# とっぴんぱらりの風太郎
2014.01.08 Wednesday
とっぴんぱらりの風太郎 / 万城目学(文藝春秋)
評価 ☆☆☆☆
天下は豊臣から徳川へ―。
重なりあった不運の末に、あえなく伊賀を追い出され、
京(みやこ)でぼんくらな日々を送る“ニート忍者”風太郎。
その人生は、1個のひょうたんとの出会いを経て、奇妙な方向へ転がっていく・・・。
図書館の新着本コーナーで見つけてしまい、
あまりの分厚さに一瞬引いたけど、
「今借りなきゃ、当分は絶対回ってこないぞ」と思ったら決断は早かったです。
年末年始で仕事が猛烈に忙しかったけど、コツコツと読みました。
主に従い使命を全うすること・忍びとしての生きることの重み・・・
これまでの万城目作品とはちょっと違う重みがありました。
けど、なんか力の抜けるような面白さもあり、
だからこの厚さにも耐えられる。
だって、物語のキーワードとなるアイテムが「ひょうたん」って・・・w
ニート忍者って何?? ゆるすぎでしょww
忍者であれど一般の社会に放り出せれて、やることがなくボケーッと生きてれば
こんなにぼんやりテキトーになっちゃうのね。そのギャップが面白い。
だけど後半、命をかけて使命を果たそうとするあたりは
同じく分厚い時代物・町田康さんの「告白」を読んだ時のような
言い知れない感動がグアーッと襲ってきました。
ダメダメな風太郎が最後はかっこよかったもんなぁ。読後の余韻がいい!