# 貧困大国ニッポン―2割の日本人が年収200万円以下
2008.12.08 Monday
評価:
門倉貴史+賃金クライシス取材班 宝島社 ¥ 680 (2008-06-07) コメント:壮絶でした |
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●貧困大国ニッポン―2割の日本人が年収200万円以下/門倉貴史+賃金クライシス取材班●宝島社新書
●680円
●評価 ☆☆☆☆
一生結婚できない正社員、食費月1万円台の4人家族、
ゴミを奪い合う年金老人、援交子育てママ・・・・・。
今や、日本の労働者4人に1人が年収200万円以下。
彼らはどのような生活を送っているのでしょうか?
衣食住から教育、医療。そして貧困ゆえの犯罪事情(主婦売春、ネット犯罪など)まで、
「最底辺100人」の証言で追う貧困大国ニッポンの生々しい現実。
平成日本の下層社会を赤裸々に綴る迫真のレポート。
(感想)
今、日本で働く人のうちの2割が年収200万以下であると言われています。
ものすごーく稼いでいる人はわずかながらもいるのだろうけど、
ワーキングプアどころじゃなく、ギリギリのところで生きてる人の方が多い。
だんだん貧富の差に開きができ、2極化している我が国の経済事情。
この本はその底辺で想像を絶する生活をしている人たちの声を集めたレポートです。
ほとんどがインタビューで構成されているので内容は難しくなく、
リアルな声が伝わってくる本でした
彼らの生きていくための涙ぐましい努力・節約術はあまりに壮絶。
同じ国のこととは思えないほど・・・。
働きたいという意思はあるのだけど、
きちんとした住所がないから就職できない、お金がないからアパートも借りられない。
すべての悪循環にはまってしまい身動きができない人の多いこと
なかでも私は主婦なのでどうしても同世代の女性や主婦の証言が強く響いてきました。
食品用のラップは洗って10回は使うとか、
出産一時金が目当てで子供をたくさん産む夫婦の話など、
私だって決して楽な暮らしをしてるとは思ったことはなかったけど、
彼らに比べたら自分はどれほど安定した環境に置かれているのか・・・。
でも、そういって安心していられないのが今の日本の危ういところ。
もし明日、夫の会社が倒産したら?
きっと彼らのような生活を強いられることでしょう。
そんな意味でこの本は今の日本に生きる誰から見ても決して他人事ではありません。
どんどん読み進められる本だけど、救いがないのが読んでて辛い。
ここ数週間で景気は目に見えて悪化しているし、
それをどう生き抜いていくのかといった打開策はこの本では何も提示されず、
ただ貧困にあえぐ人々をレポートするだけ
でも、そういう点にも現実の厳しさを突き付けられました。
二世議員ばかりでお金の苦労を知らない政治家の人たちは
ここまでの暮らしをしている人がいる現実を把握してるのだろうか?
この本はこの日本の現状をいちばんわかっていない彼らにこそ読んで欲しいものです。
●この本が好きな人におすすめなのは・・・
ワーキングプア いくら働いても報われない時代が来る/門倉貴史
派遣のリアル 300万人の悲鳴が聞こえる/門倉貴史