隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# むしろ、考える家事 / 山崎ナオコーラ
評価:
価格: ¥ 1,485
ショップ: 楽天ブックス

JUGEMテーマ:エッセイ

 

 ● むしろ、考える家事 / 山崎ナオコーラ(KADOKAWA)

 

 ● 個人的な評価 ☆☆☆

 

家事時間をマイナスなものとしてとらえると、

その時間がもったいないではないか!!

そう気づいた山崎ナオコーラさんは、

家事時間をむしろプラスなものと捉えて、楽しい考えごとに使うことに。

料理、掃除、洗濯、子育て……

日常の家事の時間に考えたことを綴る、新しい視点のエッセイ。

 

 

 

(感想)

 

わはは、山崎ナオコーラ節炸裂w

相変わらずの独特な視点に、クセの強い主張。

なるほどな、こんな風に家事を深く考えてる人もいるんですね。

私も家事は好きな方ではないけれど、

これほどまでに突き詰めて考えたことはない。

嫌々やるよりは楽しんだ方がいい。それはわかる。

でも、私にとって家事はなんとなくやらなきゃいけないものでしかないので、

これからも深く考えずにこなしていくと思います。

 

山崎さんはきっともともと向上心が強く、

社会に参加する意欲の強い人だからこう考えるのだと思う。

私のようにのほほんと生きてる人は、

家事に対してここまでの意味を持たせようとは思わない。

けど、「家庭にいる→社会に参加していない、成長の場がないのでは?」とは常々感じていたので、

言い当てられたような気持ちになったのは確か。

共感はしないけど、気づきは得られた作品でした。

| comments(0) | - | 12:30 | category:    山崎ナオコーラ |
# かわいい夫 / 山崎ナオコーラ

JUGEMテーマ:エッセイ

 

 ● かわいい夫 / 山崎ナオコーラ(河出文庫)

 

 ● 個人的な評価 ☆☆☆☆

 

会社のように役割分担するのではなく、人間同士として純粋な関係を築きたい。

布で作った結婚指輪、三回手を振る毎朝の見送り、流産、父の死、そして再びの妊娠…。

書店員の夫との日々の暮らしが作り出す、二人だけの結婚のかたち。

話題の“愛夫家”エッセイ!

 

 

 

(感想)

 

山崎ナオコーラさんは主張が強く、自分の哲学を持っている方だということは小説を読めばわかる。

そしてそれがエッセイで、自分の日常や考えを綴る内容となるとその個性の凄みは増す。

あまりにも独特の考え方をお持ちの方で私には理解できません。

おそらく、多数の人の共感も得られない作品です。

 

「夫の収入は高くない」「私の容姿はよくない」、この2つについて延々と語られます。

こういうことも軽い調子で面白おかしく書いてくれれば笑いになるんだけど、

おそらくナオコーラさん自身がこれで笑いを取りたいわけじゃないから読んでてきつい。

リアルで誰か知人にこのテンションでこの内容の話をされたら私はどうリアクションしたらいいのかわからないし、

そういう「気まずさ」を読んでる間中、ずーっと感じておりました。

 

ナオコーラさん自身は夫の収入が低ければ自分が稼げばいいと思ってる。

旦那さんもそれを気にしてる様子はない。

容姿に関しても、ナオコーラさん自身は自分の容姿は嫌いではない。

でも、他人に平気で「ブス」とか「ブスのくせに」と言える人がいて、

その使われ方や作用で人間としての尊厳を侵されることが嫌なようです、おそらく。

「夫婦のあり方」なんてそれぞれだし、

お二人がそれでいいなら他人がどうこう言うことじゃないけど、

でもここまでしつこく書いておいて「コンプレックスには感じてない」って言われてもなぁ・・・。

このことについてすごくすごく思ってることがあるから書いちゃうんでないの?

その時点でこの2つはナオコーラさんの中で「大きな問題」になってしまってると私は受け止めました。

 

難しい人。めんどくさい人。

・・・・でも、こういう感じって、私は嫌いじゃない。

むしろこの真面目で頑固そうな感じが友達になれそうな気すらしてるw

だからわかんないなりに楽しめました♪

 

で、唯一「葬式はなし」という章はすべてに共感できたんです。

私もナオコーラさんと同じく、自分が主役になる場面はほんとうに苦手。

たとえそれが自分が主役なのに、出席しなくていい(できない)葬式の場であっても・・・。

みんな、ほんとうに私の葬式ごときに時間や金を割くことないからね!

しなくていいからね!とここに宣言しておきます。

| comments(0) | - | 11:22 | category:    山崎ナオコーラ |
# 趣味で腹いっぱい
評価:
山崎ナオコーラ
河出書房新社
¥ 1,185
(2019-02-21)

JUGEMテーマ:小説全般

 

 趣味で腹いっぱい / 山崎ナオコーラ(河出書房新社)

 

 個人的な評価 ☆☆☆☆

 

幼い頃から「働かざるもの、食うべからず」と父に言われ続けて育った小太郎は銀行員となり鞠子と結婚。

一方、大学院出の鞠子は就職せず専業主婦になることを希望し、趣味に生きる生活を始める。

働く人だけがエラいのか、収入がない者はだめなのか――。

働くとは何か、生きるとは何かという根源的な疑問に迫る仕事VS趣味小説。

 

 

(感想)

 

「働くとは」「生きるとは」といった人生における永遠のテーマに対し、

ものすごーく軽やかにお気楽につづられた本。

誰もが当たり前だと思ってて、深く考えもしないようなことを突き詰めて考える、

山崎ナオコーラらしさのよく出ている作品です。やっぱり深い。哲学だな。

 

「働かぜる者、食うべからず」と、働くことがえらいことなんだと刷り込まれて育ってきた夫・小太郎。

その一方で、趣味に生きる妻・鞠子。

まったく違う価値観を持っている2人なのに、どっちの主張にも共感できました。

これを読んだ後でも私はどちらの考えが正しいとは言えないけど、

でも、鞠子のような考え方ができる人やこの考えを尊重できる人が増えれば、

世の中もっと明るく・楽しくなるような気がします。

鞠子は「趣味を通してちゃんと社会に参加している」と考えていて、

その考え方も好きでした。

| comments(0) | trackbacks(0) | 10:47 | category:    山崎ナオコーラ |
# 人のセックスを笑うな

JUGEMテーマ:文庫

 

 人のセックスを笑うな / 山崎ナオコーラ(河出文庫)

 

 評価 ☆☆☆

 

19歳のオレと39歳のユリ。

恋とも愛ともつかぬいとしさが、オレを駆り立てた・・・。

美術専門学校の講師・ユリと過ごした日々をみずみずしく描く、せつなさ100%の恋愛小説。

第41回文藝賞受賞作/芥川賞候補作。短篇「虫歯と優しさ」を併録。

 

 

 

(感想)

 

文藝賞がらみの作品とはあまり相性がよくないのだけど、

ナオコーラ作品は全部押さえておきたくて、だいぶ前の作品だけど読んでみた。

 

うーん、私はやっぱり比較的新しいナオコーラ作品が好きなのであって、

やっぱり初期の頃のはいまいちピンと来ないなぁ。

タイトルのインパクトがすべてというか、タイトルとストーリーが直結してない印象。

 

20歳も年上の女性と恋をした学生の視点から描かれるのだけど、

感情のぶつかり合いがなく、

自分が傷つかないように心の距離感を測りながら恋愛をしている・・・

そんな印象を受けました。

女39、男19・・・この年齢差の恋はどうしたって女主導になるだろうなぁ。

 

雰囲気を味わう作品という気がしました。

もう少し押しつぶされそうな感情のやり取りにドキドキしたかった。

| comments(0) | trackbacks(0) | 10:34 | category:    山崎ナオコーラ |
# 美しい距離
評価:
山崎 ナオコーラ
文藝春秋
¥ 1,458
(2016-07-11)

JUGEMテーマ:小説全般

 

 

 美しい距離 / 山崎ナオコーラ(文藝春秋)

 

 評価 ☆☆☆☆☆

 

妻は40歳代初めで不治の病におかされたが、

その生の息吹が夫を励まし続ける。世の人の心に静かに寄り添う中篇小説。

 

 

 

(感想)

 

私も8年前に家族をこの本の主人公と同じ病気で亡くしており、

それ以来、闘病モノの本も映画もドラマもドキュメンタリーも絶対に見ないように

過剰なほどに意識してここまできました。

山崎ナオコーラさんは私にとって「新刊が出ればどんな内容であれ読みたい作家」で、

この本も図書館の新刊コーナーで発見するなり、

内容を確認することもなく、ただ「ナオコーラだから」という理由で当たり前に借りてきました。

・・・なのに、まさか死にゆく妻に寄り添う夫の話だったとは・・・。

 

でも、読んでみて、この本を読めたことに感謝しています。

もう少し早くこの本に出会いたかった。

あの頃に感じた自分の気持ちに近いものがここには描かれていて、

常に手元に置いておきたい本だと感じました。買います、絶対買います。

 

主人公は病院やお葬式に来てくれた人や義父母とのやり取りの中で、

彼らとの考え方や立場の違いから悪気のない言葉にもカチンと来てしまう場面が多々ありましたが、

この主人公の「カチン」のスイッチが押されるタイミングが

私があの頃に感じた「カチン」のタイミングと似通っていたのがこの本を好きになった最大の理由です。

 

本の中で認定調査員が痛みを散らす薬を「麻薬」ということに対して、

主人公が違和感を覚える場面がありましたが、

これと似たようなことが私にもありました。

ウチも処方された薬の袋にはっきりと「麻薬」と書かれていて、それを見たときに感じた激しい怒り。

患者も目にする袋に「麻薬」ってどうなんですかね?

世間に一般に「麻薬」というのは服用すれば犯罪になるアレのことであり、

そんな言葉を簡単に記す神経がどうかしてると強いショックを感じたのを覚えています。

 

そして、家族が毎日病院に行くのは「死に際を見とりたいからか否か」という医師とのやり取りも・・・。

その瞬間を見逃さないために見張っているわけなんてあるはずがない。

瞬間に立ち会うことになんて何の価値も感じやしません。

大事なのはそれまでと、残された時間をともにどう過ごせるかだけ。

このへんの価値観の違いにも憤りを感じます。

 

主人公と妻の間にだって、食い違う点はあるんだから、

延命治療や最後の看取り方への思いは人それぞれに違います。

だから押し付けたり、経験者ヅラで上から目線で語られるのは嫌。

そこをどう尊重し、折り合いをつけていくのかが「優しさ」であり「思いやり」だと私は思っています。

 

そして迎えてしまう・・・死。

でも、その人との関係・向き合い方は死んだ後もぼんやりとつきまとうものであって、

P140に「妻に線香をあげるなんてちゃんちゃらおかしい」とあったけど、私も今でもそう思う。

あの人の仏壇に線香をあげてる自分、冷静に考えると本当にばかばかしい!!

私は今だってあの人が生きていた頃と同じように、

仏壇にふざけたものをお供えして「やってやった感」でニヤニヤしたり、

最新流行のお菓子をお供えして「どうだ?こんなのあんたは知らんだろw」と小馬鹿にしたり、

そういうスタンスで死者と向き合っています。

それでいいと思う。今までとおんなじ。

 

だから主人公の「死んだ人は神様になる」という考え方には共感できなかった。

妻が死んで、日に日に神に近付いていくと思っている夫はですます調の言葉で妻に語りかけるようになり、

一年が過ぎた頃には尊敬語や謙譲語まで出てくるようになります。

これが2人の新しい関係(距離)であり、

少しずつ離れることで夫のこれからにも明るい光が差してくる・・・そういうことなのでしょう。

これこそがタイトルでもある「美しい距離」なのでしょう。

でも、私はどうしてもそんな新しい距離感で死んだ人に接することはまだできず、

最後の「離れよう、離れようとする動きが、明るい線を描いていく」と一文が心にひっかかっちゃって。

でも、徐々にあの人が日々心を占める割合が薄らいでいくのも、

決して悪いことではないとわかってはいるんですけどね・・・。

主人公のゆるやかな変化に対し、

いつか自分もそのくらいの距離感で向き合えるようになれればいいなとは感じています。

 

やはりその状況に立ってみないとわからないことが多いです。

私は主人公と似た状況に置かれたことがあったからこそ、

この本にも強く共感できたのだと思います。

| comments(0) | trackbacks(0) | 11:55 | category:    山崎ナオコーラ |
# この世は二人組ではできあがらない
JUGEMテーマ:小説全般

 この世は二人組ではできあがらない / 山崎ナオコーラ(新潮社)

 評価 ☆☆☆


1978年生まれの私は大学をでて働きながら、小説を書いている。
お金を稼ぐこと。国のこと。二人暮らしのこと。戸籍のこと。
幾度も川を越えながら流れる私の日常のなかで生まれた、数々の疑問と思索。
そこから私は、何を見つけ、何を選んでいくのだろうか。
「日本」の中で新しい居場所を探す若者の挑戦を描くポップな社会派小説。




(感想)

いつもグチグチなんか考えてて、モヤモヤがおさまらない?
山崎ナオコーラさんの小説は哲学的な部分があり、
そのめんどくささに自分と共通するものを感じています。
わかりすぎて、愛しさすらあふれ出るほどです。

何か決定的に大きい出来事があったわけじゃないけど、
仕事にも恋愛にも将来にも常にぼや〜〜んと不安を感じている。
夢はあるけど現実はそう簡単じゃなくて、淡々とゆるふわっと生きてる感じ?
「心の内側を見せること=カッコ悪い」みたいな素直じゃない感じは現代の若者のリアルをよくとらえているし、
主人公が作家を目指しているということから、ナオコーラさん自身の姿が主人公に重なりました。

今はまだ何もわからないし、何もできない。
だけど、そんな自分なりに漠然とだけど、
よりよい社会や素敵な未来を作ることに参加していきたいと考えているシオちゃんのことを私はいいなと思います。

あと、本筋とあまり関係ないけど、
手をキツネの形にして遊ぶエピソードがたまらなく好きでした。


 
| comments(0) | trackbacks(0) | 15:26 | category:    山崎ナオコーラ |
# 太陽がもったいない
JUGEMテーマ:エッセイ

 太陽がもったいない / 山崎ナオコーラ(筑摩書房)

 評価 ☆☆☆☆


舞台は自室のベランダ。
ドラゴンフルーツ、除虫菊、バジル、朝顔、ミニトマト、ゴーヤーetc.etc.
スズメも毛虫もやってきて、まるでそこは世界のミニチュア。
震災を経て、結婚をして、生と死を見つめた日々を、魅力あふれるイラストとともにつづるエッセイ。



(感想)

ガーデニングエッセイでありながらも、
植物の成長や生態から感じた
山崎ナオコーラさんならではの哲学が詰め込まれていて、
同じくベランダガーデニングを趣味とする私には読み応えのある本でした。
ナオコーラさんは私よりもかなり手広くガーデニングをやっておられるようですが、
それが私にもできそうな範囲内でのことなので、
趣味の観点からもとても参考になりました。

ドラゴンフルーツの増え方を見て、「個体としての生き方」「集団の中の個人」という
哲学みたいな考えに迷い込んだり、
コンパニオンプランツから自分が人生で選択してきたことを深く考えたり、
ナオコーラさんのこういう性格も好きですなー。

本の下にページ数が振られていますが、
それが手書きでたまにイラストも入っててかわいいです。手が込んでます。
そういう演出・遊び心って大好きです。

植物を育てることで感じる一喜一憂が手に取るように共感でき、
私も来春のベランダをどうしようかと早々とワクワクがはじまってきました。
春が待ち遠しいです♪

ただしガーデニングエッセイなのに、写真が1枚もないのは残念でした。
 
| comments(0) | trackbacks(0) | 12:00 | category:    山崎ナオコーラ |
# 反人生
評価:
山崎 ナオコーラ
集英社
¥ 1,512
(2015-08-26)

JUGEMテーマ:小説全般
 
 反人生 / 山崎ナオコーラ(集英社)

 評価 ☆☆☆☆


夫を亡くしてひとり暮らしの荻原萩子。
55歳で抱く、バイト仲間の年下女子・早蕨へのときめきと憧れ。
男と女、親と子、先輩と後輩、夫と妻。
無意識に人々のイメージに染み付いている役割や常識を超えて、
自由でゆるやかな連帯のかたちを見つける作品集。




(感想)

男女の友情・性別の差などモヤっとした微妙なものを描いている作品。
山崎ナオコーラさんには独特の哲学がある。
つい無意識に「人生」だとかなんだとか、
あえて考えなくてもいいようなことをウジウジ考えてることが多い私には
共感できるものが多かったです。
私は人に深く入り込むのが苦手だし、
どちらかというと形にこだわるよりはゆるやかな関係を築いていきたいタイプなので、
ここで描かれる人間関係には心地よさを感じました。

楽しいことは永遠には続かないし、
手離したくないものを手離さなきゃいけないこともある。
その儚さをしみじみ感じます。
それは決して悲しいことや、さびしいことじゃないんだよね。

そうして変わっていくことの美しさも素直に認められる人になりたいな。

こういう風にじっくりと「生き方」「成長の仕方」「変化の在り方」などにに向き合う作品もいいものですね。
うーん。だけど表題作を未来設定にしたのはどうだろう?
別段、これといった効果も感じられなかった気がします。
 
| comments(0) | trackbacks(0) | 16:49 | category:    山崎ナオコーラ |
# 可愛い世の中
評価:
山崎 ナオコーラ
講談社
¥ 1,512
(2015-05-20)

JUGEMテーマ:小説全般

 可愛い世の中 / 山崎ナオコーラ(講談社)

 評価 ☆☆☆


芳香剤のメーカーで働く地味な会社員、豆子は、
自身の結婚式を機に金銭感覚が人生が変化していく。
決して「モテ」を追求することなく、社会人としての魅力をアップしていきたい。
退職して、「香りのビジネス」を友人と起こそうと画策する豆子だが・・・。
香水に、セクシーではなく経済力という魅力を!




(感想)

4姉妹の食事シーンからはじまったので、この4姉妹を描くお話かと思いきや
次女の豆子の主観を細かく細かく綴ったお話だったのが意外!
一人の30代の女性の仕事・結婚・出産・お金などに関する考えを描きますが、
考えてることがぼかさず隠さず全部見える書き方だから、
読者には豆子の心情が手に取るように伝わります。

自立心を持ち、完ぺきを求め、自己をしっかりと保とうとする強い意志のある豆子。
少々めんどくさいけど、人に流されずまっすぐな点では素敵な女性です。
周囲の目が自分の意のするところに向かないもどかしさ、価値観の違いに戸惑い
世の中との折り合いの付け方に悩む。
発言小町に書いてあることに揺さぶられる姿には「わかるわー」と共感w
おそらく豆子のような考え方は時代の先をいっているのだと思います。
これからはこういう女性が増えるんじゃないかな。
てか、そんな世の中になってほしいです。

最後の友人の会社設立の件は豆子らしくない非現実的な話に思えたけど、
前向きなラストと言えばそうともいえるし、
豆子のいい意味での変化につながるとも言えなくもない。
まぁ、妥当なラストではあったのかな?
| comments(0) | trackbacks(0) | 10:21 | category:    山崎ナオコーラ |
# ボーイミーツガールの極端なもの
評価:
山崎ナオコーラ
イースト・プレス
¥ 1,728
(2015-04-17)

JUGEMテーマ:小説全般

 ボーイミーツガールの極端なもの / 山崎ナオコーラ(イースト・プレス)

 評価 ☆☆☆☆☆


年齢も性別も境遇も異なる男女が出会い、恋をし、時には別れを経験する。
「絶対的な恋なんてない」
不格好でも歪でもいい、人それぞれの恋愛の方法を肯定する連作小説集。
人気多肉植物店・叢Qusamuraの店主・小田康平が植物監修を務める。


(感想)

久々にさわやかでほっこり気持ちのいい恋愛小説を読みました。

「ボーイミーツガールの極端なもの」という作品タイトルもインパクトあるし、
各章のタイトルもユニークで秀逸。
タイトルセンスで好奇心をくすぐるセンスのある作品です。

自由で、のびのびとしていて、個性的な恋をする人たちの連作短編集で、
すべてのお話にサボテンが絡んできます。
棘があって不格好なサボテンと一筋縄ではいかない恋愛をうまく重ね合わせてるのでしょう。
正直、サボテンとリンクさせる必要性はあまり感じませんが、
1つ1つのサボテンの写真と特徴が載っているので、
植物好きなワタシ的には「今度はどんなサボテンかな?」という楽しみもありました。

いくつになっても、どんな状況にあっても、恋するときめきは忘れたくない。
恋は心を成長させてくれるものでもあり、冒険させてもくれるものでもある。
恋だけではなく、人生を描いているとも言えますね。
今まで読んだナオコーラさんの作品ではこれがベストです。大好き!
| comments(0) | trackbacks(0) | 15:10 | category:    山崎ナオコーラ |
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