# ハピネス
2014.03.03 Monday
JUGEMテーマ:小説全般
ハピネス / 桐野夏生(光文社)
評価 ☆☆☆
三十三歳の岩見有紗は結婚前からの憧れのタワマンに娘と2人で暮らす。
夫は海外へ単身赴任中。
おしゃれなママたちのグループにも入った。
でも、有紗には彼女たちに隠していることがいくつもあった。
そしてグループの1人からも有紗がのけぞるような衝撃の告白をされて……。
(感想)
桐野さんのわりにキレのない印象。ちょい残念。
とにかく主人公にまったく共感ができない。
彼女は夫に自分のとっても重要な過去を話さずに結婚し、
結婚後にそれがバレて夫婦仲がおかしくなっていくのだけど、
「私、あなたにそんなに酷いことをした?」とほざく神経が理解できない。
その過去というのはバレたら離婚もありえるくらいの大きな秘密なのに、よくもまぁそこまで居直れるはね・・・。
そんな人が最後は考えを改め、自立し、自分の力へ前へ進もうとしても、
私は全然応援する気持ちになれませんでした。
ここに出てくる主婦たちはどこにでもいる主婦たちだ。
自分を取り巻く小さな世界からはみ出すことのないように気を使って生きている。
でも、なまじ中途半端なセレブなので、妥協はしたくない。負け組には絶対になりたくない。
もっとドロドロした展開になるのかと思いきや、
期待したほどの桐野さんらしさは見られず、ファンとしては物足りません。
でも、もともとは「VERY」に連載されていた作品だということを知り、すべてが納得できました。
この雑誌の読者なら、おおいに共感する部分はあるでしょう。
とにかく私とは住む世界や価値観が違う人達のお話でした。