# 反人生
2015.12.08 Tuesday
JUGEMテーマ:小説全般
反人生 / 山崎ナオコーラ(集英社)
評価 ☆☆☆☆
夫を亡くしてひとり暮らしの荻原萩子。
55歳で抱く、バイト仲間の年下女子・早蕨へのときめきと憧れ。
男と女、親と子、先輩と後輩、夫と妻。
無意識に人々のイメージに染み付いている役割や常識を超えて、
自由でゆるやかな連帯のかたちを見つける作品集。
(感想)
男女の友情・性別の差などモヤっとした微妙なものを描いている作品。
山崎ナオコーラさんには独特の哲学がある。
つい無意識に「人生」だとかなんだとか、
あえて考えなくてもいいようなことをウジウジ考えてることが多い私には
共感できるものが多かったです。
私は人に深く入り込むのが苦手だし、
どちらかというと形にこだわるよりはゆるやかな関係を築いていきたいタイプなので、
ここで描かれる人間関係には心地よさを感じました。
楽しいことは永遠には続かないし、
手離したくないものを手離さなきゃいけないこともある。
その儚さをしみじみ感じます。
それは決して悲しいことや、さびしいことじゃないんだよね。
そうして変わっていくことの美しさも素直に認められる人になりたいな。
こういう風にじっくりと「生き方」「成長の仕方」「変化の在り方」などにに向き合う作品もいいものですね。
うーん。だけど表題作を未来設定にしたのはどうだろう?
別段、これといった効果も感じられなかった気がします。