隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# 失われた町
失われた町
失われた町
三崎 亜記
失われた町/三崎亜記
集英社
1680円
評価 ☆☆☆
およそ30年に一度、何の前触れも因果関係もなく
一つの町の住民が忽然と姿を消す。
人々にできることは消滅の飛び火を抑え、
次の消滅を遅らせるために消えた町の痕跡を消すこと。
それぞれの方法で消失によって受けた悲しみと戦う人々の物語。




(感想)
消失によって大切な人を失った人々は
その思い出を語りあったり、思い出の品を手元に残すことも許されない。
抑制することのできない自然な悲しみさえも制限されてしまう苦しみ・・・
これが読んでていちばんきつかった汗

現代の日本にほぼ近いようなところを舞台にした現代SFといえるけど、
思いをつなぐこと。
いつか失われるものだからこそ、今この瞬間に強く愛するということ。

本来のテーマはここ、人間の感情。
しかし美しいとは言い難い、
負の感情の持つ人間くささにはまったく触れてないので感情を描くわりに弱い。
さらに登場人物すべてが消失を従順に受け入れていることの不自然さが・・・。
ワケもわからないうちに、ひとつの町の住民が全員消えちゃうんだよ!?
残された人が誰も暴れたり、激しく抵抗したりしないなんてありえなくない!?
どうも著者の都合の良い部分しか書いてない印象なんだよなぁ[:ふぅ〜ん:]

エピソード5で桂子さんとマスターが居住地に行くくだりは
世界を広げすぎたかな、というかんじ。
ここだけ独立したお話になっているようで物語の柱が急に2本になっちゃう。
ただでさえ理解が困難な作品なんだから欲張ることなかったのにたらーっ

それ以外にも欠点がやたら目立つどんっ
「町が意思を持つ」という設定も苦しいし、構成もわかりにくい。
特殊用語が多いことで意欲を削がれ、読了できない人も多いと聞くし、
もっとスマートに作り込み過ぎない方が良かったように思う。

なぜ町が消滅してしまうのか・・・。
この原因を問うのは作品のテーマじゃないことはわかっているけど、
どうしてもギモンとして残ってしまうからなんとなく消化不良ひやひや

でも装丁の工夫は見事ぴかぴか
物語の内容をおおよそ掴みかけた頃に表紙のカバーをはずしてみてください。
「おおっ!」と感激できるはずです。

私、基本的にもっとシンプルな方法で訴えてくる作品の方が好きなんだなぁ・・・。
| comments(6) | trackbacks(1) | 09:42 | category:    三崎亜記 |
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コメント
★たかこさん★
けっこう凝った仕掛けがしてある装丁もあるから、
図書館の透明カバーってもどかしいことがありますよね。
前に図書館に勤めてる友達にカバーは取れないかと聞いたら、
あれは一度かけたらはがせないって言われちゃいました。

いやいやっ!!コメント、どんどんお願いします!!
みなさんTBだけでなかなかコメントまでいただけないなか、
たかこさんのコメントはとっても嬉しいんです。
ぜひともこれからもよろしく♪
| ともみ | 2010/02/11 4:02 PM |

ともみさん こんばんは。
装丁が気になります〜。図書館の本だったのでめくることはできず…、本屋さんでみかけたら見てみます。
で、私も居住地あたりは、なくても良かったのに…と思いました。ただでさえややこしい話なのに焦点がぼけちゃったような…。それだけが残念です。


あと、こんなところで申し訳ありませんが…。
⇒コメント欄をみたら私ばっかりで…。ちょっとは遠慮した方が良かったですかね…( ;^^)へ..
でも、最新4冊をとっても、ともみさんの読まれる本は私にとってどんぴしゃりです。これからも参考にさせていただきます m(_ _)m
| たかこ | 2010/02/09 7:10 PM |

★ヤキソバさん★
欠点を指摘しながらも
この作品を好きだと言えちゃうところにヤキソバさんの愛情を感じます。
レヴューを書く上で参考になりました(^_^)

ヤキソバさんのブログで「悪人」の感想を読んで、
読んでみたいと思ったんですよ。
「楽園」も買おうか迷うくらいに読みたいけど、
当分先になりそう(-_-;)
| ともみ | 2007/09/25 10:05 AM |

こんばんは。

最近、別の推理小説などを読んでいて、本書を読むのが遅れました。
特に「悪人、吉田修一著」「楽園、宮部みゆき著」は抜群に面白く、
早く先を読みたくて、夢中で読んでいるという具合です。

ところで、本書の欠点は、中途半端さに尽きるという気がしますね。
ともみさんのご感想の「消化不良」の文字が光ります。

この様なえげつない内容なのに、ソフトSFである事が良くないと思います。
こんな内容なら、ハードSFでいくと、より徹底出来ると思うのです。

丁度、先日発売された、小説宝石に、著者の短編が掲載されていますが、
これがなかなかハードで、面白いです。

それで、アマゾンに以下の様なレビューを送りました。
また、ご指摘の、本の装丁が面白いですね。

(ココカラ)

多彩な前提に戸惑うが

三十年に一度、町が消滅するが、それには、非常に多くのルールを従えている。
この架空の世界に入り込むのに、少々時間を要したが、それに対する説明も小出しに行われる。
ハードSFの様な前提とは異なり、著者が設けたルールが、煩雑でもある。

この世界に一度入り込むと、様々な人間模様が展開され、妙にしんみりとした部分も多くて、面白い。
ただ、徹底した空想世界の構築を描くのか、人間模様を描くのかの重点が定まらず、少々中途半端な印象だ。
しかし、著者の最近の作品では、その両方の描写が、さらに徹底かつ洗練されたものとなっている。

小説宝石2007年10月号に掲載された、著者の短編「遠距離恋愛」では、
浮遊都市に住む彼との距離は、上下に離れているのだが、人間模様を重視しつつ、さらにハード化している。
著者の作風の方向性は、現在のところ、ハードSFに向かっている。

この作品では、ハード性が不足している?印象は拭えないが、
家族や最愛の人を失った人々のやるせなさが描かれ、相応の読み応えがあった。

賛否両論はあるだろうが、私は本作品が好きだ。
今後のハードな長編作品にも期待する。

(ココマデ)
| ヤキソバ | 2007/09/25 12:35 AM |

★ヤキソバさん
お買い上げありがとうございま−す(笑)

体の方はいかがですか?
ようやく落ち着いて読書も再開されるようで
安心しました。
また本の話しましょうね(*^_^*)

この本、欠点も多くありましたが、
やっぱり三崎亜記さんの描く世界って斬新で面白い!
そういう点ではこの本、
「バスジャック」や「となり町戦争」より上かもしれませんね。
(私は「となり町戦争」の方が好きだけど・・・)
| ともみ | 2007/07/30 5:23 PM |

買いました

ともみさん、おおきにおおきにご苦労さん。

私はこの読書ブログを、有力な「本のカタログ」にしています。
小説雑誌と、当ブログと、アマゾンのオススメ本などを参考にして、
本を注文しています。

ただ、個人的事情(入院、仕事など)で、読書が一時滞っていました。
最近、重松清著「カシオペアの丘で」などから読書を再開し、
この本にも興味を持ち、アマゾンで注文すると、すぐに届きました。

ともみさんのご意見では、本書には長所と短所がある様です。
長所だらけの、一点の曇りも無い様な本は、あまり面白くありません。
例えば、東野圭吾などは、色々な意味で完璧に近いです。

今、当直勤務中なので、勤務が終わったら、集中して読みたいと思います。
読了したら、また感想のコメントを入れまっす。
| ヤキソバ | 2007/07/28 11:45 PM |

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失われた町 / 三崎亜記
うわ〜、またしても三崎ワールド。不思議な設定は読者の想像をはるかに超えている、と思う。でも、妙に現実的なところがあったりするからあなどれない。 ===== amazonより 30年に一度起こる町の「消滅」。忽然と「失われる」住民たち。喪失を抱えて「日常」を生き
| たかこの記憶領域 | 2010/02/09 6:55 PM |
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