隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# 火花
評価:
又吉 直樹
文藝春秋
¥ 1,296
(2015-03-11)

JUGEMテーマ:小説全般

火花 / 又吉直樹(文藝春秋)

評価 ☆☆☆☆


売れない芸人徳永は、師として仰ぐべき先輩・神谷に出会った。
そのお笑い哲学に心酔しつつも別の道を歩む徳永だが、二人の運命は。
笑いとは何か、人間とは何かを描ききったデビュー小説。



(感想)

お笑い芸人が書いた小説ということで話題になっている本。
巷では“もしかしたら芥川賞をとるのではないか”などという声もありますが、
これが“直木賞”ではなく、“芥川賞”なのがミソです。
つまり大衆向けの文芸作品という感じではなく、あくまで純文学にカテゴライズされるような雰囲気を持っています。
「一般に名の知れたタレントだから」という理由で普段小説を読まない人が手に取ったとしたら
読むのに少々手こずる類の作品かもしれません。
特に前半は文章が堅苦しので、なかなか読者の気分もノッて来ないけど、
物語が進むにつれ堅苦しさもなくなるので、とにかく中盤までこらえてください。

期待していた程度の水準には達していたし、さすが本職は芸人さん!笑える要素もあり引き込まれました。
だけどそれでも私が☆を4つにしたのは、「意外性はまったくなかったから」。
“ああ、又吉らしいなぁ”というラインを越えるような驚きを感じるものではありません。
もともとが世間に名前もキャラクターも知られている人は、
こういう評価をされてしまうからつらいところですよね。

ほんの一握りの者しか成功しないお笑いの世界。
先の見えない不安に駆られながらも、人を笑わせるということにかけている若者たち。
笑いを生むには苦しみや純粋さ・・・必死の思いがあることを知りました。
ふざけてるように見えるけど、苦しみ、迷いながら生きている「芸人」さんたち。
まるで笑いながら泣いてるみたいで、読んでいて切なくなります。

舞台でやって笑いをとれることが、文章にしても面白いかというと必ずしもそうではなくて、
そのあたりの微妙な判断は笑いのプロでも難しかったと思います。
特にコーデュロイパンツの件はその場の空気感が伝わってくるようでじわじわ来ました。
行方不明になった神谷と久々に再会した時、神谷は大きく変貌していて、
この発想は突拍子もなかったです。笑いを通り越して引きました。
何かに人生を賭けた人間の狂気ってやつなんだろな・・・・すごい。

デビュー作の舞台に自分のいちばんよく知っている「お笑い」の世界を選んだのは正解だと思います。
これから何冊も書いていくにつれて、世界を広げていけばいいのですから。
次回作にも期待しています。
| comments(0) | trackbacks(0) | 11:26 | category: 作家名 ま行 |
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