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# TROIS トロワ
2010.09.28 Tuesday
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評価:
石田 衣良,唯川 恵,佐藤 江梨子
角川書店(角川グループパブリッシング)
¥ 1,575
(2009-08-28)
コメント:佐藤江梨子が頑張ってます
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JUGEMテーマ:
小説全般 ● TROIS トロワ / 石田衣良、佐藤江梨子、唯川恵
● 角川書店
● 1575円
音楽プロデューサーの響樹とカリスマエステティシャンの季理子は長年の恋人同士。
季理子の方が10歳年上だが、8年間干渉しない大人の恋愛を続けている。
ある日、響樹は銀座で出会った歌手志望のホステス・エリカと出会い、やがて恋に落ちていく。
嫉妬と野心が渦巻く中、響樹と季理子はエリカをスターダムに押し上げようと企むが…。
二人の直木賞作家と人気女優が奇跡のコラボ。
それぞれ描く男女三人が、複雑に絡み合い、嫉妬と野心、官能渦巻く恋愛小説。
(感想)
響樹を石田衣良、エリカを佐藤江梨子、季理子を唯川恵が各章入れ替わるように綴る競作。
サトエリ、この仕事よく受けたよなぁ。その度胸にまず拍手
でもって、最初はサトエリの部分だけ文章の幼さが気になるものの、
読むうちにまったくそれが感じなくなる。
おそらく響樹と季理子に比べ年少で人生経験も少なく、考えも幼いエリカをサトエリが担当したから
うまくごまかせたんだろうなぁ。
けど、そうだとしてもよく出来てると思います。
ストーリーはいたって単純。ありがちな展開で先が想像できました。
もともと石田衣良のスカしたかんじが嫌いなんだけど、この作品も激しく石田の匂いがする(苦笑)
女性2人が石田ワールドにお付き合いしたような、そんなかんじ。
エリカと季理子が響樹よりも潔く強かったように、作品の内でも外でも女性の強さが感じられます。
けど、もうちょっとエリカと季理子の年齢の違いが見たかった。
季理子さんが年の割に美しく完璧すぎて、しかも考え方も大人で素敵で、
これじゃあ「若い子と中年女の戦い」って気がしないんだよね・・・。
季理子が他の2人より上手・・・つまりは唯川さんが他の2人より上手ってことなんだろうけど。
まぁ、コラボだから深みを出すのは難しいでしょう。
短時間でさらっと読めるこの程度で上出来なのかも。
# ドント・ストップ・ザ・ダンス
2010.09.28 Tuesday
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評価:
柴田 よしき
実業之日本社
¥ 1,785
(2009-07-17)
コメント:このシリーズははじめて読んだけど、置いていかれてる感はなかったです。
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JUGEMテーマ:
小説全般 ● ドント・ストップ・ザ・ダンス / 柴田よしき
● 実業之日本社
● 1785円
● 評価 ☆☆☆
保育園の園長でありながら、経営難の保育園の運営の足しにするために
私立探偵のアルバイトを副業とする花咲慎一郎。
ある園児の父親が暴漢に襲われ昏睡状態に陥ってしまう重傷を負う。
花咲は失踪中の母親・並木久美を探そうとするが、
若いパティシエの身辺調査を依頼を受け、二つの捜査をすすめることに。
しかし、この2つが思わぬ形でつながっていることに気づき・・・。
花咲慎一郎シリーズの最新刊。
(感想)
柴田よしきさんはけっこう読んでいるはずなのに、このシリーズははじめて。
なぜかいきなり5作目から読んでしまったけど、
「わからない」「ついていけない」という違和感はありませんでした。
過去のシリーズで描かれたであろう出来事にもさらっと触れていて、
なんだか前の4冊も読んでみたくなりました。
事件の当事者である並木夫妻が不在のままで、
一方的にとんとん拍子に都合よく結末に向かっていくのが気になったものの、
読みやすいサスペンスではあると思います。
主人公の園児に対する広い大きな愛情に人柄を感じられてよかったなぁ。
子供が出てくるから作品全体がやわらかい雰囲気に覆われている。
このシリーズを読み込めば読みこむほど好きになれそう。
この本を読んだみんながそう思うだろうけど、「若草」の甘いケーキがたべてみたいです
# 光媒の花
2010.09.16 Thursday
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評価:
道尾 秀介
集英社
¥ 1,470
(2010-03-26)
コメント:1編1編としてではなく、くるっと全編で味わう作品だと思います。
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JUGEMテーマ:
ミステリ ● 光媒の花 / 道尾秀介
● 集英社
● 1470円
● 評価 ☆☆☆
印章店を細々と営み、認知症の母と二人、静かな生活を送る中年男性。
ようやく介護にも慣れたある日、幼い子供のように無邪気に絵を描いて遊んでいた母が
、「決して知るはずのないもの」を描いていることに気付く……。
三十年前、父が自殺したあの日、母は何を見たのだろうか・・・・・。
6章からなる群像劇。
大切な何かを必死に守るためにつく悲しい嘘、絶望の果てに見える光を優しく描き出す感動作。
(感想)
道尾さんというと、暗くて怖いものを書く人、という印象だったけど今回はひと味違った。
もちろん、従来のそういうテイストも残しつつも、
6章からなる連作短編の中で各章ごとにそれぞれ違うテイストで描いているのがまず、凄い。
しかも、それに違和感を感じさせず、きれいにまとまっている。
1編1編を独立させて読むのではなく、全編通して味わうことがこの作品の醍醐味。
章を追うごとに作品が一つの形になっていくのがしっかり感じられます。
連作短編なので、前の章で救いがないような立場にあった人も、
他の章では幸せになっていたり、ほんの少し光が見えるのがほんのりと良かった。
どんな人の心にも暗さや醜さはある。
けど、それと同時に優しさや愛する心もきっとある。
それを改めて痛感させられる作品でした。
# 新・自分で治す「冷え症」
2010.09.08 Wednesday
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評価:
田中 美津
マガジンハウス
¥ 767
(2008-12-05)
コメント:冷え症はあらゆる病気を生み出す元凶!今すぐに解消しなければ!!
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JUGEMテーマ:
文庫 ● 新・自分で治す「冷え症」 / 田中美津
● マガジンハウス文庫
● 767円
● 評価 ☆☆☆☆
花粉症、アトピー性皮膚炎、肩こり、腰痛、下痢、便秘・・・。
ちょっとした体の不調はほっておくとやがて大病になることも。
その原因はズバリ「冷え」にあり。
スパッツの重ね履き、正しい呼吸法、腰湯など、“明るく養生、元気に不摂生”をモットーに掲げる鍼灸師・田中美津が、無理なく続けられる日常の「冷え」対策を教えます。
(感想)
鍼灸の先生が書いた「冷え対策」の本。
かなり専門的な内容だけど、明るい語り口調の文章なので難しさは感じません。
生活習慣・食生活・入浴法・ツボ押しなどあらゆる角度からの冷え対策。
すごい勉強になりました。私が元気に過ごすためのバイブルになりそう。
花粉症・アトピー・肩こり・腰痛・便秘・下痢・慢性疲労・・・それらすべてに「冷え」がかかわっているらしい。
これにはかなり衝撃を受けました。
要は「冷え症」であるというだけで、
病気を引き起こす可能性が冷え症でない人よりもずーっと高いということ。
私は毎日多くの人の体に触れているマッサージの先生からも「冷たすぎる」と言われるほど重度の冷え性。
相当危機的状況にあるのかもしれない。
もうすでにアトピー肩こり腰痛披露便秘・・・・・・。
大きな病気を引き起こすのも時間の問題でしょうね。
冷えだけでなく、
私が日々悩んでいた「筋肉の鍛え方」「体のゆがみ」「生理不順」などにも触れていて、
対策法も載っているので参考になります。
大事なページを折ってチェックしているうちに、折り目だらけのとんでもないことになってました。
書いてあることはさっそく実践。
腰湯・操体法・靴下の2枚ばきは数日前からおこなってます。
それにしても困ったのは、普段からスパッツの2枚ばきをしましょうということ。
なかでも絹のスパッツが最適らしい。
理屈はわかるし、ぜひそうしたいと思う。
けどね・・・調べてみたら絹のスパッツってめちゃ高い・・・。
私がチェックしたお店では6000円台でしたよ。
それが2枚ってことは12,000円?洗い替えの分も考えるといくらかかるの???
せっかくの冷え性対策法なのに、こんなところでつまずいちゃう。
そんな金銭的迷いが、この本に☆を5つあげられない理由です(^_^;)
このタイトルだと今現在、冷えに悩んでいる人しか手に取らなそうだけど、
そうでない人にもぜひ読んでほしい。
どんなに「自分は健康!心配ない」と思っている人でも、
読んでいるうちにきっと1つくらいは思い当たることにぶつかるはずです。
# Nのために
2010.09.07 Tuesday
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評価:
湊 かなえ
東京創元社
¥ 1,470
(2010-01-27)
コメント:「N」は愛する者?それとも自分自身?
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JUGEMテーマ:
小説全般 ● Nのために / 湊かなえ
● 東京創元社
● 1470円
● 評価 ☆☆☆
大学一年生の秋、杉下希美は台風による床上浸水がきっかけで、
同じアパートの安藤望・西崎真人と親しくなる。
努力家の安藤と、小説家志望の西崎。
それぞれにトラウマと屈折があり、夢を抱く三人は、やがてある計画に手を染めた。
すべては「N」のために―。
(感想)
醸し出す空気感が恩田陸さんっぽい作品だったなー。
主な登場人物はいずれもイニシャルが「N」になる6人。
それぞれが自分自身のかけがえのない「N」を守るために嘘をつき、一方で孤独感を抱く。
彼らのその必死の思いが重なりあうことで、少しづつ生じていくズレ・・・。
それぞれが自身の思惑で動いているから、すべてを了承しているものがいない。
だから事件の全貌はいつまでも見えてこない。
このもどかしさがじれったいけど、読後の余韻を残します。
各章ごとに語り手が変わっていくなか、特に色濃く描かれているのが希美。
逆に希美がこんなにくっきり書かれているのに、安藤の人物像をぼかしたのはうまい!
最初は安藤が男か女かすらわからなかったもんね(笑)
全員が「N」だし、最後まで読んでも「N」が誰か1人を指しているわけではないようだった。
もしかしたらただ、みんな自分自身のために動いていたのかもしれないし・・・。
そう考えるとこのタイトルの付け方は本当に秀逸ですね。
# さよならドビュッシー
2010.09.01 Wednesday
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評価:
中山 七里
宝島社
¥ 1,470
(2010-01-08)
コメント:このミス大賞・・・しかし、ミステリーとして評価するとなると疑問も残る。
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