# フィッシュストーリー
2007.05.28 Monday
フィッシュストーリー
伊坂 幸太郎
●フィッシュストーリー/伊坂幸太郎
●新潮社
●1470円
●評価 ☆☆☆
あの作品に登場した魅力的な脇役達の日常は
人気の高い「あの人」が、今度は主役に
小気味よい会話と伏線の妙が冴える伊坂ワールドの饗宴。
(感想)
伊坂さんの作品にはキラリと光る個性を持った脇役が多い。
その中でも人気の高い「あの人」たちを主役にした短編集です。
・・・とはいっても私の場合、
だいぶ前に読んだ本のキャラクタ−ははっきり言って忘れてました
でもそんな薄情な私でも、むしろ伊坂作品をはじめて読む人でも楽しめるので
安心してくだされ
「そう来るかっ」とニヤリとしちゃうような結末があるのがこの人の作品の魅力だけど、
今回は特に「ポテチ」のあたたかい結末が良かったー。
泥棒の話が家族の物語になってくるとは・・・
この本ではこれが一番好きだなー。
山奥の村に残る、生贄の儀式の真実を描いた「サクリファイス」の不気味さもいい。
あやしげな要素が時間すらも越えて、
パズルのように重なり合っていく気持ちのよさ・・・。
これが伊坂作品のかっこいいところです
でもこれって、もしかしたら長編であればあるほど活きるものであり、
読後の爽快感も増すのかもしれない。
今回の短編を読んで、そんなことにもはじめて気づいたのでありました。
でも・・こういう番外編的なものもいいけど、
できれば長編で読みたい作家ですね・・・。
●この本が好きな人におすすめなのは・・・
伊坂幸太郎全作品
(とにかく「フィッシュストーリー」には過去の伊坂作品に登場した人物が
いろんな作品から出ています。過去作読んで探してみてください)