# スイートリトルライズ
2006.09.30 Saturday
スイートリトルライズ
江國 香織
●スイートリトルライズ/江國香織
●幻冬舎
●1470円
●評価 ☆☆☆
この日常に不満はない、と、瑠璃子は思う。
淋しさはたぶん人間の抱える根元的なもので、
夫のせいではないのだろう。
自分一人で対処するべきもので、
誰かに(たとえ夫でも)救ってもらえる類のものではないのだろう。
でもそれなら、
春夫といるときに淋しくないのは一体どういうわけだろう。
あんなにみちたりてしまうのは・・・。
(感想)
テディベアの甘すぎる装丁
これをかわいいと思う女性が多いのはわかります。
でも私にはこれは気持ち悪い。理解のできない感覚。
表紙だけでもう「ごちそうさま」で、
手にするのに躊躇してしまいました
要するにこの作品に出てくる夫が妻に感じていることって、
私がこの装丁に感じたようなものなのかな〜。
きっと二人は「夫婦」ではなく「家族」なのかもしれない。
不倫は家庭を壊すものではなく、
今の穏やかな生活をうまく続けていくための潤滑油。
案外、こんな関係に収まってしまっている夫婦って多いのかもしれない。
結婚している私としてはわかりたくもないし、
知りたくもなかった世界でした。
既婚者と独身の人は見方が大きく分かれる作品だと思います。
スイートリトルライズ = 甘く小さな嘘。
このタイトルはうまい
それにしても江国さんの作品はいつも適度な生活感があり、
居心地がいいですね
女性に人気があるのはこの辺なんでしょうね。