# ズッコケ中年三人組age41
2007.04.10 Tuesday

ズッコケ中年三人組age41
那須 正幹
●ズッコケ中年三人組age41/那須正幹
●ポプラ社
●1050円
●評価 ☆☆☆
ハチベエ、ハカセ、モーちゃんの3人組は今年で41歳。
ある日、花山第二小学校

今、テレビ

かつてのクラスメートの北里真智子であると知らされる。
そして、その真智子が講演会で久しぶりにこの町に戻ってくるというのだ。
子供の頃、国際的なスパイ組織に追われていた真智子を救った三人組の心は
あの頃と同様にふるえた・・・・。
(感想)
50作目で完結した大人気児童小説

中年になったという設定で書かれたのが、
2005年に出た「ズッコケ中年三人組」。
そのあとがきに“10年後には50歳になった三人組の話を書きたい”と書いたところ、
多くの読者から十年も待てない、という声があり、
それならいっそのこと、
毎年一歳ずつ年を取らせてシリーズ化しようということになったようです。
私の読書の原点は間違いなく「ズッコケ三人組」だし、
このシリーズによって本の面白さを知った人は多いと思う。
新たなズッコケシリーズの誕生は
懐かしくもあり、あの頃のドキドキが蘇る嬉しい出来事ではないでしょうか

三人の行動力と冒険を
ハラハラドキドキしながら読んだ私たちが大人になったように、
ハチベエ・ハカセ・モーちゃんの三人も大人になりました。
なんと今年で41歳

今回のお話は、かつてのクラスメートが真智子が人気占い師となり、
彼女のトラブルに巻き込まれる三人を描きます。
しかし中年になった三人が、
あのころのハツラツとした三人のままでいられるはずもなく、
同時に私たちも子供ではなくなった。
やはり、あの頃のままでの設定には無理があり、
児童文学を大人の読み物にしたような中途半端なぎこちなさを感じます

しかも最後まで読み進めると、
今回の事件のために三人はどう活躍したのだろうか・・・
ただ泳がせれていただけなのでは・・・ということに気づいてしまい、
三人もただのオヤジになってしまった・・・と妙な切なさがこみあげます

また三人の活躍を読めるのは嬉しいです。
でもお互いの成長が邪魔をして、どうしようもない葛藤を感じます。
表紙がシンプルすぎるのもサビシイ。
昔はちゃんと三人のイラストが表紙になってました。
41歳になった彼らをイラストにするのは難しいということなのでしょうか。
●この本が好きな人におすすめなのは・・・・
ズッコケ中年三人組/那須正幹
ズッコケ三人組シリーズ/那須正幹(全50作の児童書です)