隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
<< March 2010 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
# はじめての麦わら帽子
評価:
本上 まなみ
新潮社
¥ 1,365
(2009-09-01)
コメント:素晴らしい感性と着眼点!やっぱり本上まなみは面白い!

JUGEMテーマ:エッセイ
 ● はじめての麦わら帽子 / 本上まなみ
 ● 新潮社
 ● 1365円
 ● 評価 ☆☆☆☆
ずっと待っていたちいさい人とのバタバタ素敵な毎日。
はじめての散歩、はじめてのドライブ、はじめての旅行・・・。
彼女にとっての「はじめて」は、親にとっても「小さい人とのはじめて」。
妊娠・出産・子育ての話題はもちろん、本上まなみお得意の「へもさ」もたっぷりのエッセイ集。
 


(感想)

今回は妊娠・出産・子育ての話題がメインだけど、
おなじみのへもへも話も健在の楽しくてほのぼのとしたエッセイ集です

お金は十分あるから旅に行けるし、美味しいものを食べにも行ける。
生活レベルはちょっと私達とは違うかもしれないけれど、
マイペースに日々を楽しんで、素敵に生きている人だと思います。
私は幸せって美味しいものを食べたとか、道でかわいい猫とすれ違ったとか、
そういう些細なことの積み重ねだと思っているけど、
この人もそういう価値観を持っているのではないかなと、勝手にシンパシーを感じてしまいました。

通っていた産婦人科の方針にどうしても納得することができなくて、
出産のギリギリまで病院が決まらなかったという出来事も、わかるなぁ。
そういう頑固さって、親として当たり前のこと。
もう、出産する前から、親は親なんだなぁ。

けど、そういう本上さんもいいけど、
ヒトコブラクダとフタコブラクダ、はたして乗るときはどうしたら・・・・なんて、
そんなことを真剣に考えちゃうとこが、同い年の女としては大好きなんですよね(笑)

プロの作家さんと比べても、
本上まなみさんほど擬態語・擬音語を上手に使える人はいません。
そして素晴らしい感性、面白い着眼点。
これまでのエッセイに比べると、視線が優しく感じられるのは
やはり「ママ目線」で物事を見るようになったから?
こういうお母さんに育てられた子供はどんなふうに育つんだろう。
ママから素敵なものをたくさん吸収してね

庭付きの素敵な一戸建てを手に入れた本上さん。
引っ越し魔の彼女はそれでも引っ越しを続けるのでしょうか??
今後も彼女の作品から目が離せません
| comments(0) | trackbacks(0) | 16:03 | category:    本上まなみ |
# キケン
評価:
有川 浩
新潮社
¥ 1,470
(2010-01-21)
コメント:キケン = 機械制御研究部、そして「危険」!

JUGEMテーマ:小説全般
 ● キケン / 有川浩
 ● 新潮社
 ● 1470円
 ● 評価 ☆☆☆☆☆
成南電気工科大学 機械制御研究部。略して「機研 = キケン」。
彼らの巻き起こすおよそ人間の所行とは思えない数々の事件から、
周りからは畏怖と慄きをもって、キケン=危険、と呼び恐れられていた。
活動内容はもちろん、集う人間の危険度は既にサークルの域は出ている。
ヤバイ奴らが巻き起こす熱血青春ドタバタ劇。
理系男子って皆こんなに危ないの
これは、その伝説的黄金時代を描いた物語である。 



(感想)

あー、面白かったぁ
このリズム感、会話のテンポ、いいよなぁ。やっぱ有川ワールド、最高でっす

大学時代って勉強や就職活動も大事だけど、
こういうばかばかしいことに思いっきり本気になることも大事だよね?
若いっていいな、仲間っていいな。
人生の中にこういう時期って絶対に必要
私にはここまでバカを楽しんだ青春時代の経験はないので、彼らがうらやましくすら思えました。

機械系の部活の話なのに、
メインは学園祭のラーメン屋を繁盛させるための奮闘だっていうから
おまぬけぶりもサイコー

お店の子・元山が同期たちにラーメンスープの取り方を指導する場面は笑い死にするかと思った。
鶏ガラはスープの要になるダシを出してくれる偉いお方。
だから敬意を持たねばならない、閣下(サー)と呼ばねばならない・・・。
グロい鶏ガラを手にサーサー言いながらスープつくりに励む姿・・・
想像するだけで爆笑です。

今回は恋愛要素は少なめ。
私は有川さんの作品ではベタ甘要素が多めのものが好きだったけど、
ここまで男子のおバカを痛感させてくれるのもすがすがしい

最後は意外にも涙があふれ
泣いたり笑ったり思う存分に有川ワールドを体感しました
| comments(0) | trackbacks(0) | 11:32 | category:    有川浩 |
# いつか響く足音
評価:
柴田 よしき
新潮社
¥ 1,365
(2009-11-20)
コメント:人の数だけ人生も、秘密も、ある。

JUGEMテーマ:小説全般 
 ● いつか響く足音 / 柴田よしき
 ● 新潮社
 ● 1365円
 ● 評価 ☆☆☆
借金まみれのキャバクラ嬢。猫の集会を探し求めるカメラマン。
夫が死んだ日のことを忘れられない未亡人・・・人の数だけ人生はある、秘密はある。
ひとりぼっちの人生がはじまった、それぞれの分岐点はいつだったんだろう。
著者会心の傑作連作集。


(感想)

時代から置き去りにされたような古い団地が舞台。
人には言いにくい秘密を抱え、孤独に生きる人々の触れ合いを描く連作短編集です。
寂しいから誰かとつながっていたくて、隣近所でおすそ分けをもらったり持っていったり、
時には集まってささやかなパーティを開いたりはするけど、
本当に誰かの話に耳を傾けて真剣に向き合っているわけではない。
ただ孤独を埋め会っているだけに思えたこの人たちにこんなに心温まるラストが待っていたとは
暗い話になるのかなと思いきや、意外な方向へ進んでいった構成が素晴らしかったです

キャバクラで働いて、カード破産して、取り立てから逃げ回り、
堕ちるとこまで堕ちてしまった状況でも「そんな今の自分が好き」と言えるまでになった
絵理の清々しさには胸がスカッとしました

「同居の家族・・・いっぱい
まだ心からつながっているわけではない、でもつかず離れずな関係だから心地よい。
彼らはこれからどんどん良い方向へ進んでいくのでしょね。
もっともっと本当の家族へ・・・。
| comments(0) | trackbacks(0) | 10:59 | category:    柴田よしき |
Selected Entry
Categories
Archives
Profile
Comments
Trackback
Mobile
qrcode
にほんブログ村
にほんブログ村 本ブログへ にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
Search this site
Sponsored Links