# 逆回りのお散歩
2013.05.09 Thursday
JUGEMテーマ:小説全般
逆回りのお散歩 / 三崎亜記(集英社)
評価 ☆☆
「逆回りのお散歩」「戦争研修」の2本を収録。
どちらも大ヒット作「となり町戦争」の関連性を感じさせる作品です。
一言で言うと、「なんだかわからない作品」。
読んでいる間中、始終モヤモヤして答えが出ないままに終わってしまう。
話しを意図的に複雑化させてるような書き方をしているせいか、
阿部和重さんの「ABC戦争」を読んだ時のようなスッキリしないものが残ります。
盛りあがりもなく、正直に言うと退屈。
「逆回りのお散歩」で描かれているように、
今の時代ってネット等でいろんな情報が耳に入ってくる時代。
ネットで騒がれているという事実を知らなければ、
自分には関係もなく悪いとはも思わないようなことでも、
多数派(盛りあがっている、勢いのある)の意見にうまく乗せられて問題視してしまうことってよくある。
主人公が何を信じたらいいのだろう・・・と悩むのもわかる〜。
みんなと足並みをそろえてないとはじかれる時代でもあるし、
自分を持ち、保つって本当に難しい時代なんだと思う。
ここで描かれていることは複雑難解だけど、
これを自分の身の回りの問題に置き換えてシンプルに考えてみると、
三崎さんの言いたかったことがなんとなくわかる気がする。
主人公の最後の選択にすべてのメッセージが詰っていますね。