# 騎士団長殺し(第1部・第2部)
2017.08.31 Thursday
JUGEMテーマ:小説全般
騎士団長殺し(第1部・第2部) / 村上春樹
評価 第1部 ☆☆☆☆ 第2部 ☆☆☆
その年の五月から翌年の初めにかけて、
私は狭い谷間の入り口近くの山の上に住んでいた。
それは孤独で静謐な日々であるはずだった。騎士団長が顕(あらわ)れるまでは。
『1Q84』から7年――、待ちかねた書き下ろし本格長編。
(感想)
※ このレビューは第1部「顕れるイデア編」、第2部「遷ろうメタファー編」の2冊まとめての感想となります。
村上春樹さんの文章は比喩にセンスの良さが感じられて、
ストーリー以前に「こんな表現の仕方もあるんだ!」みたいな部分でも
毎度毎度楽しませてもらってます。
私がほんとに「文章うまい」「素敵な文章を書く」と思う人は、
村上春樹・山田詠美・金原ひとみ、この3人っ!
さて、村上春樹の7年ぶりの新作ということで話題になったこの作品。
私は読み始めてから世界観に入り込めるまでえらい時間がかかりました。
最初の200ページくらいまではかなり苦しかったw
でも、途中で投げ出さなかったのは村上春樹だからです。
200まで読んでノレないなんて他の作家ならとっくに投げ出してます。
騎士団長ことイデアが登場してる間は、
「これから何が起こるの?」とワクワクなんだけど、ちょっと長すぎ。
すっきりきれいに終わったような気もするけど、
よく考えてみると回収しきれていない謎もたくさん残ってる。
スバル・フォレスターの男・ペンギンのストラップなどは
物語のもっと重要なキーになるのかと思っていたので拍子抜けでした。
普段、小説を読み慣れてない人が読める作品じゃないです。
もっと不思議なファンタジーの世界へ連れて行ってもらえると期待してたのにな。
正直、これまでの春樹作品に比べたら退屈でした。