# 東京會舘とわたし(上・下)
2017.09.05 Tuesday
JUGEMテーマ:小説全般
東京會舘とわたし(上 旧館・下 新館) / 辻村深月(毎日新聞社)
評価 上 ☆☆☆ 下 ☆☆☆☆
「東京會舘」・・・ここは華やかなる“社交の殿堂"である。
大正、昭和、平成という時代を情熱的に生きた人々を、鮮やかな筆致で描き出す。
直木賞作家が贈る、一つの建物の〈記憶〉をたどる長編小説。
(感想)
※ 上下巻あわせての感想となります。
「あ、辻村さんってこういうのも書けるんだ」というのがまず第一印象。
そして、調べてみて納得。なんとはじめての歴史小説らしいです。
いつの間にか幅広い作品を書ける作家さんに成長されたんですね。
今作の主人公は「建物」。
東京・丸の内に実在する東京會舘という宴会場・結婚式場・レストランの長い歴史を描いた連作短編集です。
(現在は本館は建て替え工事のため、お休み中。)
読者好きな方には「直木賞・芥川賞の記者会見と贈呈式をするところ」と言った方がいいかな?
(東京會舘のHP → https://www.kaikan.co.jp/index.html))
描かれるのは大正12年から平成27年まで。
いろんなエピソードがあったけど、
登場する有名人はマッカーサーから角田光代までいろんな時代のいろんな方が!
それだけでもう東京會舘の歴史の重みを感じます。
長い時間の中で毎日毎日新しい物語が紡がれていく。
どんな建物にもこんな風に一人一人の思い出が詰まっていると思うと感慨深いです。
実際に東京會舘へ行って、食事をしてみたくなりました。
また、作品に登場するお土産用のお菓子「ガトーアナナ」や「パピヨン」「プティフール」などは通販でも購入可能です。