# 有頂天家族
2007.10.29 Monday

有頂天家族
森見 登美彦
●有頂天家族/森見登美彦
●幻冬舎
●1575円
●評価 ☆☆☆☆☆
我らの父は偉大なるその血を、律儀に4つに分けた。
長兄には責任感だけ、次兄は陽気な性格だけ、
三兄の私は阿呆ぶりだけ、末の弟は純真さだけ。
てんでバラバラの4人をつなぐのは母の海よりも深い愛と、
偉大なる父とのサヨナラ・・・。
父の死からすっかり落ちぶれた4兄弟・・・しかも彼らは狸

京都を舞台に、一族の誇りをかけた青春ファンタジー。
(感想)
面白かった〜

人間・天狗・狸が暮らす街・京都が舞台。
京都という地の持つ奥ゆかしく味わいのある風景が
この3つの種族が共存する不思議さと見事にマッチしています。
はじめは相変わらずのモリミー節のバカバカしさに
呆れつつも楽しく読んでいたのですが、
父の死の真相がわかるにつれて怒涛の展開に

いちいち驚きの声をあげ、
愛すべき毛玉たちに声援を送りながら熱い気持ちで読みました。
奥ゆかしさ・バカバカしさ・妖艶さ、この3つの絶妙なバランス感。
そして主人公がかわいい狸だっていう力の抜け具合。
バカバカしさをしっかり保ちながらも感動させてくれるから凄い。
登場人物の鮮やかな個性も魅力☆
4兄弟、悪の双子金閣・銀閣、赤玉先生、弁天、海星・・・みんな大好き

悪役すらも、そのおバカぶりを愛せてしまうのです

達磨・偽電気ブラン

他の作品にも出てくるアイテムが効果的に使われてるのもファンには嬉しい

モリミーファンのはしくれとして、
いつか私も偽電気ブランを飲んでみたいものです

巻末では第二部の始動が大きく予告されてあり、
今後も毛玉4兄弟の活躍から目が離せません。