# 途中の一歩(上)(下)
2013.09.26 Thursday
JUGEMテーマ:小説全般
途中の一歩(上)(下) / 雫井脩介(幻冬舎)
評価 ☆☆☆☆
仕事一筋で恋愛には縁のない漫画家の覚本は、
独身仲間に説得されて参加した初めての合コンで可愛い女の子たちに囲まれ、
久々に恋の予感が到来。
恋愛相談にのるのが得意な編集者の綾子は、
いざ自分のこととなるとなかなか前に踏み出せない。
ヒットメーカー雫井脩介が描く大人のための愛と勇気の物語。
雫井脩介さんってこんな軽いものも書けたんですね〜、意外!!
上下巻組という重みを感じさせないライトで笑える作品で、
あっという間に読み終えてしまいました。
表紙にフカザワナオコさんの漫画を使っているのも、
作品の中身を表現するのにはうまい方法だと思う。
登場人物たちが私と同世代ということもあり、リアルで共感をしやすい。
特に恋愛下手な部分や人としてダメなところとかマイナスな面に
つい自分や周りの知り合いの面影を感じてしまいます。
子供の頃は30代の人たちを「本当の大人」だと思って見ていた。
でも、いざ自分がその年代になってみると、
それはとんでもないカン違いだったことに気づく。
社会に出て10年ほどが経ち、ある程度の落ち着きと経験値が増しただけ。
そのぶん、勇気や行動力はなくなってしまってる。
それに気づいてるから焦りや不安もあるし、1人でいることが怖くなる。
だから不器用ながらもジタバタともがいてみる。
その焦りがわかるから、彼らのちょっとした悩みや言葉が妙に心に響きました。
特に奈留美に関しては1人暮らしで独身で彼氏もいなくって、
私、このまま年を取るのかな・・・ってぼんやり思ってた頃の自分が重なっちゃってw
だからこのハッピーエンドは読んで本当に嬉しかったです。
それにしてもヌエの秘密には笑ったなぁ・・・そうきましたかww