隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# 切羽へ

評価:
井上 荒野
新潮社
¥ 1,575
(2008-05)
コメント:何もないからこそ濃密な大人の恋愛小説
JUGEMテーマ:恋愛小説
●切羽へ/井上荒野
●新潮社
●1575円
●評価 ☆☆☆☆
静かな島で、夫と穏やかな日々を送るセイの前に、ある日、一人の男が現れる。
夫を愛していながら、急速にその男に惹かれてゆくセイ。
宿命の出会いに揺れる女と男を、緻密な筆に描ききった美しい切なさに満ちた恋愛小説。


(感想)
舞台は唯一の小学校には生徒が9人しかいないような小さな小さな島。
島へ入る手段は当然、船しかなく、島への出入りは誰にも隠せない。
そんな監視されるかのような狭い環境の中で生まれる恋・・・・。
こう考えるとと「島」ってエロチックだわ

井上荒野さんの作品は初めて読んだけど、不思議な文章を書く人だなぁ。
サラサラと読める読みやすい文章なのに、
お互いに触れることすらなく、ぎこちなく求め合う二人の緊張感が行間にまで溢れてる。
繊細で官能的。まさに大人の恋愛小説ですね。
こういうのが直木賞をとるとはねぇ

出会いは3月。
4月、5月、6月・・・と季節の移ろいと並行して高まる思い。
決定的な出来事は何もないのに、二人が惹かれあっていることには島の誰もが気づいてる。
相手の男性は決して素敵な男性ではないけど、
この島に本土から独身の男性が引っ越してくること自体が事件であり、スキャンダルのもと。
平凡な日常にある日突然異物が入ってくることで、女たちは日常どころか心までかき乱されてしまう。
思いは日に日に募るのに、何の行動も起こさない主人公とは逆に
同僚の月江は誰に隠すこともなく、堂々と不倫の恋に身を焦がす。
この対照的なコントラストも作品の激しさを増している。

タイトルにも使われている「切羽」という言葉は、
「トンネルを掘っているいちばん先の部分」という意味らしい。
つまり、トンネルが完成すればなくなってしまう部分。
精一杯の勇気を出しても切羽までしかたどり着けなかった二人・・・。
このもどかしさが余韻として残ります。
久しぶりに大人の味わいのある恋愛小説に出会ったなぁ。満足満足
| comments(0) | trackbacks(0) | 14:23 | category:    井上荒野 |
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