# ピュア・ラブ〈2〉 恋情篇
2006.11.30 Thursday
ピュア・ラブ〈2〉恋情篇
宮内 婦貴子
●ピュア・ラブ〈2〉 恋情篇/宮内婦貴子
●毎日新聞社
●1500円
●評価 ☆☆☆
小学校教師・木里子と禅寺の修行僧・陽春。
純愛を貫くふたりの涙と感動のラブストーリーが人気を呼んだ
ヒットテレビドラマのノベライズ。
「紅糸篇」に次ぐ第2弾。
木里子の白血病が再発
陽春は再びドナーとなるが…。
(感想)
TBSの昼ドラとして放送され、
大人気を博した同名ドラマの小説版・第2弾です。
ドラマ版を観ていた方のためにこの本の内容を説明すると、
何も告げずに修行に出てしまった陽春に会うために、
木里子が箱根のお寺まで行くエピソードからはじまります。
そしてラストはあの二人でイルカを見に行くシーン。
第2弾ではここまでが描かれています。
白血病を患う美貌の小学校教師・木里子と修行中の雲水・陽春の純愛
そこにあるのは打算など微塵もない、純粋な思いだけ。
無駄な思いはまったく存在しないこんな愛は、
私たちの生きる現代にはなかなか存在しないから、
私たちは憧れるような気持ちでこの作品にひかれているのかもしれません。
しかし愛だけでなく、細かい部分にも魅了のある作品です。
特に禅の心。
陽春さんや老師様が語る、
仏教に関わるちょっといい話は本当にためになるし、
お寺で食べている精進の料理や、
陽春さんが木里子に持ってくる地味だけど心のこもった食べ物の数々は
「食」というもののありがたさと偉大さを教えてくれます。
この作品には、
今、日本で見直されてきているものがすべて詰まっているのです。
韓国のドラマに代表されるような「純愛」。
生き方や食のスタイルとして注目される「スローライフ」「スローフード」。
それらが流行に便乗した描き方ではなく、
あくまで自然に詰め込まれている。
そのへんも人気の理由と言えるでしょうね
しかし、忍さんと戸ノ山さんのテンポのよいやり取りや、
陽春の厳かな身のこなしなどを映像で知っている方は
小説では伝えきれないドラマ版の良さを改めて感じるはず
ドラマを観ていない人も第1弾から読めば、
十分に面白い作品だと思います。
でも小説版を少しでも気に入ってもらえたら絶対にドラマ版も観て欲しいです
●この本を好きな人におすすめなのは・・・
ピュア・ラブ/絲糸篇
ピュア・ラブ/飛翔篇
どちらも宮内婦貴子さん。
3部作で完結です。