# 傷つく人、傷つける人
2013.11.28 Thursday
傷つく人、傷つける人 / 信田さよ子
評価 ☆☆☆
長年カウンセリングの現場に立つ著者が「傷つく」という言葉をキーワードに、
家族、友人、職場などの、さまざまな人間関係にひそむ問題とその対処法を探る。
私が求めていたのは、
他者による傷の明確な原因のわかるケースではなく、
自分や社会の現状に悩んで勝手に傷ついて苦しんでる人のケースに触れる本だったので、
この本の内容は求めていたものとはちょっと違っていたけれど、
うなづける点も多く、読んで良かったと思える本でした。
「傷つくこと」と「傷つけられたこと」の違い。
「傷ついた」と感じている人は自分が焦点になっているが、
「傷つけられた」と感じている人は他者への怒りを感じている。
この違いに愕然としたし、
最近の傾向として「傷つけたくない」と思う人が増えてきているというのにも納得。
どうやら私はこの「傷つけたくない」という傾向が強いのかもしれない。
だからいつも行動に出る前に悩んでしまう。で、結局何もできずに終わってしまう。
これが私の人間関係をめんどくさくしているのだとわかった。
「過去は水に流せない」。
だからといって、忘れられない自分はダメなのだとは考えてはいけない。
そうならないために大切なのは「誰かに聞いてもらう」こと。
批判されずに、黙って聞いてもらうこと。何回も何回も聞いてもらうこと。
誰かの力を借りて、何があったのかをきちんと自分の中で整理すること。
これをすることによって、経験が過去になっていく。
「よい人間関係を築く」
自分を否定しない友達をできるだけ多く作る。
コンパートメントをたくさん持つ。
ちょっと書きだしてみただけでも、得るものは多かった。
これを自分にどう当てはめて、変わっていけるかだと思う。