隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# 横道世之介
評価:
吉田 修一
毎日新聞社
¥ 1,680
(2009-09-16)
コメント:何気ない存在こそがかけがえのないもの・・・あなたにとっての「世之介」は誰ですか?

JUGEMテーマ:小説全般
 ● 横道世之介 / 吉田修一
 ● 毎日新聞社
 ● 1680円
 ● 評価 ☆☆☆☆☆
横道世之介。
限りなく埼玉な東京に住む上京したての18歳。
嫌みのない図々しさが人を呼び、呼ばれた人の頼みは断れないイエスマン。
どこにでもいそうだけど、でもサンバを踊るからなかなかいないかもしれない。
なんだか、妙にいい奴。
世之介が呼び覚ます、愛しい日々の、記憶のかけら。
名手・吉田修一が放つ、究極の青春小説!
 


(感想)

横道世之介は平凡な大学生でありながら、言葉にできない非凡な空気をまとっている人。
そんな世之介の大学1年の1年間の出来事を描いています。
途中にはこの1年間に彼と深くかかわった人たちが数十年後に大人になり、
今はどこで何をしているのかもわからない世之介を懐かしく回想する場面がうまく挟み込まれています。
本のタイトルは「横道世之介」だし、世之介の生活を描いてはいるんだけど、
全体を通してみると世之介とかかわった人たちの人生を振り返る物語のようにも思える。
世之介の人柄と同じく、なんとも不思議な小説でした。

なんだかわからないんだけど心がほっこり癒される
世之介は友人たちに特に何をしてくれるわけでもなく、人との付き合いは比較的浅いのだけど、
なぜか彼の周りには人が集まってきて、やがては去っていく。
地味で、いいかげんで、若さが感じられなくて、今でいう草食系?
おおよそ明るいスポットライトの下には立つことがなさそうな男の子だけど、
あなたのまわりにも世之介のような友達が一人くらいはいませんでしたか?
強烈な思い出を残したわけではない。
でも、青春の只中でほんの一瞬でも世之介と過ごせたことはきっと自分の人生にささやかな意味をもたらしてくれたような気がしてならない。
そう考えるとこれまでの人生で出会ったすべての人と、すべての時間にささやかだけど確実に意味があったのだと思えてくる。
こういう考え方をすると何気ない日々もかけがえのないものに思えてきて、
ハッとさせられました。

これまでの吉田修一作品とは違った雰囲気で、簡単には忘れられない味わいがありました。
世之介の人生の最後は彼らしくない非凡な最後だったけど、
作者が唯一、世之介に与えた「スポットライト」でもある。
でも、こんな最後も見方を変えればとても世之介らしく思えます。
ああ、世之介・・・やっぱり不思議な人・・・。
| comments(4) | trackbacks(1) | 11:07 | category:    吉田修一 |
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コメント
★時折さん★
世之介の魅力は言葉ではあらわせないけれど、
なんだか忘れがたい人・・・。
もしかしたら私達も誰かの人生にいつのまにか小さな影響をもたらしたこともあったのかもしれませんね。
| ともみ | 2010/11/25 11:15 AM |

TBさせていただきました。
>ああ、世之介・・・やっぱり不思議な人・・・。
はい、同感です。
ふと、宮沢賢治の「雨ニモマケズ」を思い浮かべました。
天然の利他性?
とにかく不思議で魅力的な作品でした。
| 時折 | 2010/11/25 8:18 AM |

★ユキさん★
世之介みたいなタイプの人がサンバを踊るとか、想像するだけで笑えますよね。
何をしてくれるわけでもないんだけど、そばにいると安心する存在なんだろうなぁ。
世之介の人柄同様、不思議な良さがある本でした。
| ともみ | 2010/11/25 8:18 AM |

この作品、私は声を出して笑いながら読んじゃいました。
登場人物の温かさが感じられそれがとても心地良く、
世之介の最後はあのようでも読後はホカホカした気持ちになりました。
世之介はやっぱり不思議な人です。

そして、「あんなやつもいたな〜」ってふっと思い出されて
人の心を温められる存在になれるって、すごく素敵な事だと思いました。

| ユキ | 2010/11/24 9:18 PM |

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横道世之介とは、やがて見出される特別な他者。 内容紹介 楽しい。涙があふれる。本年最高の傑作感動長編!「王様のブランチ」「朝日新聞」ほか多数メディアで激賞。 横道世之介。長崎の港町生まれ。その由来は『好色一代男』と思い切ってはみたものの、限りなく埼玉な
| 時折書房 | 2010/11/25 8:14 AM |
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