# 何者
2013.07.08 Monday
JUGEMテーマ:小説全般
何者 / 朝井リョウ(新潮社)
評価 ☆☆☆
「あんた、本当は私のこと笑ってるんでしょ」
就活の情報交換をきっかけに集まった、拓人、光太郎、瑞月、理香、隆良。
学生団体のリーダー、海外ボランティア、手作りの名刺……
就活大学生の自意識をリアルにあぶりだす、書下ろし長編小説。
今時の若者の就職活動を描いた作品。
登場人物も若いし、著者も若いせいかものっすごく軽く感じるけど、
こういうのこそがこの年代の人のリアルだよね。
ツイッターも上手に利用してて、
まさにこの著者が今この時にしか書けない小説であることは間違いない。
社会にも出てないのに、ちょっと留学したとかボランティアに励んだとか、
自分が持ってる数少ないカードを
さも特別な強いカードに見せかけようと必死に知恵と努力を駆使して
エントリーシートを詰めていく様は大人の私なんかから見たら痛々しくもあり滑稽。
協力しているフリをしながら肝心なことは絶対に話さない、
影では小馬鹿にして、いつでも裏切って出し抜いてやることだってできる。
この冷めた感じがとにかく生々しかった。
ほんと、客観的に見れば「あんたら何者なの?」って感じ。
だからこそ最後の最後に仕掛けられた爆弾が小気味よく感じられます!スッキリ!!
それにしてもこれで直木賞ってどうなんだろう。
これで直木賞とれるって一気に賞のレベルが落ちた気がするわ。