隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# 夢を与える
夢を与える
夢を与える
綿矢 りさ
夢を与える/綿矢りさ
河出書房新社
1365円
評価 ☆☆☆
チャイルドモデルから芸能界へ。
幼い頃からテレビの中で生きてきた美しくすこやかな少女・夕子は
ある出来事をきっかけにタレントとして大ブレイクし、
一躍、トップアイドルへと踊り出る。
しかし成長する少女の心とからだには
一般の女の子として過ごしたいという欲求もあった・・・。
一人の女の子がスターとなり、転落するまでの軌跡。



(感想)
芥川賞王冠2を受賞し、
一夜にしてスターとなった自分自身を投影してるかのような作品でした。

同時期に注目された同年代の女性作家鉛筆2たちが、
自分の世界観を守りながらも次々と作品を発表している中、
綿矢りさの新作はなかなか世に出ませんでした。
そしてやっとやっと発売されたこの作品は、
驚くべきことにこれまでの2作とはまったく文体が違います。
そして作品のテーマも大きく違う!
自らの経験を交え、身を削るように書いたであろうこの作品は痛々しくもあり、
その一方で彼女の逞しさも感じられる意欲作です。

残念なのはかわいくてみんなに愛されるアイドルである主人公に
読者はきっと心ひかれないこと。
読者自身にも主人公のファンになり、
彼女の成功も成長も挫折もすべて共感したかったのに、
この主人公には(アイドルなのに)読者をひきつけるほどの魅力がないんですよー。
そのへんの甘さが惜しいひやひや

主人公は「みんなに夢を与えたい」と語りますが、
それは本心ではなく、タレントとしてのイメージを考慮した発言。
タレントが欲望のままに自分の人生を生きるとは、
多くのファンを裏切ることでもある。
スキャンダルでファンを裏切り、失った主人公は
取り返しがつかないところにきてやっと「夢を与える」という言葉の重みと真実を知る。
だからこそこのタイトルは重いです。

18歳の女の子に味わわせるにはあまりに残酷な展開で、
後味の悪い結末を用意したあたりには彼女の厳しい覚悟を感じました。
いいポジションに回ってくれそうなキャラクターも活かされてないし、
いくつかの欠点は隠せないけれど
ここまでの変化を見せてきた綿矢りさの挑戦には拍手を送りたい拍手拍手
綿矢りさはまだ未知数だ!!
次は何を見せてくれるのか・・・これからにも期待しています猫2



●この本が好きな人におすすめなのは・・・
グラビアの夜/林真理子
| comments(0) | trackbacks(0) | 11:57 | category:    綿矢りさ |
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