隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# モダンタイムス
評価:
伊坂 幸太郎
講談社
¥ 1,785
(2008-10-15)
コメント:近未来という設定が生きてないような・・・

JUGEMテーマ:小説全般
● モダンタイムス / 伊坂幸太郎
● 講談社
● 1785円
● 評価 ☆☆☆
「勇気はあるか?」 29歳のシステムエンジニアである私の前で、見知らぬ男がそう言ってきた。
どうやら彼は私の妻からの依頼で、拷問しようとしているらしい。
私は「勇気は実家に」と言いかけたが、言葉を止めた・・・・。
ネット検索からはじまる監視の恐怖を描く近未来サスペンス。
『モーニング』連載の長編小説を書籍化。 


(感想)

私はそれほどつながりがあるとは思えないけど、一応「魔王」の続編といわれる作品です。
現在から50年ほど未来の話で、
ネットの技術は進歩しているものの庶民の生活自体に今とそれほど大きな変化はナシ。
近未来小説としては味気ない。
謎を解くカギがジョン・レノンの曲や「クロウ」だとか「駅馬車」という映画にあるのは伊坂さんらしいけど、
こんな今見ても古い映画を使うなら、あえてこんな近未来の設定にする必要はあったのか疑問。
近未来を描いておいてこれは卑怯でしょう
正直、最後まで夢中になる要素はなかった。
これ以前に伊坂さんの本を読んで事のある人はガッカリするんじゃないかなぁ。
テーマ自体は面白そうなのに、伊坂幸太郎が書いたのに、なんでこんなに面白くないんだろう。
これもある意味、すごいと思う。

けど、仕事が細分化され、
人が物事の一部分を担うにすぎない状況がこんなに怖いとは考えたことなかった。
自分が知っているのはたった一部分にすぎず、
全体を見渡してみると実はとんでもないことに加担してた・・・なんてこと実際にもありそう

タダモノじゃない奥さんや浮気相手の正体は最後までわからず、
著者本人を思わせる人物が出てくるなんてのも阿部和重さんとかがやってるし、新鮮味がない。
いろんな点で残念な点が残る。

でも、「勇気があるか?」って問いかけ・・・ドキッとしますね。
はっきり「イエス」と答えられる人はそういないんじゃないかな。
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# f植物園の巣穴
評価:
梨木 香歩
朝日新聞出版
¥ 1,470
(2009-05-07)
コメント:雰囲気に酔える和風ファンタジー

JUGEMテーマ:小説全般
● f植物園の巣穴 / 梨木香歩
● 朝日新聞出版
● 1470円
● 評価 ☆☆☆
植物園に勤める私は歯痛に悩んでいる。
ある日、巣穴に落ちてしまうのだが、そこは異界だった。
前世は犬だった歯科医の家内、ナマズ神主・・・・。
人と動物が自然に語りあい、過去と現在が入り交じった世界で、
私はゆっくり記憶を掘り起こしてゆく。


(感想)

梨木さんの新刊、早くでないかな〜と待ってました
現実と幻想、過去と現在、人間と動物の世界・・・すべてが交錯し、どこが現実なのかわからなくなってしまう。
はっきりとしたストーリーのようなものはないので、のめりこんで読み進めるタイプの小説ではありません。
ほんとにずーっと不思議な空間を漂うような気分だった。
独特の世界観に酔える作品です。
「家守綺譚」に雰囲気が似ていますね。
でも、梨木さんの本を読んだことなくて、しかもなんの予備知識もなく読み始めると
もしかしたら読むのに苦労するかもしれません。

四季折々の日本の自然の美しさや、不可思議さがきれいに描かれているのは梨木さんの作品のすてきなところ。
今回も例外じゃなく美しいです。

漂うように読んでいたのに、最後の最後に素晴らしい事実が待ってます。
ずっと靄がかかっていた世界に光がまばゆく差してきたように、
とてつもなく大きなものが心にグワーっと襲ってきて鳥肌モノでした。
不思議な世界に迷い込み、私まで迷子になっちゃいそうだったけど、
最後の結末がぐっと手を差し伸べて現実に救い出してくれた・・・そんな気がしました。

んー、でも個人的には明確なストーリーがある作品が好きなので、
「りかさん」や「からくりからくさ」みたいな梨木さんの方がいいなぁ。
| comments(2) | trackbacks(1) | 12:13 | category:    梨木香歩 |
# くまちゃん
評価:
角田 光代
新潮社
¥ 1,575
(2009-03)
コメント:シュールなタイトルにひかれて

JUGEMテーマ:恋愛小説
● くまちゃん / 角田光代
● 新潮社
● 1575円
● 評価 ☆☆☆
4回ふられても私はまた、恋をした。
なんてことだろう。あんなにつらい思いをしたというのに。
きっとここにあなたがいる、そんな恋愛小説。


(感想)

主人公は最後に必ずふられ、そのふった張本人が次のお話の主人公になる。
そして次のお話でも主人公はふられ、ふった人が次の主人公で・・・と続く物語。
最初の3つくらいを読むとこのシステムに気づく。
つまり、どんなにいい感じでつきあってるカップルでも最後には別れるってわかってしまう。
結末が想像できる・・・はたしてこれはいいことなのか、面白みのないことなのか。

自分にとっては真剣な恋であっても、相手は軽い遊びのつもりなんてことはよくあること。
恋すると相手の悪いところがまったく見えなくなる。
次の章で前の章の主人公をふった相手をよく知ることができることで、
「恋は盲目」の確かさをしっかりと実感したり。

手痛い失恋をしたとき、「もう二度と恋なんてしない」なんて思ったりするけど、
ほんとうにそうできる人なんていない。
恋する気持ちってそんな風にコントロールできるものではないもん。
かつて私をふったあの人も、私がふったあの人も、
きっとどこかでまた誰かに出会って恋をしたんだろうなぁ。

最後の2つのお話のまとめ方はうまいけど、角田さんにしては小粒の作品でした。
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# 森に眠る魚
評価:
角田 光代
双葉社
---
(2008-12)
コメント:女性ならではの心理・・・怖かった(>_<)

JUGEMテーマ:小説全般
● 森に眠る魚 / 角田光代
● 双葉社
● 1575円
● 評価 ☆☆☆☆
東京の文教地区の町で出会った5人の母親。
育児を通してしだいに心を許しあうが、いつしかその関係性は変容していた。
あの人とあの人の子供だけには負けたくない。
どうして私に隠し事するの?仲間外れにするの?
心の声は幾重にもせめぎ合い、日々は亀裂へと追い詰められていく。




(感想)
 
私には子供がいないし、
そうでなくても高校受験まではお受験とはまったく無縁みたいな田舎に住んでいるので、 
こういうママ同士の争いは身近に感じたことはない。
けれど、同世代の子供を持つママという共通点で結びついていた5人の母親たちが、
嫉妬したり出し抜いたりを繰り返し、しだいにその仲に亀裂が生じてくるリアルさには脱帽しました。
いますよね、こういう奥さんたちって

孤独、焦燥感、嫉妬、猜疑心、コンプレックス・・・。
女性の友人関係の間で起こった感情だからこそ根も深い。
自分のことだけならそうでもないんだろうけど、
これが子供の将来にかかわってくる話なもんだから負の感情はヒートアップする。
でも、それでも一人になるのは絶対に嫌で、
つるまずにはいられないママ友の友情の恐怖
読んでいて気分のいいものだはなかったけど、
ドロドロとねじれた感情に飲み込まれて一気に読んでしまいました。
誰にでも、彼女たちのようになってしまう要素はありそうで怖いなぁ。

いま、まさに幼稚園ぐらいの子供を育てているお母さんにはインパクトが強すぎるかも。
男性はこれをどう読むのか気になるところです。
| comments(2) | trackbacks(1) | 10:16 | category:    角田光代 |
# 世界一の美女になるダイエット
評価:
エリカ アンギャル
幻冬舎
¥ 1,365
(2009-04)
コメント:ダイエットに対する考え方を根本的に変えてくれる本でした

JUGEMテーマ:ダイエット
● 世界一の美女になるダイエット / エリカ・アンギャル
● 幻冬舎
● 1365円
● 評価 ☆☆☆☆☆
何を食べるか?食べないか?
知花くらら、森理世を内側から美しくしたミス・ユニバース・ジャパン公式栄養コンサルタントが
はじめて明かす真実のダイエット法。


(感想)
著者のエリカさんはミス・ユニバース・ジャパン公式栄養コンサルタントで、
あの知花くららさんや森理世さんたちに栄養指導をした人。

美しくなるために、何を食べて何を食べないのか・・・つまり、賢く食べて美しくなる。
高いコスメに頼らずに、食べ物を味方につけ、
体の中から健康美人になることを教えてくれる本です。

「何を食べてはいけないのか」「どうしてそれを食べていけないのか」が
きちんと簡潔に説明されてあり、説得力がある。
ダメダメばかりじゃなく、「じゃあ、それの代わりにこれなら食べてもいいよ」と
逃げ道を与えてくれるからありがたい。
文章も大変読みやすく、ポイントが太字で書いてあるので、
そこだけ拾い読みするだけでも食に対する意識が変わりそう。

食べる量を減らせばいいとか、
ダイエットに良いと言われる1つの物を徹底的に食べるなんてダイエットは大間違い。
これまで良かれと思ってしてきたことが実は違ってたということも多く、すごーく勉強になります。

んー、でもいちばん説得力があったのは
おばあちゃんが知らない原料が入っているものは買わない」、コレッ

私、朝バナナなんかもやってはみたものの、
やっぱり考えてみるとひとつのものしか食べないなんてのは不健康に決まってる。
この本はダイエット法というよりは、本来あるべき食の在り方を教えてくれるんです。
つまりそれが健康的な体つくり → ダイエットにつながる、と。
大事なのは正しい食生活で痩せやすく、基本的な栄養素に満ちた体
痩せたい!痩せたい!と騒ぐのならば、
ます学ばなきゃいけなかったのはこういうことだったんだ
ダイエットに関する意識を根本的に覆された本でした

ガリガリに痩せるのは“美”ではない。
“痩せたい”じゃなく、“健康的な食事で、体の中から健康美人”を目指します
全部を実践するのは今の私には難しいけど、ますはできることからはじめてみよう。
| comments(0) | trackbacks(2) | 02:49 | category:    エリカ・アンギャル |
# 見えないドアと鶴の空
評価:
白石 一文
光文社
¥ 1,575
(2004-02-19)
コメント:拒絶反応を起こす人もいるだろうけど、「生」と向き合った深い作品です。

JUGEMテーマ:小説全般

● 見えないドアと鶴の空 / 白石一文
● 光文社
● 1575円
● 評価 ☆☆☆☆
主人公は二年前に勤めていた出版社を辞め、妻の代わりに家事をこなしながら日々を送る昂一。
妻の親友の由香里がシングルで子供を産み、
何かと世話を焼くうちに肉体関係を持ってしまい、それが妻の知るところに・・・・・。
三角関係がこじれていくうちに昂一は由香里が特殊な「力」を持っていることを知り、
常識では説明できない出来事の数々に巻き込まれていく。
その疑問を解くために昂一は妻と由香里が育った地へ向かうが・・・・。



(感想)
ホラーであり、恋愛小説であり、ドロドロの昼ドラ的要素もありのいろんな顔を持つ作品だけど、
大きなテーマは「生」です。
常識では考えられない特殊な力を描いているので、
その時点でもうアウトだと拒絶反応を起こす人もいるだろうけど、
強く訴えてくる箇所が多々あり、魂を鷲掴みにされたようにグッと読み応えのある作品でした。
深い、考えさせられる。
人の強い、強すぎる思いは常識なんて凌駕してしまうのかもしれない。
そういうことはこの世に確かに存在するのかもしれない。

あとがきで白石さんはこんなことを書いている。
“自分がいったい何のために生まれ、生きているのか、
 それを真剣に一緒に考えてくれるのが本当の小説だ”
 、と。
この作品に限らず、白石さんはいつもそれを深く追求する作品を書いている。
よしもとばななさんを読んでも感じることだけど、
白石さんも描いているテーマがどれを読んでも決してぶれてない作家。
生きている意味なんて簡単に見つかるものではないけれど、
白石さんの作品に触れながら、常にその疑問は持ち続けていたいなと思います。


それにしても・・・。
表紙のかわいい宇宙人みたいな絵の意味がわかりません
この作品とどう関係があるのか。

| comments(0) | trackbacks(0) | 10:51 | category:    白石一文 |
# 思い出探偵
評価:
鏑木 蓮
PHP研究所
¥ 1,890
(2009-02-14)
コメント:真摯な真心があたたかい・・・思い出探偵。

JUGEMテーマ:小説全般
● 思い出探偵 / 鏑木蓮
● PHP出版社
● 1890円
● 評価 ☆☆☆☆☆
ここは「思い出探偵社」。
実相浩二郎は一人息子を亡くしたのをきっかけにこの探偵社を開業した。
刑事だった浩二郎は事件にかまけ、
悲しみにくれた妻がアルコールに溺れていくのにまったく気づくことができなかった。
しかし、これからは妻と向き合い、寄り添って生きていくために警察を辞めたのだ。
探偵社のスタッフはそれぞれ人の痛みや夢に真摯に寄り添える人間ばかり。
もう一度会いたい人が、あなたにはいますか?
小さなガラス瓶、古いお守り袋、折り鶴……、
少ない手がかりの中から依頼主の思い出に寄り添うハートフルストーリー。



(感想)

まったく知らない作家さんだったけど、
たまたま図書館で見つけてあらすじを調べてみたら面白そうだったので

誰にかにとってのかけがえのない思い出。
それにかかわる「もの」「ひと」、そして「こと」を探す手伝いをする思い出探偵。

思い出は時として心の支えになることもあれば、
その人のすべてを壊してしまうもろ刃の剣になることもある。
でも、その思い出がどちらに転がるにしても、その人の生きた証に違いない。
調査していくうちに、その思い出が依頼者の思っていたような美しいものじゃないとわかる場合もある。
それでも、この探偵社の面々は誠実に対応し、決してきれいごとで済ませない。
その真面目さはそれぞれに何かを秘めている真心のあるスタッフだからできること。
他人の思い出にかかわりながら踏み込むこともなく、
探偵社の人々が思い出と依頼者に対する距離の取り方に思いやりを感じました。

ハートフルにまとめた前半は雰囲気がとても素敵で、
中盤になるとちょっと緊迫感のある事件が起こります。
その突然の展開の仕方についていけない感はあったけど、
ある登場人物を成長させるには必要不可欠なエピソードだし、しょうがないのかな。

結末をキチンと描かずに、読者の想像にまかせるあたりで余韻を残してくれる。
これは著者の思いやり?この気配りもいいなぁ。

☆は4つにしようか迷ったけど、今後への期待も込めて5つ
第二章の「鶴を折る女」の美しいラストには思わず涙
思いがけず素敵な作品に出会っちゃいました
| comments(0) | trackbacks(0) | 11:49 | category: 作家名 か行 |
# 夕映え天使
評価:
浅田 次郎
新潮社
¥ 1,470
(2008-12)
コメント:「終わり」と「旅立ち」のグッとくる短編集

JUGEMテーマ:小説全般
● 夕映え天使 / 浅田次郎
● 新潮社
● 1470円
● 評価 ☆☆☆☆
さびれた商店街で父と息子が営む小さな中華料理店
ある日、「住み込みで働かせてください」と飛び込んできた天使のような女・純子は
線香花火のように儚い思い出を俺たちに残し、突然消えてしまった。
特別な一日の普通の出来事、日常の生活に起こる特別な事件を綴るグッとくる短編集。
 


(感想)
浅田さんお得意の、熱いもののこみ上げてくる短編集。
私の方でも読む前から「泣くぞー」「感動するぞー」みたいな心持ちで挑みました(笑)

全6編。どれも終わりや旅立ちをテーマにしています。
人の心に訴えてくるようなものがあり、静かな感動がありました。
どんな人にも、普通の日々の中にも、特別に大切にしたいものってある。
他人からみれば些細な出来事であっても、その人にとってはかけがえのない一瞬ってあるよなぁとしみじみ。
こういうことを大事に感じれるような感性を持っている人間でありたい。

浅田さんらしくなくて意外だったのが「特別な日」。
定年を迎えたサラリーマンのお話かと思いきや・・・・意外な展開。
浅田さんらしくないカラクリだけど、物事の終わりを迎える静けさが妙に沁みる

短編はもともと好きじゃないけど、浅田さんは短編で読みたい作家です。
しっかりと文章として書かれていない部分に、
ほんとうの感動の詰まっている作品だと思います。
| comments(0) | trackbacks(0) | 12:28 | category:    浅田次郎 |
# ガリレオの苦悩
評価:
東野 圭吾
文藝春秋
¥ 1,600
(2008-10-23)
コメント:短編なのでテンポよく読めます

JUGEMテーマ:ミステリ
● ガリレオの苦悩 / 東野圭吾
● 文藝春秋
● 1600円
● 評価 ☆☆☆☆
「悪魔の手」と名乗る者から、警察と湯川に挑戦状が届く。
事故に見せかけて殺人を犯しているという犯人が、そこまで湯川にこだわるのはどうしてなのか??
天才科学者・湯川が立ち向かう 人気シリーズ。



(感想)

「聖女の救済」と同時に発売された湯川先生のガリレオシリーズです。
こっちが短編集で「聖女の救済」が長編。
短編はテンポが良く読みやすいせいか、こちらの方が評判がいいみたいだけど
私はもともと短編嫌いだからか「聖女の救済」の方が好きでした。
短編ってすぐに終わっちゃうからのめりこむスキがないんですよね。
今作にしても、どの事件も簡単に解決してしまって読み応えに欠ける
長編の方が後まで記憶に残るし。
面白いことに間違いはないけど、こればかりは個人の好みなんだろうなぁ。

人間嫌いの湯川先生の人間らしい一面も垣間見られる2章「操縦る」がいちばん良かった。
タイトルの「ガリレオの苦悩」はここからきてるんだな。
科学者同士の頭脳戦も緊迫感があってゾクゾク面白いけど、
私は科学的なトリックの面白さよりも、人の心に訴えてくるような切ない事件の方が好きかも。
だからなのか「容疑者xの献身」も大好きなんです。

ドラマ版で柴咲コウさんが演じた内海刑事はこの作品から登場します。
小説の内海さんはドラマの内海さんのようにちょっと抜けてるようなかわいい感じはあまりしないような(笑)

それにしても湯川先生も内海刑事も草薙刑事も、もうドラマのキャストのイメージでしか読めない
映像の力ってすごいわー。
| comments(0) | trackbacks(2) | 11:44 | category:    東野圭吾 |
# 酒にまじわれば
評価:
なぎら 健壱
文藝春秋
¥ 1,450
(2008-07)
コメント:粋な酒飲み本☆

JUGEMテーマ:エッセイ
● 酒にまじわれば / なぎら健壱
● 文藝春秋
● 1450円
● 評価 ☆☆☆☆☆
酒には数々の味わいと様々な酔い心地がある。
グラスの中に世界があり、ジョッキの中に楽園があり、お猪口の中に人生を見つめる。
多彩な才能を発揮する、異色のシンガー・なぎら健壱の酒食エッセイの最高傑作。


(感想)

お酒にまつわる2〜5ページくらいの短いエッセイが詰まっています。
なぎら健壱さんは絶対に粋なお酒の飲み方をしてる人でしょう
だからこの本、面白くないはずはないと思って飛びついたのでした。
こういう本に目をつける自分が好きさ

お酒の席って酔っ払っちゃっているせいか、
信じられないような出来事に遭遇することも多いけど、
なぎら健壱くらいの酒飲みのプロになるとそんなエピソードのすごさもハンパじゃない。
思わず吹き出すようなエピソードもあるし、
「人っていいなぁ」とホロリと来るようなものもあり。
物事をよく観察している人だから、面白いものを見つけるアンテナの感度がいい
だからこの本は面白い
きっとお酒やおつまみの味だけじゃなくて、
店の雰囲気やそこで起こった出来事や会話の内容まで
すべてを含めて「飲む」ことを楽しんでいる人なんだと思う。
こういう人に愛される酒場こそがほんとうにいいお店と言えるんじゃないかなぁ。

驚いたのはね、なぎらさんって大衆的な居酒屋でホッピーでも飲んでそうなイメージでしょ?
でもそういうのだけじゃなく、ウイスキーもワインもなんでもいけちゃうみたいなんだな。
そういうところがほんとにお酒がすきなんだなーと感じて逆に良かった

この本の中によく出てくる「すがれた」という言葉、私は意味を知らなかった。
すぐに辞書で調べたけど載ってなくて、ネットで調べてみると
盛りがすぎて衰えはじめる」って意味らしい。
あー、なんか味のある言葉だわ。なぎらさんらしいわ。
この言葉、なんか気にいったから私も使わせてもらおう

すっごい面白かったー。
私もこんな粋でかっこいい酒飲みができるようになりたいわ。
| comments(0) | trackbacks(0) | 12:48 | category: 作家名 な行 |
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