隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
<< August 2019 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
# スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | - | | category: - |
<< 恋のトビラ | main | いつか陽のあたる場所で >>
# 私の男
私の男
私の男
桜庭 一樹
JUGEMテーマ:小説全般

私の男/桜庭一樹
文芸春秋
1550円
評価 ☆☆☆
震災孤児となった十歳の少女を25歳の若い男が引き取った。
空洞を抱え愛に飢えた親子には、善悪の境も北の水平線の彼方・・・。
暗い北の海から逃げてきた父と娘の過去を、
美しく力強い筆致で抉りだす著者の真骨頂。



(感想)
一言でいうと、ねっとりとした濃密な作品。

二人の愛情、執着は怖いほど・・・。
生きたいように生きたいのに、
それは人の道に外れていることだから、周りがそれを許さない。
だから二人はどんどんねじれ、深い深いところに落ちていく・・・。
お互いが唯一無二の存在。
でも、二人をつなぐものは単純に「親子愛」だとはいえない。
その限度をはっきり超えているし、だからと言って単純に男女の愛でもない。
「共有する秘密の重さ」?「共犯者の意識」?「孤独感」?
幼いころから欲しくても与えてもらえなかったものを与えあい、
補い合うようにも思えて痛々しさも感じる。
二人の深海のようなつながりに引きずり込まれそうでした。

物語は娘・花指輪の結婚式を明日に控えた夕方からはじまります。
章を追うごとに時間をさかのぼり、最後の章でやっと二人が出会う場面が描かれる。
このスタイルだと結末が分かった上で読んでいくわけだから、
すごーく不思議な感覚でした。
そもそも二人はある事件がきっかけで、北の地を逃げ出すことになるのだけど、
新しい土地でも、決して穏やかな日々を過ごすわけではない。
はじめから読者はそれを知ってる。
でも、ラストが希望を感じさせるように明るく描かれていて、
二人の未来が明るいものになるような変な錯覚を覚えてしまいます。

インパクトはあるんだけど、
私がこの作品を評価できないのは読者に優しくないから。
「描かれていないこと」の多さがもどかしい。
淳悟の「おかあさん」に秘められたもの、
都会に出てからの小町さんが北に住んでた頃とはまったくイメージの違う別人なこと、
この家族に不信感いっぱいなのに花と結婚する美郎は何を考えてるのかわからず、
それは花も然り・・・。
描かれていない部分で何があったのか非常に気になるひやひや
それが二人あやしさを引き立ててるのだろうけど、
読者としてはフラストレーションがたまるからダメ下向き




・・・ところで、主人公2人の名字「腐野」。
養子縁組の末にそうなったとはいえ「腐野 花」というすごい名前・・・。
実際にこんなすっごい名字の人はいるのかい!?と思い、
全国の名字を検索できるサイトPCで調べてみたら
一件もヒットしなかったたらーっ
著者が作品のために考えた名字なのでしょう。
だよね・・・この名字はひどい。
こんな名字だったら学校でいじめられるわあせあせ
| comments(0) | trackbacks(0) | 14:23 | category:    桜庭一樹 |
# スポンサーサイト
| - | - | 14:23 | category: - |
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://bird8823.jugem.jp/trackback/480
トラックバック
Selected Entry
Categories
Archives
Profile
Comments
Trackback
Mobile
qrcode
にほんブログ村
にほんブログ村 本ブログへ にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
Search this site
Sponsored Links