隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# フィッシュストーリー
フィッシュストーリー
フィッシュストーリー
伊坂 幸太郎
フィッシュストーリー/伊坂幸太郎
新潮社
1470円
評価 ☆☆☆
あの作品に登場した魅力的な脇役達の日常は!?
人気の高い「あの人」が、今度は主役にぴかぴか
小気味よい会話と伏線の妙が冴える伊坂ワールドの饗宴。



(感想)
伊坂さんの作品にはキラリと光る個性を持った脇役が多い。
その中でも人気の高い「あの人」たちを主役にした短編集です。

・・・とはいっても私の場合、
だいぶ前に読んだ本のキャラクタ−ははっきり言って忘れてましたたらーっ汗
でもそんな薄情な私でも、むしろ伊坂作品をはじめて読む人でも楽しめるので
安心してくだされ猫2

「そう来るかっ!?」とニヤリとしちゃうような結末があるのがこの人の作品の魅力だけど、
今回は特に「ポテチ」のあたたかい結末が良かったー。
泥棒の話が家族の物語になってくるとは・・・どんっ
この本ではこれが一番好きだなー。

山奥の村に残る、生贄の儀式の真実を描いた「サクリファイス」の不気味さもいい。

あやしげな要素が時間壁掛時計すらも越えて、
パズルのように重なり合っていく気持ちのよさ・・・。
これが伊坂作品のかっこいいところですおはな
でもこれって、もしかしたら長編であればあるほど活きるものであり、
読後の爽快感も増すのかもしれない。
今回の短編を読んで、そんなことにもはじめて気づいたのでありました。

でも・・こういう番外編的なものもいいけど、
できれば長編で読みたい作家ですね・・・。



●この本が好きな人におすすめなのは・・・
伊坂幸太郎全作品!
(とにかく「フィッシュストーリー」には過去の伊坂作品に登場した人物が
 いろんな作品から出ています。過去作読んで探してみてください猫2
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# 千年樹
千年樹
千年樹
荻原 浩
千年樹/荻原浩
集英社
1680円
評価 ☆☆☆☆
この木の樹齢は推定千年。
くすの木としては県内随一の樹齢と大きさで、
めぼしい名物も名産もないこの市では、以前からこの木を
地域のシンボルにしようという動きが続けられている。
千年という長い時間を生き続ける一本の巨樹がみつめた
人間達の生と死のドラマを時代を超えて交錯する長編。



(感想)
樹齢およそ千年の巨木の萌芽から伐採までの長い時間・・・。
千年の間に木が見つめてきた人間ドラマを描きます。

その木の前で切腹した者もいる。
同級生のいじめに悩んだ者もいる。
戦争の炎に巻き込まれ、命を失った者もいる。
愛する人を待ち続けた者もいる。

各章が時代を超え絶妙に絡み合います。
しかし、どの時代であっても大切な人との別れであったり、
好きな人を思う気持ちであるような人間の最も基本的な心に大きな変わりはない。

それにしても千年って・・・・
自然の偉大さを感じずにはいられません。
木はこの千年で人間の様々な姿を見て、何を感じたのだろう。
千年という長い時間に思いをはせて、
気の遠くなるような歴史の深さを感じずにはいられませんでした。
普通の人たちの人生の断片を切り取りながらも
とてつもなくスケールの大きな作品でした。
| comments(2) | trackbacks(0) | 10:29 | category:    荻原浩 |
# シールド(盾)
シールド(盾)
シールド(盾)
村上 龍
シールド(盾)/村上龍
幻冬舎
1575円
評価 ☆☆☆☆☆
仲良しだったコジマとキジマ、愛犬犬と共に野原を駆けめぐった少年の日々。
やがて二人は別の道を歩むようになるが、決して忘れない言葉があった。
それは幼いころ、森に住む老人に聞いた「盾、シールドが必要だ」という謎の言葉・・。
それが意味するものとは・・・。
自分で自分を守るしかないのか、それとも…??
不安と希望をあわせ持つすべての人に贈る、心温まる物語。




(感想)
笑顔を忘れず、両親の言うこともよく聞き、誰とでも仲良くできるコジマ。
しかし高校に進学し、自分の限界を知ったことで彼の自信と明るさは消えていく。

一方、いつも険しい目つきをして気難しいキジマ。
彼は高校でボクシングを始めたことで鍛えられ、性格まで明るくなっていく。

そんな二人の人生を追いながら、
読書は自らが生きる意味をも考えていく。
150ページ程度の大判、大人のための絵本ような本です。

一度の失敗でこりて、もう二度と挑戦しないのと、
何度も何度も失敗を続けて「無理だ」と気づくのはどちらが頭がいいのか・・・?

これには明確は答えなどなく、むしろこんなことに意味すらもない。

人にはそれぞれの資質があり、
何が正しいのかはそれぞれが生きていく道筋で判断していくこと。
その時は正しいと思っていたことも、
あとになればとんでもない間違いだったことに気づくこともある。
だからといってその間違った選択は
ただ無意味なことだったわけじゃないと後々になって気付ける場合だってある。
だからこそ人生は面白く、登ったり下ったりを繰り返しながらも続く。

大人になってわかった「シールドの秘密」。
二人の答えは違っていたけれど、どちらもはずれではない。
それこそが個性なのだ。
胸をはって、自分の答えを信じていけばいいんだぴかぴか

生きている意味(シールド)を見つけられるってとても幸せなことニコニコ
多くの人はその存在を考えることなく生涯を終えてしまうのかもしれない。

子供のうちにこの本を読めば最高だけど今からでも決して遅くない。
どのように、何のために生きるべきかを嫌でも考えさせられます。
体中にあたたかい力が込み上げてくるような本でしたウィンク
| comments(0) | trackbacks(0) | 10:29 | category:    村上龍 |
# シンデレラ・ティース
シンデレラ・ティース
シンデレラ・ティース
坂木 司
シンデレラ・ティース/坂木司
光文社
1575円
評価 ☆☆☆
小さい頃から歯医者が大嫌いだった。
なのに、どうして私が歯医者病院の受付のアルバイトをすることにっ!?
訪れる患者さんたちがそれぞれに抱えている、小さいけれど大切な秘密。
真実は歯と口キスマークが教えてくれる。
個性豊かなデンタルクリニックのスタッフと過ごした私のひと夏の物語。




(感想)
人間関係のトラブルの元凶は歯?口?

舞台は診察券をメンバーズカード、患者をお客様と呼ぶ
洗練され都会的なデンタルクリニック病院
しかしここで働いているのは一癖ある個性的な面々ばかりひやひや
主人公は小さい頃から歯医者が大嫌いなのに
歯医者の受付でアルバイトをすることになった女子大生です。

歯や口が招くトラブルという面白い角度からアプローチする作品。
軽く楽しめて、歯医者さんの患者の恐怖心へのケアが伝わります。
この本を読んで歯医者嫌いを克服できる人もいるかもねラッキー

ただし、変わり者で通っている技工士・四谷さんと
主人公との恋が進展していく過程はいま一つたらーっ
四谷さんは変わりもののはずなのに恋は当たり前の男女のように
スムーズに進んでいくのがつまらない!
四谷さんに限らず、せっかくの個性的な面々の個性が
うまく引き出されてないのには残念です。

坂木司さん。
はじめて読んだ作家だけれど、軽いユーモアはけっこう気に入った。
もう少し読んでみたいな。




●この本が好きな人におすすめなのは・・・
ホテルジューシー/坂木司
| comments(16) | trackbacks(0) | 10:17 | category:    坂木司 |
# クジラの彼
クジラの彼
クジラの彼
有川 浩
クジラの彼/有川浩
角川書店
1470円
評価 ☆☆☆☆☆
潜水艦もクジラも「沈む」んじゃなくて「潜る」・・・・。
人数あわせのために呼ばれた合コンで出会った彼は潜水艦乗りだった。
いつ出かけてしまうか、いつ帰ってくるのかわからない。
そんな彼とのレンアイには、いつも大きな海が横たわる。
自衛官の恋愛を描くベタ甘恋愛作品集ラブ



(感想)
自衛隊員の恋ラブをテーマに描く短編集。
有川浩さんの長編「海の底」「空の中」の登場人物たちの恋愛が
外伝のような形で収められているのもファンには嬉しい猫2
私は「海の底」に続き、今作が二作目の有川浩体験なのですが、
「海の底」の冬原がこんな恋愛をしてて、
夏木と望ちゃんのあれからを読めるなんて本当に得した気分でしたわーい

とにかくどの短編も思わずこちらが顔を赤らめてしまうほどの甘〜い甘〜い恋愛小説ラブラブ
でもねでもね、女はこういうのに弱いんですっ!
この本には女の憧れやら願望やらがぎっしり詰まってるんです!
キュンぴかぴかとしちゃって、何度も読み返しちゃった場面がいくつあったことか!
冬原と聡子ちゃんの出会いの日なんてほんとに素敵なのー。

ノリもいいし、文体の軽さも読みやすい。
自衛隊という男くさい世界とベタな恋愛を組み合わせたセンスも女性ならではなのでは!?
若い子にも、リアルな恋に飢えてるかつての恋する乙女にもおすすめですウィンク
(でも男性はひいちゃうでしょうかあせあせ

そういえば「海の底」の面白さも恋愛の部分にあったな〜。
この人の描く恋愛、大好きです☆

「海猿」を観て「加藤あい、かわいそー」と思った女子は読むべし!



●この本が好きな人におすすめなのは・・・
海の底/有川浩
| comments(18) | trackbacks(0) | 10:57 | category:    有川浩 |
# 赤い指
赤い指
赤い指
東野 圭吾
赤い指/東野圭吾
講談社
1575円
評価 ☆☆☆☆
ある夕方、妻から「急いで帰宅いてほしい」との電話を受け、
前原昭夫は家路へと急いだ。
そして帰宅した自宅の庭先で彼が見たものは・・・見たこともない少女の死体。
しかもその子を殺めたのは息子だという。
息子を守るため、両親が考えた嘘・・・
それは愚かで悲しくありながらも究極のシナリオだった・・・。
東野圭吾にしか書き得ない「家族」の物語。




(感想)
今の日本が抱えている老人介護問題や親子の絆に犯罪を織り込んだ作品。
やはり東野圭吾はただのミステリー作家じゃない。
ミステリーの中に「人間」を深く織り込んでいる。

少女を殺めた中学生の息子を守るために両親がやったこと・・・
それは私が「まさか、それだけはやめてよね」と思っていたまさにその手段で、
心が張り裂けそうにつらかった。
そんな両親にも親がいる。
そしてその親も親としての責任を、ある方法で果たす。

親が子を守ることは親としての役割ではあるけれど、
どんな手段で親としての役割を果たすのか。

直巳と昭夫・八重子。

昭夫・春美と政恵。

それに加賀刑事の親子関係をからませることによって深みはさらに増す。

八重子は母の弱さと甘さ、政恵は母の強さとけじめを見せる。
それぞれの親子の思い・・・
もし私ならどうするのか考えさせられる作品。
ミステリーとしてよりは人間ドラマとして楽しんでほしい本です。
| comments(2) | trackbacks(0) | 10:47 | category:    東野圭吾 |
# 小学五年生
小学五年生
小学五年生
重松 清
小学五年生/重松清
1470円
文藝春秋
評価 ☆☆☆☆
心に何かを抱えながらも健気に生きる小学5年生の男の子たち。
5年生って意外とおとなで、でもやっぱり子ども。
人生で大事なものは、みんなこの季節にあった…。
笑顔と涙の少年物語、全17編。



(感想)
17編の短編の主人公はすべて「小学5年生の男の子男」。
急に女子を意識しはじめる男の子。
家族の死に直面する男の子。
転校で友達と離れ離れになってしまった男の子・・・。
それぞれが自分のこれまでの経験値ではいっぱいっぱいの思いを抱え、
経験を重ねながら成長していく姿を描きます。

そういえば、小学5年生くらいの時期って、
体の面でも心の面でも
子供から大人への変化が最もよくあらわれる年頃なのしれません。
この年頃の女の子は体が一気に大人の女性口紅へと変わりつつあり、
それと並行して態度やしぐさも女っぽくなり、まさに男女の差が大きく出る時期です。
(あと一年もすれば男子は声変わりがはじまり、さほどの差はなくなるのだけれど)
恋をすることや体の変化が当たり前のことではなく、
とっても恥ずかしいことに思えるこの頃・・・
こんな時期って人生の中のほんの一瞬にすぎないのに、
ここに焦点を当てるなんてさすが重松さんっニコニコ

重松さんでなければ
こんな温かいまなざしで少年たちを見つめることはできないでしょう。
懐かしさと、かけがえのない時間のまぶしさが愛おしい作品ですぴかぴか





余談だけど、重松さんってどんな子育てをしているのか
すんごく興味ありませんか?
| comments(0) | trackbacks(0) | 02:38 | category:    重松清 |
# ガンジス河でバタフライ
ガンジス河でバタフライ
ガンジス河でバタフライ
たかの てるこ
ガンジス河でバタフライ/たかのてるこ
幻冬舎文庫
680円
評価 ☆☆☆☆☆
20歳にして、長年夢見ていたひとり旅に出たてるこ。
極端な小心者だからこそ、五感をフルに稼働させて現地の人と仲良くなっていく。
そしてインドではあの聖なる河・ガンジスを泳いで水泳しまったびっくり
ハチャメチャな行動力と瑞々しい感性が大反響を呼んだ爆笑紀行エッセイ!!




(感想)
表紙はタイトルそのまま、ガンジス河でバタフライをする著者の写真汗
表紙からしてぶっ飛んでる!びっくり
サイコーにハチャメチャな旅エッセイですグッド

小心者のてるこを旅立たせたきっかけは「母の変化」。
突然、腹話術師デビューした母の生き方に背中を押されるような形で
てるこははじめてのひとり旅に旅立ちます飛行機

同じく小心者の私はまずは旅立てた勇気に感動ぴかぴか
旅立ってしまえばもうこっちのもので、
「一番Tシャツ」でどんどん現地の人たちに溶け込んでいくてるこ。
安全で楽な道だけでなく、自ら苦難の道を選んでいく度胸もかっこいいぜてるこ!
しかもこんなムチャな旅をしてるのに危険な目にあってないのがスゴイ。
そういう意味でも、いい人との出会いが多いことでも、
彼女はとてもラッキーな旅人だと思います。

インドではカースト制の厳しい身分制度を間のあたりにします。
普段気さくで優しい人達が、
身分の低い人に対してはまるっきり別人のような非情な態度をとる。
インドには目を覆いたくなるような現実があまりにも多いのに、
一方では神の存在を強く信じている国でもある。
彼らは神の何を敬い、信じてるのか・・・。
てるこが深く悩んだように、私にも考えさせられるものがあったな。
彼らにとっての神ってなんなんだろう・・・。

言葉は通じなくても、
ジェスチャーとハイテンションって万国共通なんですね〜。
私もものっすごい小心者なので、もちろん一人で旅をした経験なんてありません。
でもこの本を読んでちょっと憧れが・・・。
いつか私も旅立てるかなぁ〜??




●この本が好きな人におすすめなのは・・・
忘れないよ!ヴェトナム /田口ランディ
| comments(2) | trackbacks(0) | 11:46 | category: 作家名 た行 |
# 小学生日記
小学生日記
小学生日記
hanae*
小学生日記/華恵
角川文庫
460円
評価 ☆☆☆
授業中に先生に指されても、
ニコニコするばかりで決して答えようとしない女の子・エリカちゃんとの
出会いと別れを描いた「ポテトサラダにさよなら」
(第52回 全国小・中学校作文コンクール 文部科学大臣賞受賞作品王冠2)。
日本での新生活にとまどう兄を描く「モトイと日本語」
(第51回 全国小・中学校作文コンクール東京都審査 読売新聞社賞受賞作品王冠2)。
みずみずしい表現力で学校学校や塾、家族との出来事・・・。
小学生の天才作家と各紙誌で絶賛された華恵の奇跡のデビュー作ぴかぴか



(感想)
華恵ちゃんは1991年、アメリカ生まれの女の子。
6歳で帰国し、10歳からモデルとして活躍、
女優やCMなどに活動の幅を広げながら、
大きな作文コンクール鉛筆2で入賞を果たし本作で作家デビューしました。

華恵ちゃんは素晴らしい才能を持っている。
解説で重松清さんが
小学生には書けないけど、小学生にしか書けない」と仰っているけどまさにそのとおり。
表現力、出だしや締め方のスマートさ・・・ほんとに小学生!?
子供らしさと大人顔負けのテクニックの共存する不思議な本読書なんです。

彼女は日本に帰国し、
学校・塾・受験と現代の普通の小学生らしい生活をしながらもモデル活動も頑張っている。
アメリカにとどまった兄とは離れて暮らしていながらも仲は良好で、
普通の子供以上に様々な経験をし、いろんな世界を見てきた女の子。
この感性と才能は彼女の経験から培われたものなのかもしれませんねニコニコ
たまにドキっとするほど大人っぽい視点で物事を見つめてるのも経験からくるものでしょう。

フリーマーケットできれいなコートを見つけ、
彼女は「この青は、私の色だ」と思ったという。
「この色は私の色」・・・こんな感覚、大人でもなかなか持ってないものですよ。

あとがきで中学生になった華恵ちゃんが小学生の自分を振り返っていますが、
これにも成長を感じられます。
| comments(0) | trackbacks(0) | 11:43 | category: 作家名 は行 |
# 底辺女子高生
底辺女子高生
底辺女子高生
豊島 ミホ
底辺女子校生/豊島ミホ
幻冬舎文庫
520円
評価 ☆☆☆☆☆
「本当のワタシ」なんて探してもいない。
ここにいるこのワタシこそが本当のワタシ。
でもそれを認めたくなくて、もがいている日々こそが「青春」なのかもしれない。
秋田の田舎の高校学校
底辺」な高校生活をおくった著者のホロ苦青春エッセイ。



(感想)
豊島さんと同じく、私も田舎で地味な高校生活を送った人間です。
正直、底辺ではなかったと自分では信じてますが、
彼女が抱えている不安や自身のなさ、そしてなんの根拠のない自信・・・
わかりすぎるほどわかりましたグッド
「この本を書いたのは私か!?」ってくらいに共感ニコニコ
絶対、良いお友達になれるような気すらしました。

盛り下がりまくりな学園祭の章を読んだときなんて、
自分のイタい学祭の苦い思い出を思い出しシュンとしちゃいましたよポロリ
豊島さんたちのクラスは
単に缶をつむだけの「缶つみ」というゲームをやったようだけど、
私たちのクラスはレンタル店からビデオカチンコを借りてきて上映するだけという
まったく工夫も協力も青春の輝かしい汗も何もない「ビデオ上映会」という企画をやり、
その無気力ぶりを担任から激怒された記憶があります汗

スキー授業スキーの憂鬱、派手系クラスメート口紅との確執、
制服改造の有無・・・あぁ、わかるわかるたらーっ

でも、ほんとに底辺で地味な子は たとえ過去の話だとしても
自分のこのダサい青春を世にさらすことなんてきっとできない。
キングギドラ3人娘たちへ本の存在を知られることを恐れ、
ジメジメと後悔や恨みを自分の中に募らせるだけのはず。
なのにそれを恐れず、ここまで書いちゃった豊島ミホが私は好きだ!
これを出来た豊島ミホは決して「底辺」ではない!

高校生が誰も頼らず、家出を13日も続行できるなんて大物でしょ。
学校へ行かなくなったことに然り、
この人は世間が理解できる形ではなかったにしても
自分の主張はした人なんだと思いますよ、私は。

地味女子にも、地味男子にも青春はあった。
かつての地味高校生にぜひぜひ読んで笑ってほしい一冊でするんるん



●この本が好きな人におすすめなのは・・・
神田川デイズ/豊島ミホ
| comments(0) | trackbacks(0) | 11:32 | category:    豊島ミホ |
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