隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# サーカスナイト
評価:
よしもと ばなな
幻冬舎
¥ 1,620
(2015-01-21)

JUGEMテーマ:小説全般

サーカスナイト / よしもとばなな(幻冬舎)

評価 ☆☆☆☆☆



さやかの親指は動かない。手錠から抜く時に、骨が砕けたのだ。
事件の後、さやかは娘のみちると幸せに暮らしていた。
亡き夫・悟の想いを胸に、穏やかな毎日を送っていたが、ある日、家に一通の手紙が届く。
差出人の名前は、 さやかが封印した記憶を呼び覚ますものだったーー。
家族の新しい幸せな絆を発見する物語。



(感想)

約360ページということで、ばななさんにしては久々にボリュームのある長編。
ばななさんの作品は何気ない一文に「ドキッ」としたり「ウルッ」としたり心を揺さぶられることが多く、
この作品もそのたびに立ち止まって自分の置かれている現状や人間関係を見つめ直し、
いろいろと考えさせてくれる作品でした。

その場にいることに限界を感じたら、何も無理して頑張る必要はなくて、逃げてもいい。
すべては時間と、その時に最適な人間関係が解決してくれる・・・・。
この作品にはそれを教えられたようで、
自分の中にわだかまっている重たい荷物がふと軽くなったような気がしました。

「最高の宝物」と「最悪の思い出」。
この両方をくれるのはたしかに同じ人や同じ出来事であることが多く、繋がっている。
悲しい経験ほど心に色濃く残るけど、
なんとかふんばって、あるいは一時だけ忘れて、
その悲しみを超えた時にこそ最高の宝物が待っている。
暗闇はいつまでも続かないし、その先には必ず光さす場所がある・・・。
これを心に留めておくだけで、ずいぶん楽に焦らずに生きられるのかもしれないな。
そして、自分の限界や性質をしっかりと見極めたうえでの「諦め」は決して負けじゃなくてステップだということ。
これらは誰かに教えてもらうのではなく、
時間がかかってもいいから自分で「気づく」「見つけ出す」ことが大切なんだな。
そういうことがじんわりと、そしてしっかりと理解できました。

物語の中に登場するイダさんと兄貴はバリに実在してる人物です。
私にとってよしもとばななという人は、
じっくりと自分の心と現実に向き合う機会を与えてくれるスペシャルな作家。
そんなばななさんをばななさんたらしめていて、ばななさんを形作っているのは
周囲にいる彼らのような素敵な人達なのだと思います。だから彼らにも感謝です。

「できることをやっていたらいつのまにか叶うのがほんとうの夢」
「ひとつ、またひとつあきらめていく道のしみじみした良さを三十過ぎたら少しわかるようになった」
「なんでもないように見えることの中に、ものすごく面白いものがいっぱい潜んでいる。
 それを掘り起こしていくのが面白い」

↑ 今回、グッときた言葉たち。
こういう名言がさりげなく散りばめられてるからばなな作品は気を抜いて読めません。


冒頭に七尾旅人さんの「サーカスナイト」の歌詞がありますが、
この曲はYouTubeで聴くことができます。こちらです

 
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