# やってられない月曜日
2008.04.30 Wednesday
やってられない月曜日
柴田 よしき
●やってられない月曜日/柴田よしき
●新潮社
●1470円
●評価 ☆☆☆☆
高遠寧々、28歳。
歌手か女優?あるいは少女漫画の主人公みたいな名前だけど、
平凡な(ちょっと変わった趣味はあるけど)OLです。
大手出版社に勤めてはいるけれどコネ入社。
それにコンプレックスを抱き、彼氏もいないけど
気の合う同僚はいるし、まぁまぁお気楽な一人暮らしを満喫中
けど、そんな平凡な日々にも、いろんな事件は潜んでて――。
「あるあるある」って思わず呟いちゃう、
本音満載のワーキングガール・ストーリー。
(感想)
軽く読めるのが良かった◎
柴田よしきさんのこういうテイストって大好きです。
小説の主人公としていかにも作られた感がプンプンする
主人公じゃないのがいい。
大手出版社に勤めるOLなんていっても、
みんながみんな仕事にやりがいを感じてて、常に充実した恋愛ができてるわけじゃない。
そこそこのお給料で、現実に不満を抱きながらもまあまあ妥協して生きてる。
毎日にドラマなんてない。
そこにリアリティを感じ、共感できました。
でも、何もないようにみえる平凡な日々の中にも
ちょっとした事件はある。
そういう小さな出来事を積み重ねながら、
仕事や会社や仲間のいい面を見つけて、少しずつ変わっていく寧々。
劇的な出来事なんてなくっても、人は成長していくもの・・・。
そのさりげなさが、寧々だけでなく
平凡な私たち読者にも可能性を感じさせてくれるんです。
コネ入社であることのコンプレックス。
容姿も良くなく、彼氏もいない。
自分にないものってはっきり自覚しがちだけど、
持っているものって自分ではなかなか気づけないもの。
寧々だって気づいてなかっただけで、いい友人や相談相手に恵まれていた。
一生をかけて楽しめる生きがいも持っていた。
これからは「自分が持っていないもの」ではなく
「持っているもの」を数えてみよう。
持っているものの数は同じでも、
その方が毎日がきっと輝いてみえるよね
週末、月曜日のことを思うと憂鬱・・・。
「やってられない」でも「やらなきゃならない」。
主人公と一緒に私もガンバローと、ちょっと元気を与えてくれる本でした。
●この本が好きな人におすすめなのは・・・
月曜日の水玉模様/加納朋子
朝顔はまだ咲かない―小夏と秋の絵日記/柴田よしき
ワーキングガールズ・ウォーズ/柴田よしき