隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# 真鶴
真鶴
真鶴
川上 弘美
真鶴/川上弘美
文藝春秋
1500円
評価 ☆☆☆
失踪した夫の日記には「真鶴」という文字が残されていた。
“ついてくるもの”にひかれて「真鶴」へ向かう主人公・京。
夫は「真鶴」にいるのか?
京は一人、真鶴へと向かう・・・。



(感想)
「夜の公園」を読んだ時に、
川上さんの世界と「不倫」があまりにもつながらなくて、
こういうテーマは描いてほしくないなと思った。

けど、今回も同じく不倫が描かれてあっても、
不思議と川上ワールドにしっくりと収まっている気がする。
「夜の公園」は実験的な試みで、
そこを経てこの「真鶴」が書かれたのかも・・・と勝手に解釈することにしますニコニコ

京の心に今でも残る冷ややかなもの。
“ついてくる”女の存在の意味。
思春期の娘は幼くあどけない姿をみせることもあれば、
手の平を返したように冷たくもなる。
そして時折漢字表記するべき箇所がひらがなになっていたりする。
これは京の夢なのか、真実なのか、
とにかくバランス感覚の危くい小説で、判断が揺さぶられます。

とても沢山使われている「にじんでいる」という表現も、
辞書に載っているような正しい意味でなく、
川上さん流の表現で、その時その時によって違う使い方をされている。
この「にじんでいる」をどう解釈しようか悩みます。
ワタシ的には【主人公の心にぽかんとあいた空洞】みたいなことかと解釈してみたけど、
どうしても合わない箇所も多くあせあせ
ちょっと読み込みが足りなかったかもしれません。

最後に京たち家族、つまり女3人が
寒天を煮とかして、杏仁豆腐を作る場面はよーく考えるとすごく怖い。
プルンプルンで安定感のない食べ物・・・。
光が差したようなラストではあったけど、
杏仁豆腐の不安定さが彼女達の心の均衡の不安定さをうまく表現しているようで・・・。
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川上弘美の「真鶴」を読んだ!
「真鶴」のカバーと表紙 ブックカバーは白地に深紅の明朝体で大きく「真鶴」とあり、度肝を抜かれます。中身を取り出し、本の表紙はと言うと、「すもも」の絵だけしか描いていない表紙が出てきます。ブックカバーと表紙はあまりにも対照的です。装画は高島野十郎の
| とんとん・にっき | 2008/08/04 1:34 PM |
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