本屋さんのダイアナ / 柚木麻子(新潮社)
評価 ☆☆☆☆☆
「大穴(ダイアナ)」という名前、金色に染められたバサバサの髪。
自分の全てを否定していた孤独なダイアナに、
本の世界と彩子だけが光を与えてくれた。
正反対の二人だけど、私たちは一瞬で親友になった。そう、“腹心の友”に――。
自分を受け入れた時、初めて自分を好きになれる!
試練を越えて大人になる二人の少女。最強のダブルヒロイン小説。
こういうタイプの小説を私が嫌いなはずはなく・・・・ドンピシャでした。
「赤毛のアン」へのオマージュとも言える作品。
ご都合主義で予想の範囲内の展開でもいいのです。
私もダイアナや彩子のように本が大好きだから、つい2人に自分の姿を重ねてしまいました。
本でつながれる友達・・・1人もいないな。そんな意味では2人が羨ましいです。
育った家庭環境が違いすぎたけど、本という共通の趣味を持ち、仲良しだった2人。
しかし、ある日の小さな出来事が2人を10年も引き離すこととなります。
唯一無二の大親友だっただけに、素直に元に戻れないもどかしさ。
でも、ずーっとお互いの中でそれぞれの存在は大きくて、
会わなくなっても心の中では激しく意識しあう2人に胸がキューッとなりました。
彩子が大学にはいったあたりから、ちょっと物語の雰囲気が変化したように思えたけど、
殻を破って共学の大学へ入り、新しい世界へ踏み出したのだから・・・と考えると
まぁこれもアリかな?一応の納得はできるかな。
「赤毛のアン」「若草物語」「小公女」・・・・。
このあたりの少女小説に夢中になった人なら楽しめると思います。
中学生くらいの女の子にも読んでほしいですね。
ところで私も「アン」のシリーズはすべて読んだけど、
後半になるにつれてそんなにつまらなくなるんだっけ??
私はアンの次男のウォルターが大好きだし、そんな感想は持たなかったけど・・・・。
再読してみる必要がありそうですな。