隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# 訪問者
評価:
恩田 陸
祥伝社
¥ 1,680
(2009-05-14)
コメント:誰も信じちゃいけません・・・

JUGEMテーマ:小説全般
 ● 訪問者 / 恩田陸
 ● 祥伝社
 ● 1680円
 ● 評価 ☆☆☆
山中にひっそりとたたずむ古い洋館――。
三年前、不審死を遂げた実業家・朝霞千沙子が建てたその館に、朝霞家の一族が集まっていた。
千沙子に育てられた映画監督峠昌彦が急死したためであり、
今夜、晩餐の席で昌彦の友人である弁護士・井上により昌彦の遺言が公開される。
嵐に閉ざされた山荘を舞台に、至高のストーリー・テラーが贈る傑作ミステリー。


(感想)

いかにも恩田陸チックなシチュエーションでした。
恩田さんってほんとに「古い洋館」とか好きですよね

何が嘘で、何が真実かわからない。
小さな子供でさえ犯人ではないと言い切れない緊張感。
さらに外部から遮断された山の中の洋館という閉鎖感も判断を鈍らせます。

けど、人が死んでいるというのになんだかみなさん不自然なほど落ち着いていて、
いつまでも作品の世界に入り込めず、違和感ありまくり。

さらに、気になるのは似たような年齢・名前の登場人物が多すぎて、
誰が誰なのかわからなくなりそうなことでしょうか
千蔵さん、千次さん、千衛さん・・・・みんなおじいちゃん

結末は驚きに欠けたなぁ。
いろんなことに疑惑の目をむけすぎて、「なーんかこんなもんか」って思っちゃったかんじです。
| comments(0) | trackbacks(0) | 16:30 | category:    恩田陸 |
# 刻まれない明日
評価:
三崎 亜記
祥伝社
¥ 1,680
(2009-07-10)
コメント:「思い出にする」という勇気

JUGEMテーマ:小説全般 
 ● 刻まれない明日 / 三崎亜記
 ● 祥伝社
 ● 1680円
 ● 評価 ☆☆☆☆
10年前、街の中心部にあるその場所から理由もなく、3095人の人間が消え去った。
街の人々は今でも彼らが存在するように生活を営んでいる。
しかし、事件から10年目となる今年・・・彼らの存在の営みが少しずつ消えようとしているようだ。
残された人々はやっと悲しみを乗り越え、事実を認め、新たな一歩を踏み出そうとしている。
喪失感を乗り越え、明日へとむかう人々の姿を描く。



(感想)

10年前のある日、理由もわからずに町から3095人もの住人が消えてしまった。
突然の消失に戸惑い、悲しみ、
残された人々がどう生き、どう乗り越えるかを描いた作品です。

やり場のない喪失感。

失ったものの大切さをじっくりと温めて、その悲しみを認め、
10年という長い歳月をかけてじっくりとお別れをしていく・・・。
その別れの認め方がじんわりと心に響きました。
それほどのことなんです、かけがえのない誰かを失うって。

それでも、残されたものは生きていかなければならない。
過去を忘れないで大切にする気持ちと、
未来に向かい、前を向いて歩いて行く勇気を静かに実感させてくれます。

1つ1つが独立した話に思いきや、連作短編の形になってはいるものの、
前の章の登場人物に他の章でも出会えたりするので、なんだかほんわか嬉しい

同じく三崎さんの作品で、似たような出来事を描いた「失われた町」も
参考までに読んでおくといいかもしれません。
《7階の撤去》など、他の三崎作品のエッセンスもいたるところに漂ってます。

ほのかに恋愛小説っぽい要素があるのも女性読者にはポイントが高いのではないでしょうか
| comments(0) | trackbacks(1) | 10:30 | category:    三崎亜記 |
# 贖罪
評価:
湊 かなえ
東京創元社
¥ 1,470
(2009-06-11)
コメント:「告白」と似すぎている

JUGEMテーマ:小説全般 
 ● 贖罪 / 港かなえ
 ● 東京創元社
 ● 1470円
 ● 評価 ☆☆☆☆
取り柄と言えるのはきれいな空気だけ。
そんな穏やかな田舎町で起きた、美少女殺害事件。
しかし、人と目される男の顔を見たらしい4人の少女たちは
どうしてもその男の顔を思い出せず、事件は解決しないまま・・・・。
そんな少女たちに投げつけられた激情の言葉が彼女たちの運命を大きく狂わせることになる。


(感想)

4人の少女の人生を握る、ある人物の強い強い思い。
その根深さはあまりにも「告白」の主人公のそれと酷使していて、
どうしても両作品を比べてしまいます。
構成が似てるし、「告白」もこれも面白いことは間違いなく、時間を忘れて読んでしまったけど、
「告白」の衝撃に比べるとこちらは生ぬるい感が否めません。
やっぱりあの衝撃は越えるのは難しいですよね

田舎町で起きた少女殺害事件。
お盆の真っ只中、どこにも連れて行ってもらえなかった5人の少女は
いつものように校庭でバレーボールをしていた。
そこへ知らないおじさんがやってきて、「少しだけ仕事の手伝いをしてほしい」という。
しかし、親切心からおじさんについて行った少女は無残な姿で発見されることになる・・・。

残された4人の少女は、大人の激情によって発せられた怒りの言葉にしばられ、
「懺悔」の気持ちを抱えて生きていくことになります。
そして、それぞれの形でその気持ちを清算することになるのですが、
幼く、未熟なうちにこんな事件に巻き込まれてしまった少女たちが
責任をとるように人生をかけて償いをしていく姿が痛々しいです。
異常な事態を目のあたりにして完璧な対応など大人だって取れるはずがない。
彼女たちの抱えたものはあまりに重い。

少々課題は残るものの、
3作目にして「湊かなえ的なスタイル」が確立されたのは確か。
次はこの手法をどう広げていくかが彼女のこれからの課題でしょう。
まだまだ楽しみな作家。期待しています
| comments(0) | trackbacks(0) | 10:08 | category:    湊かなえ |
# 三人暮らし
評価:
群 ようこ
角川書店(角川グループパブリッシング)
¥ 1,470
(2009-09-25)
コメント:女三人・・・それぞれの三人暮らし

JUGEMテーマ:小説全般
 ● 三人暮らし / 群ようこ
 ● 角川書店
 ● 1470円
 ● 評価 ☆☆☆☆
マサミ、25歳。
そろそろ家を出たいけど、子供たちは結婚するまで手元に置いておくのが当然と思っている
うるさい母親のおかげで踏ん切りがつかない。
そんなとき、高校時代からの友人ミホからハウスシェアをもちかけられた。
ミホの同僚リョウコも誘い、築26年の一戸建てで始まった三人暮らしは、
家事分担も近所づきあいも、はじめてのことばかり―。
幸せな暮らしを求めて、同居することになった女性たちが紡ぐ夢と現実。
いろいろあるけど、ちょっと羨ましい十の物語。


(感想)

「女の3人暮らし」
これだけをテーマに10通りの三人暮らしを描きます
望んでこの暮らしをはじめたグループもあれば、
招かれざる闖入者によっていやいやながらも三人暮らしせざるを得ないグループも
さまざまなシチュエーションが面白い
「かもめ食堂」チックなゆる〜い雰囲気もさいこーでっす

なかには一緒に暮らしたくないような嫌な人も出てくるんだけど、
ギスギスとかドロドロみたいないや〜な感じにはならないとこがいいよねぇ
女三人なんかで暮らしたら男関係とか家事分担とかでぜーったいモメそうだけど、
あえてそこは強く主張せずに、気軽な三人暮らしとして描いてるとこが群さんらしー

いちばん最初の「うちの大黒柱」ののんびりまったりな雰囲気が好きでした
築26年の一戸建てで、畑もあって、ご近所との関係も良好で、
こんないい物件があったら私も住みたいよ〜。

実は私、短編集ではなく長編だと思って読んでいたので、
この最初の三人の今後の暮らしぶりが読み続けられなくてかな〜りガッカリしたんです
長編でゆるやかに書いてくれてもよかったのにー。
「かもめ食堂」が好きな人は絶対に長編の方が好きだと思いますよ。
そんな思いが星を4つにさせちゃいました
| comments(0) | trackbacks(0) | 12:15 | category:    群ようこ |
# バシャール x 坂本政道 人類、その起源と未来
評価:
ハ?シャール(チャネル:タ?リル・アンカ)&坂本政道
ウ?ォイス
¥ 1,995
(2009-05-25)
コメント:上級者向けのバシャール本

JUGEMテーマ:スピリチュアル
 ● バシャール x 坂本政道 人類、その起源と未来 / ダリル・アンカ 坂本政道
 ● VOICE
 ● 1995円
 ● 評価 ☆☆☆
2008年秋、アメリカ大統領選当日から3日間にわたってロサンゼルスで行なわれた坂本政道氏とバシャールの対話集。
人類の意識の目覚めのためのピラミッド゙解明
そして、人々がパニックにならないよう啓蒙するというミッションを背景にバシャールとの対話に臨む。
坂本政道さんへのインタビューもあり。
今度の「バシャール」はより具体的。この深さ・広がりとキレで、あなたの意識の次なる扉が開く......。  



(感想)

惑星・エササニから地球にメッセージをおくる多次元的存在「バシャール」。
今回はヘミンクという方法を使って、非現実的な世界への探求をなさっている
坂本政道さんとの対談です。
こいう分野の方との対談ということもあってか、
これまでのバシャールのセミナー本や対談集よりは科学的なものになっています。

科学や数学に興味のある人には読み応えのある内容。
でも、専門的でかなり深いところまで切り込んでいるので、私には難しいな〜。
スドウゲンキさんとの対談集の方が、
この分野に明るくない私や、一般の人などには親しみを持てるのではないでしょうか。

前半は人類の起源やピラミッド、UFOの真実に迫り、
後半はバシャールがいつも語っている「ワクワクすること」の重要性を説いています。
やはり私には後半の、心と意識のあり方の章が受け入れやすかったけれど、
ピラミッドが作られた本当の意味に関しては面白かったな。
たしかに、あれはどう考えても古代の文明だけで作れるはずはないもんね。

はじめてバシャールに触れるならば、
この本から入門するのはおすすめしないけれど、
これまで何冊も読んでいる人ならば、より高く専門的に楽しめるバシャール本でした。
| comments(0) | trackbacks(0) | 11:16 | category: アンソロジー、競作 |
# すべては宇宙の采配
評価:
木村 秋則
東邦出版
¥ 1,500
(2009-07)
コメント:信じるか、信じないかはあなた次第です

JUGEMテーマ:読書
 ● すべては宇宙の采配 / 木村秋則
 ● 東邦出版
 ● 1500円
 ● 評価 ☆☆☆☆☆
無農薬リンゴ栽培の奇跡。
苦労の中で生まれた奇跡のリンゴと同時に、
木村氏自身に舞い降りた奇跡のようなスピリチュアル体験が。
スパイスは夫婦愛。
宇宙的・霊的な話ばかりではなく、
極めて人間的な泣けるエピソードを満載の奇跡のリンゴの物語


(感想)

木村さんは青森で無農薬・無肥料・自然栽培によるリンゴ栽培を行い成功している有名な方です。
はじめたころは全くうまくいかず、周囲のリンゴ農家に白い目で見られる日々でした。
でも、それでも木村さんが諦めなかったのは、
美味しいリンゴを作りたいという信念とともに、
信じられないような神秘体験を何度も経験し、その経験までも信じたから。
信じる者には奇跡は起きる・・・それを実感させられます。

宇宙人だとか臨死体験だとか、
そっち系の話題に興味のない(もしくは嫌悪感を感じる)人はその手の話は読むのさえ苦痛でしょう。
でもこの本はいかにもなトンデモ本ではなく、
一般の人にも受け入れやすい間口の広いスタイルの本に仕上がっているから読みやすいはずです。
それはおそらく、そんな体験をした木村さん自身が
ものすごくシンプルに当たり前のこととして受け入れているからなのではないでしょうか。

木村さんの無農薬へのこだわりには胸が熱くなります。
ただ単純に、「農薬などをジャンジャンつかわないと、本当に美味しいリンゴはできない」なんて、
そんな考え方はさびしいですよね。
ただありのままに、自然状態で成るリンゴこそが美味しいっていう
単純発想さえできないなんて・・・。
精神世界の世界では、今は地球の転換期にあるといわれています。
こういうことを事実として受け入れられるか柔軟さが、これからの地球には必要な気がします。

ここに書かれている出来事はリンゴ栽培だけにとどまらない大きなメッセージ
なのです。
| comments(0) | trackbacks(0) | 10:24 | category: 作家名 か行 |
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