隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
<< July 2019 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
# スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | - | | category: - |
<< 神去なあなあ夜話 | main | 残月 >>
# 明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち
JUGEMテーマ:小説全般

 明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち  / 山田詠美(幻冬舎)

 評価 ☆☆☆☆



ひとつの家族となるべく、東京郊外の一軒家に移り住んだ二組の親子。
澄生と真澄の兄妹に創太が弟として加わり、さらにその後、千絵が生まれる。
それは、幸せな人生作りの、完璧な再出発かと思われた。
しかし、落雷とともに訪れた“ある死”をきっかけに、澄川家の姿は一変する・・・。


私も若いうちに兄弟を失った人間です。
だから誰かが死ぬと、必ず誰かの新しい人生が始まる・・・これは身にしみて知っている。
ある日、弟の話をしているときに母が
「私はおまえ(私)の気持ちもよくわかっている」と言ったことに対して猛烈な反発を覚えたことがあった。
澄生が亡くなった・・・この1つの出来事に対して、
この作品に登場する家族それぞれが違う思いを抱えているように
母には私が考えている本当のことなんか絶対に理解できるはずがない。
「母」というポジションと「姉」というポジションはまったく違うのだから。
同じ出来事を経験したとはいえ、とらえ方は人それぞれ。
それでいいのだ。それに何の問題があるというのだろう。
理解し、共有し合う必要もない。自分自身で消化していくしかない。
この作品はあの時の私の反発を思い出させる作品でもありました。

「かけがえのない人を失った事実」よりも、
「一生、その悲しみを抱えてメソメソ生きること」の方が絶対につらい。
こんな生き方は死んだ人にも申し訳が立たない。
家族が前に進まないと澄生は成仏しないよ。
だから最後のお誕生会の場面は胸にしみました。
この家族はきっとここから少しずつ変化してくれるだろう。
これを境にきっとみんな幸せになると思います。

澄生のどんな部分が特別な子だったのか、
それがちゃんと描かれていなくて曖昧な感じがまたうまいなぁ。
なのにこの存在感・・・ほとんど出てこないのに
間違いなくこの家族を支配するのは澄生。
だからこの作品の主人公も澄生になっちゃう。
ウチの弟もそう。早くに死んじゃった人ってこんな風になっちゃうんだよ。

人を賢くするのって、絶対に人生経験の数なんかじゃないと思う。
それは、他人ごとをいかに自分ごととして置き替えられるかどうかの能力に掛かっているのではないか
この一文にグッと来た。忘れられないセリフになりそうです。


 
| comments(0) | trackbacks(0) | 14:01 | category:    山田詠美 |
# スポンサーサイト
| - | - | 14:01 | category: - |
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://bird8823.jugem.jp/trackback/893
トラックバック
Categories
Archives
Profile
Comments
Trackback
Mobile
qrcode
にほんブログ村
にほんブログ村 本ブログへ にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
Search this site
Sponsored Links