# 真夜中の五分前
2007.07.30 Monday
真夜中の五分前 side-A (1) (新潮文庫 ほ 18-1)
本多 孝好
真夜中の五分前 side-B (2) (新潮文庫 ほ 18-2)
本多 孝好
●真夜中の五分前 side-A side-B/本田孝好
●新潮文庫
●side-A 420円 side-B 380円
●評価 ☆☆☆☆
「時計は全部、5分遅らせることにしてるの」
そんな恋人が6年前に死んだ。
あの日から僕の時間はずっとズレたまま・・・。
そんな僕を動かしたのは、かすみとの出会い。
彼女の秘密の恋を打ち明けられたとき、
現実は思いもよらぬ方向へすすみはじめた。
偶然の出会いからはじまる新感覚恋愛小説
(感想)
文庫化待ってました
本田孝好さん、大好きだけどとても久しぶりに読みます
この感想はside-A、side-B二冊まとめてのものです。
主人公は6年前に事故で恋人を失っている。
彼女は少し遅れた時計を好んで使う女の子だった。
彼女を失ってからというもの、主人公の時間はどこかズレたまま・・・。
決して一冊にまとめられないほどの長編というわけでもないのに、
side-A、side-bと二冊に分けてあることがとても不思議だったのです。
でも読んでみて納得。
BはAから約2年ほど後を描いていますが、
主人公の周辺には大きな変化がいくつも見られ、
その変化を描く意味でも二冊に分けたことはとても効果的に感じます。
繊細で静やかな文体。
五分遅れている時計、一卵性双生児の双子・・・
現実なのにどこかにズレを感じる不思議な感覚
ミステリーっぽい方向へ進んでいくのかと思いきや、でもやっぱり恋愛小説?
side-Aのラストの主人公とかすみのやり取りはほんとにゾクゾクします。
2人に未来は・・・side-Aのラストは
2人に幸せな未来があってほしいと願わずにはいられないものでした。
side-Bを読み進めていくと、
サスペンスっぽい要素を感じつつも、
でもやっぱりこれは恋人の死による空白を埋められない主人公の心の物語なんだということがわかる。
水穂の死とまっすぐに向きあった後の主人公はすがすがしく、
途中は「恋愛小説」ということに首をかしげる展開ではあったものの、
水穂の存在と個性が大きく描かれていくにつれ、
これは恋愛小説だと言い切れるように感じました。素敵でした。
本多 孝好
真夜中の五分前 side-B (2) (新潮文庫 ほ 18-2)
本多 孝好
●真夜中の五分前 side-A side-B/本田孝好
●新潮文庫
●side-A 420円 side-B 380円
●評価 ☆☆☆☆
「時計は全部、5分遅らせることにしてるの」
そんな恋人が6年前に死んだ。
あの日から僕の時間はずっとズレたまま・・・。
そんな僕を動かしたのは、かすみとの出会い。
彼女の秘密の恋を打ち明けられたとき、
現実は思いもよらぬ方向へすすみはじめた。
偶然の出会いからはじまる新感覚恋愛小説
(感想)
文庫化待ってました
本田孝好さん、大好きだけどとても久しぶりに読みます
この感想はside-A、side-B二冊まとめてのものです。
主人公は6年前に事故で恋人を失っている。
彼女は少し遅れた時計を好んで使う女の子だった。
彼女を失ってからというもの、主人公の時間はどこかズレたまま・・・。
決して一冊にまとめられないほどの長編というわけでもないのに、
side-A、side-bと二冊に分けてあることがとても不思議だったのです。
でも読んでみて納得。
BはAから約2年ほど後を描いていますが、
主人公の周辺には大きな変化がいくつも見られ、
その変化を描く意味でも二冊に分けたことはとても効果的に感じます。
繊細で静やかな文体。
五分遅れている時計、一卵性双生児の双子・・・
現実なのにどこかにズレを感じる不思議な感覚
ミステリーっぽい方向へ進んでいくのかと思いきや、でもやっぱり恋愛小説?
side-Aのラストの主人公とかすみのやり取りはほんとにゾクゾクします。
2人に未来は・・・side-Aのラストは
2人に幸せな未来があってほしいと願わずにはいられないものでした。
side-Bを読み進めていくと、
サスペンスっぽい要素を感じつつも、
でもやっぱりこれは恋人の死による空白を埋められない主人公の心の物語なんだということがわかる。
水穂の死とまっすぐに向きあった後の主人公はすがすがしく、
途中は「恋愛小説」ということに首をかしげる展開ではあったものの、
水穂の存在と個性が大きく描かれていくにつれ、
これは恋愛小説だと言い切れるように感じました。素敵でした。