# 舞台
2015.08.17 Monday
JUGEMテーマ:小説全般
舞台 / 西加奈子(講談社)
評価 ☆☆☆☆
29歳の葉太はある目的のためにニューヨークを訪れる。
しかし初めての一人旅、初めての海外でトラブルが・・・。
虚栄心と羞恥心に縛られた葉太は、
助けを求めることすらできないまま、マンハッタンを彷徨う羽目に。
苦難の果てに葉太がたどり着いた境地とは・・・。
(感想)
主人公の葉太は自意識が異常に強い。
私も含めて、今の若者には比較的そういう傾向があるようだけど、
彼の場合はちょっとしゃれにならないくらいにひどいようです。
そんな葉太がはじめてのニューヨーク1人旅で人生最大の大恥をかき、
途方に暮れて絶望の淵に追い込まれます。
しかし、ここまで落ちたらもう怖いものなんかない!
恥もプライドも全部捨て、
どんどん身軽に自然体になっていく葉太の姿が清々しかったです。
異常な自意識っぷりをコミカルに描いており、
「わかるわかる」と思いながらクスクス笑えました。
誰もが「自分」という舞台の主人公です。
その舞台を面白く・刺激的で実り多いものにできるのは自分自身でしかありません。
すべてを脱ぎ棄てて、
葉太は今やっと自分自身の人生という舞台を歩き始めようとしている。
29歳、まだまだ遅くないよ o(-`д´- o)がんばろー!!