● 文藝春秋
 ● 1650円
 ● 評価 ☆☆☆
結婚5年目。
私たちの経営する喫茶店「NADA」は郊外の古いビルの地下にある。
「NADA」のマスター夫婦をめぐる不穏な日常――共有される時間と不在の時間の記憶。
現在と過去、変わらぬ日常と秘密の外出。
あなたは、夫(あるいは妻)の子供時代をしっていますか?
夜の沈黙、昼の饒舌―追憶と現在。愛情と嘘。
今日も「NADA」には常連客が集まってくる。


(感想)

夫婦2人、仕事の私生活もいつもそばにいるのに、寂しい・遠い・・・。
周囲にはなにも問題のない夫婦のように見えるのに、実際はこんなもの。
あーあ、夫婦生活に慣れすぎてしまうとこんなふうになっちゃうのかな。
お互いがいやになったわけでもなく、
浮気相手に強く惹かれてしまったわけでもないのに浮気するって理解できない・・・。

子供も、お世話をしなきゃいけない親もいないというのは私達夫婦にも共通することなんだけど、
こんな夫婦は悲しい。
自分の家なのに、自分の居場所なはずなのに心から安心して暮らしてない・・・みたいな。
この夫婦、どうして一緒にいるかわかんない。
なんだか共感できない作品でしたね。こういう夫婦の形もあるのでしょうか?
| comments(0) | trackbacks(0) | 12:02 | category:    井上荒野 |
# Q健康って?
評価:
よしもと ばなな
幻冬舎
¥ 1,365
(2011-08-25)
コメント:後半に収録されている、ある女性のがん闘病記がつらすぎる・・・。

JUGEMテーマ:読書
 ● Q健康って? / よしもとばなな
 ● 幻冬舎
 ● 1365円
 ● 評価 ☆☆☆
古今東西100以上の健康法を体験した著者が見つけた健康の極意
そして、身体のプロフェッショナルから引き出した健康の正体とは。
心身から底力がわきあがり、日常が輝き出す体作りのヒントが満載。
著者の友人で、余命2週間の末期癌と宣告されながら生き続けている女性の手記も収録。


(感想)

もともと体が弱く、ありとあらゆる健康法を試してきた、健康オタクの著者。
信頼できる身体のプロフェッショナルたちとの対話を通して、
健康の極意にたどりつく過程をまとめた本です。

とりあげられている健康法は一般的に知られているものから、
今回初めて知ったものまでさまざまだけど、すべては「心と体」にあるように思えました。
体だけ丈夫でも、心に問題があればダメなのね。
難しすぎて、内容がまったく入って来ない部分もあったけど、
こういう世界は信じる信じないの個人差もあるし、
流したいとこは流して自分に響く部分だけ大切にすればいい。

でも何より・・・。
内容うんぬんより、
こういうのにどっぷりハマっているよしもとばななという人をよくわかった気がしました。

後半はばななさんの友人の「るなさん」という方のガン闘病記が収録されてます。
諦めない、強い気持ちで病気と闘ったのが痛いほどに伝わってきますが、
壮絶すぎて今の私にはまだヘビーすぎました。
| comments(0) | trackbacks(0) | 12:28 | category:    よしもとばなな |
# キャベツ炒めに捧ぐ
評価:
井上 荒野
角川春樹事務所
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(2011-09)
コメント:食べ物パワー、おばさんパワーはやっぱり凄い!

JUGEMテーマ:小説全般
 ● キャベツ炒めに捧ぐ / 井上荒野
 ● 角川春樹事務所
 ● 1470円
 ● 評価 ☆☆☆☆☆
小さな町のささやかな商店街の中に「ここ家」がある。
こだわりのご飯に、ロールキャベツ、肉じゃが、コロッケ、ひじき煮・・・・・・。
60歳前後のおばさん3人が毎日、それぞれの悲しい過去や切ない想いを抱きながらも、
季節ごとの野菜や魚などを使って心をこめておいしいお総菜を作っています。
働いて、お酒を呑んで、しゃべって、笑って・・・いろいろあるけど3人は楽しく暮らしています。



(感想)

舞台は3人のおばさんで切り盛りするお惣菜や「ここ家」。
美味しそうなものがたくさん出てきて、登場人物の年齢層が高いこともあり、
なんだかのほほーんとした印象を持ちそうになるけど、
おばさん一人一人を見つめると、それぞれに過去の傷や悲しく切ない思いを抱えている。
若い女性が3人集まる小説だったら、
こんな枯れ具合も味わい深い哀愁も出なかっただろうなぁ。
「静子の日常」といい、井上荒野さんの書くおばさん小説(?)って好きかも。

特に大きな出来事が起こらないグダグダな感じが嫌な読者もいるだろうけど、
私はだからこそリアルに感じる。
3人に憧れはしないけど、それぞれの過去の経験も踏まえると、
まぁ悪くない老後を迎えようとしてるんじゃないかなぁ。

ああ、やっぱり食べ物の持つパワーと元気なおばちゃんパワーに勝るものはない。
どんなつらいことがあっても、美味しい物を作ろうとする気持ちや、
食べて「ああ、美味しいな」って思えるんだったらまだまだ大丈夫な気がします。
| comments(0) | trackbacks(0) | 11:53 | category:    井上荒野 |
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