隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# 三千枚の金貨(上)(下)

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 三千枚の金貨(上)(下) / 宮本輝(光文社)

 

 個人的な評価 (上) ☆☆☆

        (下) ☆☆☆

 

新進文具メーカー役員の斉木光生は、

五年前に入院したとき、末期ガンの患者から不思議な話を聞かされた。

和歌山県の山にある桜の巨樹。その根元に三千枚の金貨を埋めたという。

「みつけたら、あんたにあげるよ」と言われた記憶が蘇り、

会社の仲間の宇都木、川岸の二人に話をするが、

別の怪しい男たちも金貨を探していることに気づく。

金貨は本当に存在するのか!?

四十代の男たちの、心躍る「人生の選択」。

生きることを実感する大作。

 

 

 

(感想)

 

この作品のあらすじを一言で言うとすると、

「桜の木の下に眠る金貨を探すお話」になっちゃうんだろうけど、

ほんとに重要なのはそこではない気がします。

「男はいくつになっても子供」

まさにそんな少年のような冒険心に突き動かされた中年男たち。

この経験によって、彼らがお金よりも大切なものを得ることは間違いなく、

お金やモノではなく、精神的な豊かさの価値を教えてくれる作品でした。

この結末に納得できない読者さんも多いと思いますが、

結論を焦らない大人ならではの余裕は素敵です。

彼らは少年の心を今も持ちながらも、

様々な経験を経ている分、やっぱりしっかり大人の男なんですよね〜。

その証拠に彼らを取り巻くキーワードを一つずつ見ていくと、

質のいい文房具・蕎麦・コーヒー・ゴルフ・骨董品・シルクロード一人旅・・・・・などなど

大人にならないとその本当の意味での良さがわからないようなものばかり!

物語はこれらを描く場面がやたらと多いので、話はなかなか進みません。

私も読んでるうちは「本筋と関係ないじゃん」と若干イライラもしました。

しかし読後に改めて考えてみると、いいものに触れる経験をして、

精神的な豊かさを磨いていく彼らの姿を描くのがこの作品の本当のテーマだということならば、

脱線が多いのも仕方ないのかなと納得です。

単純に「金貨探しの物語」と受け取るか、

「精神の豊かさを描く作品」と受け取るかで、評価は大いにわかれる作品だと思います。

 

| comments(0) | trackbacks(0) | 12:15 | category:    宮本輝 |
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