隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# 窓の魚
窓の魚
窓の魚
西 加奈子
JUGEMテーマ:小説全般

窓の魚/西加奈子
新潮社
1260円
評価 ☆☆☆
紅葉にはまだ早い深い緑の季節に2組のカップルが温泉へ向う。
でも、裸になっても笑いあっていても、決して交わらない想い。
恋人たちの一夜を美しく残酷に描く、西加奈子の新境地。



(感想)
これまでの西加奈子作品のイメージとは異なり、
しっとりと、ひっそりとしている。

アキオ・ナツ、トウヤマ・ハルナの二組のカップルが訪れたのは
古めかしいが、広く立派なある温泉宿。
この旅の中での4人の想いを4人それぞれ描いています。
一緒に来たというのに誰一人、心から楽しんでいる者はなく、
お互いのパートナーとさえ心はバラバラ、違う方向を見ている。
楽しいはずの時間なのに、孤独で秘密に満ちている。
誰かとつながりたい、でも自分を孤独にしている薄暗い部分がそれを許さない・・・。

翌日、宿で発覚した事件が微妙に絡まり、
はたして彼らはそれに関係しているのかどうか明確な答えがない分、
読者の想像を激しく刺激します。

読み進めるうちに意外な展開に・・・。
まさか、こういう方向に話が転がっていくとは思いませんでした。
少々、タイクツだし救いはないけど、
ユラユラと漂うような孤独と葛藤が妙に心地よい不思議な作品でした。
| comments(2) | trackbacks(0) | 10:16 | category:    西加奈子 |
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| - | - | 10:16 | category: - |
コメント
★ヤキソバさん★
西加奈子さんは特に好きなわけじゃないんだけど、
作品もこれまでの人生も含めて気になる方です。
この作品は西さんの新境地でしたね。
私は「きいろいゾウ」みたいなのをまた書いてほしいけど、
漂うようなこの作品の雰囲気も捨てがたいなぁ。

私は最近、忙しくて読書の方は進んでません。
いや、読書というよりは感想を書く方が進んでない?
すでに読了してる本は何冊かあるのだけど、感想を書く時間を取れずにどんどんたまってます。
そうなると書くのが余計にキツくなりますよね。
ああ、もうどうしよう・・・ってかんじです(/_;)
| ともみ | 2008/12/30 2:36 AM |

ともみさん、おおきにっ。

この作品は、著者のこれまでの作品とは、趣が異なりますね。
アマゾンレビューで、その事を真っ先に指摘されているのが、
ともみさんだったし、なるほどと思って、拝読しました。

この作品に関しては、他の方のレビューは、ピンときません。
ともみさんの「不思議な作品」というご感想に、注目したいです。

私は、この作品に、純文学的テイストさへ感じます。
これまでの著者の、ドタバタとした作品とは、大違いです。

高く評価したいし、今後とも、この傾向の作品にも、期待したいです。

私は、最近は、少々真面目な作品群に凝っています。
ユゴー著「レ・ミゼラブル」の読破には、時間がかかりましたが、
要約された少年少女版ではない、非要約版は、本当に面白かったです。

その他、トルストイ、ドストエフスキー、ディケンズ、オースティン、
などの長編を読んでいますが、ノーベル文学賞作家のジッドの作品が、
あまり紹介されていないのが寂しいです。

国内の作品は、海外のハイレベルのものに比べると、
少々見劣りする場合もありますが、西加奈子氏のこの作品は、
読み応え十分でした。
ただ、この作品は、こんなに良いのに、あまり売れていない?
というあたりが、残念ですが。
| ヤキソバ | 2008/12/28 1:15 AM |

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